LOVERS/SHAZNA
1. LOVERS
６人編成となり"新華"したSHAZNAの初音源。
「SHAZNA Live 2018 LOVERS LOVER II ～SECOND～」にて配布されたシングルです。
収録されたのは、インディーズ時代から演奏されてきた定番曲、「LOVERS」。
初期のデモテープに収録されてはいたものの、ずっとCDには未収録だった楽曲だったので、まさに待望の音源化。
新体制となって初ということもあり、既存曲のリテイクか、新曲か、といくつか選択肢がある中で、これ以上ないベストな選曲だったのではないでしょうか。
それは、この日のために、今までCDに収録してこなかったのでは、と深読みしたくなるくらいに。
ライブでは煽り曲のような位置づけで使われている、ハードなナンバー。
サビのメロディはSHAZNAらしくきちんとキャッチーさがあるのだけれど、初期の楽曲に見られるUNA SEAなどから継承された王道V-ROCKの様式にも則っていて、ソリッドに疾走する硬派さも感じられます。
タイトルから、メジャー期の代名詞であるアマアマのポップチューンを想像したら大間違い。
現代的なサウンドクオリティで、この曲が音源として残されたのは、本当に嬉しい限りですよ。
さて、気になるのは"新華"した部分。
夏芽さんのドラムは、パワフルだけれど肌理細やかさもあって、楽曲との相性は良さそうです。
そして、上モノとして新たな彩りを添えているASUKAさんのサックス。
全編的に前に出てきているのだけれど、もともとこういうアレンジだったのかと思うぐらいに馴染んでいて、楽曲に大人びた表情を加えていました。
現代ロック的なサウンドアプローチをとるにしても、同期ではなく、生音にこだわるあたり、SHAZNAの反骨精神も感じられますね。
また、2nd Vo.Raychellさんが加入したことにより、コーラスワークを全面に押し出せるようになったのもポイント。
ハモりであったり、掛け合いであったり、IZAMさんの声だけで表現する必要がなくなって、表現の幅が更に広がった。
その意味でも、サビで交互に掛け合いをするフレーズがあるこの曲は、新体制での魅力を伝えるのにもってこいのナンバーなのだよな。
前述のとおり、運命を感じます。
ランダムで、メンバーのサインが入っている仕様。
メンバー全員のサインが入っていたり、サインだけではなくメッセージも書かれている当たりもあるのだとか。
良い出来なだけに、限定音源なのがもったいない気もしますが、だからこそプレゼントとしてのスペシャル感が出るのも事実。
大切に聴いていきたい１枚です。
欲を言えば、ライブでの定番曲なだけに、歌詞カードもあれば良かったのだけれど。
＜過去のSHAZNAに関するレビュー＞
PURE HEARTS
GOLD SUN AND SILVER MOON
White Silent Night
Promise Eve