くしゃみ / まみれた | 安眠妨害水族館

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くしゃみ/まみれた

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1. くしゃみ

2. ゴミ漁り純恋歌

3. 囚人番号07番は愛した

 

まみれたの6thシングル。

本作もメーカー分完売ということで、勢いはまだまだ継続していると言えるでしょう。

 

表題曲の「くしゃみ」は、タイトルからインパクト抜群。

ヴィジュアル系の楽曲のタイトルとしてこれを選ぶ意外性が、彼ららしさを端的に示しています。

他のバンドと同じようなところには着地しないぞ、という捻くれた自意識と個性的なセンス。

シングルとして切ってくるだけのことはありますね。

 

といっても、ひと世代前にShullaが同名の楽曲でシーンをあっと言わせたのを知っている層であれば、少し振り切り方が足りないかな、と思ってしまうのかな。

コミカルな要素も入れつつ、くしゃみの破裂音をシャウトとして利用する手法も同様で、本当に時代は回っていくものなのだな、と。

もちろん、彼らならではの強みもあって、強引に転調を成立させてしまうカオティックな展開や迫力のある演奏は、それはそれとしてリスナーをドキドキさせてくれる。

ある種、まみれたが、無意識的にゼロ年代に新進気鋭だったバンドの要素を持ち込みつつ、現代的なサウンドに昇華させていくスタイルなのであることを証明した形なのかもしれません。

 

「ゴミ漁り純恋歌」は、これまた彼らの十八番である変態性の高い楽曲。

キメなどのギミックも多く、生音での表現力に長けているのがわかります。

ストーカー気質を主観的に見た歌詞はもとより、この複雑な構成をストレートなナンバーに聴かせてしまうのが、何よりも彼らの変態性なのではないかと。

 

最後に収録された「囚人番号07番は愛した」は、もっとも王道寄りのヴィジュアルロック。

マイナーコードで疾走し、Aメロでは抑えめに歌いつつ、サビにてキーを上げて切なさを炸裂。

ギターソロも華やかで、奇をてらわなくても格好良いじゃないですか、まみれたって。

こういう楽曲が入っているとは思わなかったので、ある意味で意外性でしたよ。

 

これだけ出す音源出す音源が完売しているのだから、そろそろプレス数を増やせばいいのに、とは思わないでもないのですが、実際どのくらいプレスしているのだろう。

限定数を事前に示してリスナーを煽り、完売させてハクをつけるというのが90年代後半のCDバブル時に見られたマーケティング戦略でしたが、CDが売れないこの時代に、それが出来てしまっているのが恐ろしい。

12月には、シングルの2枚同時リリースも決まっていて、これまたソールドアウトとなるでしょうか。

10曲揃えるのに6,000円+αと、少しライト層を振り落とす形態になってはいますので、真価が問われるところですな。

 

<過去のまみれたに関するレビュー>

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