
むしろ家族のために、堺市消防局主催の普通救命講習を受講した
今日は2024年9月9日(月)、「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから、「救急の日」と昭和57年(1982年)に厚生労働省によって定められた。簡単にいうと、“救急について知ろう!”という日。今日の日にぴったりの講習。
防災士の資格取得に必要な普通救命講習1は、AEDを含む心肺蘇生法(主に成人への手当)、異物除去法及び大出血時の止血法を理解し実施できることを目的とした講習会(3時間)。堺市消防局主催の救命講習を美原区の堺市総合防災センターで受講した。
さて講習は前半で簡易模擬シートを使った胸部圧迫や人工呼吸と詰まらせた場合の吐き出させ方など座学。後半は4名でチームを作って人形を相手により実践的な練習。都合3時間弱の講習で最後に認定証を授与される。講習講師や補助のボランティアの皆さん、ありがとうございました。
たった2分の実践練習ではあるものの、体力が必要な練習だった。正に救急救命とは体力と言える。
↑普通救命講習修了証を受領。
講習の中で気になったことは、心臓が原因で心肺停止となった死者数は毎年8万人。これはコロナの3倍、交通事故の20倍だそうだ。
また最近は救急車が来るまでの10分間の胸骨圧迫(心臓マッサージ)で必要な酸素は倒れた際の血中酸素で間に合うことから、人工呼吸は必ずしも必要でないことを知った。50年前は心臓マッサージと人工呼吸がセットだった気がするが新しい知見で変わったようだ。ただし子どもや老人は喉につまらせて窒息することで心肺停止することもあることから、可能であれば吐き出させる措置や人工呼吸も必要になるそうだ。
堺市防災センターの啓発棟玄関には日本AED財団の発行する教本が置かれていて持ち帰ることができる。以下、教本↓
https://aed-zaidan.jp/user/media/aed-zaidan/download/2021takara.pdf
そのP3には心肺停止の事故発生場所が示されており、多くは住宅と老人ホームで全体の83.7%を占める。ということは一般の我々が遭遇するほとんどの救命は家族や顔見知りを対象にする機会で、他人事ではない。その総数もコロナの3倍、交通事故の20倍となれば、少しでも多くの一般市民が救命講習を受けることが重要となるだろう。防災士取得の資格としてだけではなく、いずれ訪れる震災の防災減災を意識し、むしろ日頃の家族のために救命講習の受講をオススメしたい。
もはや堺市消防局の救命講習の募集タイトルは「家族のための救命講習」でいいんじゃないのか?
↑日本AED財団教本P3から
以前の記事はこちら。
少し余談。啓発棟1階には防災教育パネルが並んでいる。そこにははっきりと非常食が不足する、堺市の備蓄は1〜3日と記されている。これは倒壊した家屋住民の想定数で、新基準で建てられた倒壊しない住宅建物の住民は含まれない。倒壊に関わらず電気水道ガスは止まるので、1時避難者に対する堺市の備蓄は皆無と言っていいだろう。自身で非常食や簡易トイレを備蓄するように、もっと啓発したらいいのに。
ところで消防士は皆防災士の資格を取得しているのかと質問したところ、ほとんど取得していないとのこと。消防士は救急救命士(国家資格)をお持ちで、防災士とは全く無関係らしい。当たり前か(^_^;) 厚生労働省の救急救命士紹介はこちら。
以下、資料として
↓総務省消防庁から消防職員数(およそ16.6万人)
↓日本防災士機構から防災士登録者数(およそ29.4万人)
【消防本部】
堺市堺区大浜南町3丁2番5号
電話番号:072-238-0119(代表)
総務課担当
【総合防災センター】
堺美原区美原区阿弥129-4
電話番号:072-363-2225
②防災講座2024「能登半島地震の被害から学ぶ災害への備え」
①に続き、今年元日に発生した能登半島地震からのフィードバックとして、大阪公立大学生涯学習・公開講座に参加。
https://www.omu.ac.jp/lifelong-learning/course/event-04142.html
第1回 2024年9月5日(木)
能登半島地震における建物被害と人的被害
能登半島地震では強烈な地震動により多くの建物が倒壊し、死傷者が発生しました。死者の死因は阪神・淡路大震災と同様であり、発生が懸念される南海トラフ地震等でも建物被害からいかに生き残るかが肝心です。また、阪神・淡路大震災と異なり、能登半島地震は午後4時台の発生で多くの人が起床した状態でした。強烈な揺れの中で人々はどのような行動をとったのか。建物被害からいのちを守る方法を考えます。
大阪公立大学 都市科学・防災研究センター 専任研究員
現代システム科学研究科 教授
生田 英輔
地震から生き延びるための講習で、地震被害の調査に基づいた内容の濃い90分だった。地震による死傷者を減らすにはどうしたらよいのかをこれまでの震災データから客観的に紐解いた。グラフなどの資料は筆者が作り直したもの。
