卒業/Raphael
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卒業
2,365円
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1. 旅立ち~prologue~
2. lost graduation
3. Teenage~卒業~
4. lost graduation(Silent Version)
5. 旅立ち~epilogue~
2000年3月にリリースされた、Raphaelのミニアルバム。
いや、文字通り"卒業アルバム"と言ったほうが良いのでしょう。
というのも本作は、彼らが高校に通っていれば卒業式を迎えていたはずのタイミングで発表されたもの。
音楽の道を進んだRaphaelにとって、この"卒業"というキーワードは、夢であり、憧れであり、コンプレックスだったのだろう。
先行シングルとなった「lost graduation」が示すとおり、高校生として卒業を経験することができなかった彼らですが、彼らでしかできない手法で青春時代を封じ込めたのが、この「卒業」という作品なのだと認識しています。
内容としては、Vo.YUKIさん作曲のインストナンバー2曲、「lost graduation」がバージョン違いで2トラック、書き下ろしの新曲となった「Teenage~卒業~」と、合計5曲。
実質的な新曲が1曲のみという情報だけでは、フルアルバム並みの価格設定はやや高すぎる印象もあるが、まさに卒業アルバムのような質感のジャケット、ブックレット、そしてGt.華月さんが残した私小説、「蒼の邂逅」が付属しており、ボックスセットと捉えれば十分許容できる水準かな。
さて、やはりメインとなるのは「Teenage~卒業~」。
これがまた、名曲なのだ。
前向きなポップチューンなのだけれど、少し切なくて、甘酸っぱさがある。
明るい曲調であるにも関わらず、イントロの段階でこんなにも涙腺が緩む曲を、他に知りません。
「lost graduation」だけでは"卒業できなかったこと、続けなかったことを正当化してしまうのでは"と考えたメンバーが、最後までやり切ることの大切さを"卒業"というテーマに置き換えたのが、この楽曲を制作した背景とのこと。
そのためか、繊細で内向的だった「lost graduation」とは対照的で、爽やかで瑞々しいアレンジとなっていますね。
間違いなく、どちらも18歳の等身大。
サビとイントロを華月さんが作曲し、行き詰ったところでYUKIさんがAメロとBメロを加えて完成させたというのも、実に卒業制作っぽくて、この楽曲にふさわしいエピソードだな、と。
歌モノはどちらもベスト盤などにも収録されているため、音楽を聴くだけであれば無理に手を出す必要がないアイテム。
とはいえ、ピアノとボーカルのみで構成される「lost graduation」のSilent Versionは、YUKIさんの歌唱力が最大限に活かされており、ファンであれば聴いておきたいところ。
そもそも、この作品の本当の価値はジャケットなどを含めた総合的なパッケージにあると思いますので、どうせなら現物を手に入れていただきたいものです。
まさか、この16年後にRaphaelとしての卒業アルバムが発表されることになるとは、予想できるはずがなかったよなぁ。
<過去のRaphael(-Starring 華月-)に関するレビュー>
Love story -2000020220161101-
Ending -1999072319991201-
Never -1997040719990429-
天使の檜舞台
eternal wish~届かぬ君へ~
秋風の狂詩曲
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Sick~XXX患者のカルテ~