The Massive Market / Migimimi sleep tight | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

The Massive Market/Migimimi sleep tight

The Massive Market The Massive Market
1,944円
Amazon

 

1. MACAU:The Massive Market

2. MOVE ON !

3. Akirakeiko

4. Workaholic

5. TREES ON FIRE

6. Escape from Tsuki No Uragawa ZOO

 

Migimimi sleep tightの2ndミニアルバム。

Ba.JOTAROさんの脱退が発表されており、現体制では最後の流通作品となりそうです。

 

EDM要素は更に強まり、とにかく踊れることを意識した楽曲が中心となった本作。

歌メロと同等かそれ以上にイントロや間奏でのデジタルサウンドが立っている楽曲が増えており、Migimimi sleep tightの武器として成立していました。

過去の楽曲会場限定シングルとなっていた「Akirakeiko」や、配信でリリースされていた「Escape from Tsuki No Uragawa ZOO」も収録。

「FOLLOW U」は外した、この辺りの選曲も、目指している方向性がはっきり表れているのでは。

 

リード曲となる「MACAU:The Massive Market」は、マカオをイメージしたようで、チャイナ風のフレーズが登場したり、歌詞には中国語も使われています。

海外のカーニバルを巡っているような異国情緒+ダンスサウンドは、まさに彼らの代名詞。

じわじわとツボにハマっていきますよ。

また、古株の涼平さんファンであればドキッとしてしまうのは、『君とダンスを踊りたいけど…』という歌詞でしょう。

これは、雛罠時代の「チャイニーズマンホールアイスクリームショップ」の世界観と繋がっているということなのだろうか。

 

「MOVE ON !」は、古臭いユーロビート調のサウンドが、かえって新鮮。

ラップも取り入れられ、全編が英詞で構築されています。

続く「Akirakeiko」は、やはり多国籍な雰囲気のアレンジに。

ライブで会場をダンスフロアに仕立ててきた成果が、音源としても還元されたといったところかな。

 

唯一、Vo.宮川さんが作曲しているのが「Workaholic」。

現代的なEDM色が強まり、ボーカリストが作った楽曲らしくメロディが立っている。

歌い癖や声質も相まって、何年か前のT.M.Revolutionに通じるものを感じました。

JOTAROさんの歌心あるベースのフレーズも、とても格好良い。

 

「TREES ON FIRE」は、涼平節をMigimimi sleep tightの音楽で再現したような。

不思議な歌詞に、メルヘンチックなメロディ。

ツインボーカル風の掛け合いもあって、実に涼平さんらしいのだけれど、しっかり踊れるアプローチが満載。

この横ノリが気持ち良くなってきます。

最後は「Escape from Tsuki No Uragawa ZOO」で締められ、結局最後まで踊りっぱなし。

前作が、メンバーの出自の違いを活かしたバラエティ性が特徴だったのだけれど、本作は音楽性を絞ってコンセプチュアルにまとめた印象ですね。

 

それにしても、Dr.松本さんの引き出しの多さには感服。

相変わらず涼平さんは涼平さんらしさをぶつけてきているのだけれど、ヴィジュアル系ではあまり使われないリズムパターンを持ち込んで、これまでの涼平さんのバンドとは違う味わいを生み出している。

この化学反応は、まだまだ楽しめそうです。

 

メガマソが解散したことによって、こちらに本腰を入れるのか、ヴィジュアルシーンでの活動も継続するのか。

涼平さんの動向に注目が集まりますが、こちらもこちらでメンバー脱退。

先行きはますます読みにくくなりました。

個人的には、Migimimi sleep tightもスタイルが固まってきたタイミングだし、活動を止めずに突き進んでほしいかな。

涼平さんなら、V系バンドと掛け持ちするぐらいのアイディアとバイタリティはあるはずだもの。

 

<過去のMigimimi sleep tightに関するレビュー>

FOLLOW U

Escape from Tsuki No Uragawa ZOO
The Lovers
Akirakeiko
Migimimi