食べたい/まみれた
食べたい
1,080円
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1. 食べたい
2. 死因:被害妄想
2017年2月よりデモンストレーション活動を続けていた、まみれた。
本作は、本格始動となった5月にリリースされた1stシングルです。
黒系バンドへの回帰がひと段落したと思えば、次はゼロ年代以降のコテオサ路線のバンドが増えてきた印象。
V系シーンにも、"流行は繰り返す"という言葉が当てはまるようになってきたのでしょうか。
そんな中で、今後伸びてきそうなのが、まみれた。
バンド名のインパクトもさることながら、アートワークやライブでのパフォーマンスも衝撃的で、この手のバンドには欠かせない、"世間とはズレている感覚"を大事にしているイメージなのですよね。
ダークでハードなサウンドに、エログロ満載の歌詞。
ところどころ、くだけた口調になったり、ダミ声で現実的な世界観を表現したりと、コテオサのお作法をしっかり組み込んでいます。
全体的には初期の蜉蝣からの影響を見せつつも、演奏面や楽曲構成には現代的なアプローチも落とし込まれており、バランスが良い。
サビでは狙いすましたようにキャッチーになるバンドが多い中、サビであっても気持ち悪いメロディラインを残したまま進行しているところは、個性的と言えるかと。
中毒性を高めていました。
収録された「食べたい」にしても、「死因:被害妄想」にしても、同じ方向を向いていて、彼らの強みを打ち出そうとした意図が汲み取れる。
同期に頼らず、1本のギターで現代的な重さ、激しさを担っているアレンジもセンスが良い。
特段、歌唱力が高いというわけではないけれど、気持ち悪さに振り切っているので、それは武器として捉えたいです。
曲中に仕掛けられた諸々のギミックについては、まだまだライブありきという部分も多々。
音源としてもインパクトを出せるようになれば、更に注目度は高まるはず。
挨拶代わりのシングルであることを勘案すれば、十分に及第点となるであろう1枚。