THE STARRY RIFT / Migimimi sleep tight | 安眠妨害水族館

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THE STARRY RIFT/Migimimi sleep tight

THE STARRY RIFT THE STARRY RIFT
1,890円
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1. SLEEPY SUNSET

2. CHANT A CHARM

3. OYSTER GIRL

4. SECRET PEACH

5. LOST YOUR LOVE

6. CREEPY CANDY (YOU'RE SO CREEPY.I'M SO CREEPY,TOO)

7. THE STARRY RIFT

 

Migimimi sleep tightの3rdミニアルバム。

アルバム作品のリリースは、3人編成としては初となります。

 

先行リリースとなった「OYSTER GIRL」、「SLEEPY SUNSET」を含む全7曲。

クラブ系のノリをロックサウンドで表現しようとするアプローチは従来通りなのですが、特徴的なのは、メロディの切なさがより際立っているという点でしょう。

「OYSTER GIRL」や「THE STARRY RIFT」のように、間奏での演奏がサビと同等以上の主張をするMigimimi sleep tightの個性とも言える部分はしっかり残しつつ、全体的にシンプルな構成の楽曲が多く、とても聴きやすく余韻に浸れる内容に仕上がっているのですよ。

 

そもそも、"泣けて踊れる"というのが、彼らの音楽のキャッチコピー。

その意味では、本作は、"泣けて"の要素を強めてきたといったところ。

英詞が中心であり、パーティー的なノリもあるにも関わらず、どこか物憂げで、胸を締め付けるような日本人の感性にダイレクトに響くというのが面白いですね。

ただ良いメロディを持ってきただけではなく、デジタルサウンドで彩って情景を表現してしまう。

これが彼らのひとつの到達点なのでは、と感心してしまう新感覚っぷりでした。

 

「SLEEPY SUNSET」を聴いた段階では、夏の終わりの甘酸っぱい雰囲気を感じ取っていたのだけれど、アルバムで聴くと、また雰囲気が変わるというのも作品単位で聴く魅力。

徐々に季節が移り変わって、冬を連想させる「THE STARRY RIFT」に辿り着くドラマ性があるため、夏の終わりというよりも、冬の入り口といった印象に。

それは、単に"秋"を言い換えただけに過ぎないのかもしれないけれど、先行シングルを1曲目に配置しただけで、終わりははじまりでもあることを伝えきってしまったのだから、グッと深みを増した気がするのです。

 

Vo.宮川さんが作曲を担当した「SECRET PEACH」も、統一感のあるアレンジになっており、とてもよく馴染んでいるかと。

流れを壊さず、中盤で変化をつける気の利いた楽曲と言え、聴き込んでいくうちに存在感を増していく。

気怠さのあるメロディとコーラスワークに、いつの間にか中毒になっていました。

シングル曲や表題曲の個性に耳を奪われがちだけれど、実はアクセントとして挿入されている楽曲にこそ、本作の肝が詰まっていたりするのではないでしょうか。

 

個人的には、彼らに求めていた音楽性が、ど真ん中で届けられた感覚。

配信でのリリースが基本で、CDでの販売はライブ会場限定となるのだけれど、これがCDショップに並ばないのはもったいないな。

店内で流れていて引っかかる、ヘッドフォンで試聴してみてピンとくる。

新規開拓のためになんとなく手を伸ばしたら原石を見つけたような、あの興奮を与えることができる作品だと思うのですよ。

 

<過去のMigimimi sleep tightに関するレビュー>

「OYSTER GIRL/Hi-NRG BOY」 「SLEEPY SUNSET/The Bike」

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