Akirakeiko / Migimimi sleep tight | 安眠妨害水族館

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Akirakeiko/Migimimi sleep tight


1. Akirakeiko

メガマソのGt.涼平さんが新たに結成したMigimimi sleep tightの会場限定作品。
"Preview Single"である「Migmimi」との同時発売となりますが、こちらはワンコインシングルとなります。

真っ白なジャケット。
歌詞が記載されたシールが付属しており、これを貼って、オリジナルのジャケットを作成できるという仕様なのだとか。
物販にて、メンバーをモチーフにした追加シールも販売されているので、更に賑やかにすることも可能。
涼平さんが在籍しているだけあって、やはり、アイディアは豊富のようですね。
デザインを担当しているのは、アヤビエ時代からおなじみの大山美鈴さんです。

内容は、「Akirakeiko」1曲を収録。
祭囃子のようなイントロから、ダンサブルな本編へ。
シンセがバリバリ使われたダンスロックサウンドに、ときおり混ざる和風フレーズが面白いです。

イントロダクションといったイメージで、これを「Migmimi」と分けて1曲勝負としたのは、随分と勇気があると思います。
セオリーにとらわれない、自由な作風。
なんというか、間奏とサビを融合させてしまった。
そんな感覚なのだ。

少し詳しく書くと、サビにあたる部分に歌メロがないのである。
Bメロが終わって、いよいよサビだ!とテンションが上がるところに待っているのは、ギラギラとしたシンセのフレーズという。
メロディアスなボーカルラインは用意されておらず、ラストに"をぅをぅ、をぅをぅ、をぅをぅ、をぅをぅ、をぅをぅ、をぅをぅ、をぅ。"と表記されるコーラス風のパートが重ねられるだけ。
実験作とも言えそうなこの楽曲を、名刺代わりの1曲目に持ってきてしまうのだから、もうインパクトは抜群ですよ。

そして、ライブを体験してしまった身としては、これが"アリ"だと胸を張って言える。
奇をてらった前衛的な楽曲、と距離を置くこともできるのだが、もっと実態感があるというか、しっかりとライブにフィットさせ、盛り上がっている会場の画が浮かぶのだ。
無条件に踊れて、なんとなく不思議。
濃いのか薄いのかわかりかねる世界観も相まって、唯一無二の楽曲になってしまいました。

「Migmimi」がアルバムのプレビューという位置づけであれば、こちらは独立して存在する音楽性なのかも。
と言いつつ、こんなものを出されてしまったら、次回作が気にならないわけがないじゃない。
ここにきて、新たな可能性を見せつける涼平さんの才能。
V系シーンの外から集めたメンバーとともに、どんなものを作り上げようとしているのでしょうか。
今後の動向が、楽しみで仕方ありません。

<過去のMigimimi sleep tightに関するレビュー>
Migimimi