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1. 夢より素敵な
Raphaelと言えばこの曲、「夢より素敵な」です。
本作は、1999年に8cmシングルとしてリリースされ、2000年には12cmサイズで再販されました。
３曲入りのマキシシングルにするのではなく、この「夢より素敵な」だけを外に出し、２曲入りのシングルと分けてリリースしたのも納得である。
コンセプト的なものももちろんあるのだろうが、単体で世界観が完結しているような、圧倒的な存在感があるのですよ。
インディーズ作品ながらメジャーチャートにも顔を出し、この曲で彼らを知ったというリスナーも多かったのではなかろうか。
これでもかというほど、キャッチーなナンバー。
同時発売の「Sweet Romance」が、彼らのダークで内向的な一面を表現した作品とするなら、こちらは、彼らの"癒し"の要素を強めた楽曲となるのでしょう。
基本的にはAメロとサビだけで展開されるのだが、まったくダレることなく最後まで持っていく構成力は素晴らしいとしか言いようがない。
１番で丁寧に歌ったメロディを、２番では歌い崩す。
ベースとなる歌メロがひとつでも、高い歌唱力を持っているからこその表現の幅により、なんともドラマティックに聴こえてしまうから不思議なものである。
ギターをはじめとした演奏隊も負けてはおらず、キメの繰り返しからスタートするイントロの昂揚感にしても、歌うようなギターソロにしても、たとえ歌がない部分であっても耳に残ってしまうフレーズばかり。
どこを切り取っても、「夢より素敵な」であるとはっきりわかるのだよなぁ。
ファンタジックな世界観を彩るシンセによる味付けも効いていて、メンバーが10代のバンドとは思えないクオリティの高さを誇っていましたよね。
先日、ツアーを行うことが発表されたものの、音楽を離れるメンバーがいるとのことで、正真正銘、最後のRaphaelになってしまうとのこと。
既にリーダーであったGt.華月さんが他界してしまっており、新曲が望めない形態だったのは確かなのですが、そうは言っても喪失感があるよなぁ。
ポップで前向きな歌詞ながら、そういう状況下で聴いてみると、切なくも感じます。
当然ながらベストアルバムにも収録されている代表曲。
これ単体で購入するメリットは薄いですが、今となっては8cmシングルそのものが希少種だったりするので、手に取ってアートワークを眺めてみるのも一興かと。
＜過去のRaphael(-Starring 華月-)に関するレビュー＞
天使の檜舞台
eternal wish～届かぬ君へ～
秋風の狂詩曲
Evergreen
mind soap
タッチ
Sick～XXX患者のカルテ～