コイノテンポ / SHAZNA | 安眠妨害水族館

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コイノテンポ/SHAZNA

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1. コイノテンポ

 

2019年のレビュー初めは、SHAZNAの11年ぶりの新曲となるデジタルシングルで。

アルバムに向けた先行リリースとして、2018年末、ゲリラ的に配信が開始されました。

 

6人編成となって"新華"を遂げた彼ら。

配布音源として「LOVERS」を制作しているものの、純粋な新曲としては、本作が新体制初となります。

届けられたのは、大人びたミディアムバラードである「コイノテンポ」。

復活第一弾として、こういうタイプの楽曲を選ぶのは意外な気もしますが、ポップさを隠れ蓑に、実はセオリーから外してくるのが上手いSHAZNAですから、ある種、らしい選曲と言えるのかもしれません。

 

内容としては、Vo.IZAMさんの十八番であるラブソング。

ロックシーンにおいて、ストレートなラブソングは流行らなくなった昨今、あえてそこに飛び込むところに、SHAZNAが復活した意味があるのではないでしょうか。

言ってしまえば、メンバーも年齢を重ね、子供だって生まれているわけで、歌詞に書きたいテーマだって変わってきて当然なわけですよ。

しかし、ダーク一辺倒だったシーンにアマアマなラブソングを投入することでインパクトを掻っ攫ってきた彼らにとっては、ここを貫くのが美学。

この世代のロックバンドで、ここまで甘酸っぱさのある歌詞が今もなお書けるというのは、もはや継続を下地にした才能であると捉えられるのでは。

 

もちろんサウンド面では、良い意味で年齢相応の落ち着きがある。

サックスにASUKAさん、コーラスにRaychellさんが加わったことで、勢いのままにビートロックを奏でていたあの頃にはなかったお洒落さがもたらされ、表現の幅が広がっています。

ギターも含めて、上モノを生音で再現できるのは、きっとライブでも強みになるはず。

長年不在だったドラムの位置にも、 夏芽さんが正式メンバーとして加入して、主張が生まれました。

ゆったりした曲調でも、パワフルさが感じられるので、とても気持ちが良いですね。

 

解散前のメンバーに、新メンバーが融合して織りなす新生SHAZNAのサウンド。

IZAMさんの歌声に懐かしさや安心感を覚えつつ、聴き込んでいくほど、プラスアルファがどんどん見つかる1曲に仕上がっています。

待っていた音楽性とは少し異なるけれど、だからこそ、次に控えている新曲たちへの期待が高まりますな。

 

待望のアルバムは3月のリリースとのこと。

激しさを持った楽曲でも機能することは「LOVERS」で証明済みなだけに、ワクワクが止まりません。

 

<過去のSHAZNAに関するレビュー>

LOVERS

10th Melty Life

PURE HEARTS
GOLD SUN AND SILVER MOON
White Silent Night
Promise Eve

Melty Case