↑石川県資料からまとめた
2、死因原因の9割以上は家屋倒壊によるもので、中でも共通して圧死・窒息が特徴的。
↑生田先生の分析をもとにまとめた
3、阪神淡路大震災での死亡時間はほぼ15分以内で、死傷原因は家具ではなく家屋圧迫。
↑生田先生の分析をもとにまとめた
4、阪神淡路大震災でのヒアリングによると、発災直後に避難行動すると怪我が少ない。
↑生田先生の分析をもとにまとめた
以上から、地震による死亡は家屋の倒壊により下敷きになって15分以内に圧死窒息死することがわかった。つまり自助による避難が出来なければ72時間以内の共助や公助による救出は絶望的なので当てにしないほうがいい。
したがって、①丈夫な家屋に住んで、②発災直後から避難すれば生き延びる可能性が高くなる。
昨今の南海トラフ大地震の確率上昇報道に踊らされて備蓄品の購入をすることも無駄ではないが、まずは発災直後に生き延びることを考え準備することが優先される。家具の転倒による死亡はほぼないので、家具転倒防止は避難経路確保として設置すればいい。
自治会はじめ防災士は、こういった事実に基づく防災減災の現実を地域に広めることが存在意義だと考える。自治会費で役員が飲み食いしている場合ではない。
【メモ】
- 衣食住は生きていく基礎。衣はファッションとして人気、食育は健康志向が強まり注目を浴びるが、住への注目度はさほど高くはない。地震大国の日本においては、むしろ住こそ生き抜くために重要な要素。人生の半分は住居にとどまり、1/3は睡眠する。
- 人と地球の時間軸の違いを把握し、自然の恐ろしさを知り、恵みに感謝する。
- 断層近くでの揺れは前後左右に限らず上下にも弾む。木造住宅は基礎から外れ、横方向の隣家へ雪崩ることで被害増大。
-
地震で危険な大阪府の密集市街地(堺市は湊) https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/2289/missyuseibihoushin-gaiyo.pdf
- 阪神淡路大震災から29年経っても能登半島地震における家屋倒壊と死者の関係は同様だった。
- 死因は胸部圧迫による5分以内の圧死・窒息が大半。数センチの胸部膨張を許さない圧迫。
- 家屋倒壊が起こらなければ地震による死者の大半を防げる。家具の転倒による死亡は少ない。
- 発災8秒以内に避難できるかがデットライン。初回の揺れで避難必須。
- 対策1 高強度な住宅への引っ越し。
- 対策2 自宅の補強。
- 対策3 自宅、自室での避難訓練。寝室に一時避難バックやヘルメットなど準備。
- まずは発災直後に生き延びることが先決優先。
①防災講座2024「能登半島地震の被害から学ぶ災害への備え」
今年元日に発生した能登半島地震からのフィードバックとして、大阪公立大学生涯学習・公開講座に参加。日程は2024年9月5日(木)、12日(木)、19日(木)、26日(木)の全4回で、受講料は合計2000円。会場は大阪公立大学 I-siteなんば(南海なんば第1ビル2階)
https://www.omu.ac.jp/lifelong-learning/course/event-04142.html
第1回目 2024年9月5日(木)
能登半島地震における建物被害と人的被害
能登半島地震では強烈な地震動により多くの建物が倒壊し、死傷者が発生しました。死者の死因は阪神・淡路大震災と同様であり、発生が懸念される南海トラフ地震等でも建物被害からいかに生き残るかが肝心です。また、阪神・淡路大震災と異なり、能登半島地震は午後4時台の発生で多くの人が起床した状態でした。強烈な揺れの中で人々はどのような行動をとったのか。建物被害からいのちを守る方法を考えます。
大阪公立大学 都市科学・防災研究センター 専任研究員
現代システム科学研究科 教授
生田 英輔
その前に木津市場の三ツ輪さんで腹ごしらえ。名物「肉巻き」をいただく。甘煮つけ牛肉の卵とじだ。昼で閉店する鮮魚店市場で、午後はC国人ばかりだった。
講習まで時間もあったので、なんばパークスにあるアルペンで予習した。
↓避難所でもプライバシー確保にテントなど必要。当ブログ「台湾へ行ってみた」シリーズでも記した通り、遅れた日本に対してプライバシー確保で進んでいる台湾ボランティア活動が羨ましい。もはや体育館を当てにせず、雨風しのげる場所を見つけて自助するしかない。
↓NHKなどの報道では避難所体育館脇で体育座りしている光景を見かける。椅子に腰掛ける行為がリラックスを生む。
↓明かりも精神安定には重要なファクター。真っ暗な場所では生きていけない。
↓LEDランタンは安全で明るい。この5000ルーメンランタンは車のヘッドライト2個分。
↓低体温症予防とエコノミー症候群予防にはマットが必需。
↓奥は寝床、手前は居住空間。人間らしいこういったアイデアが避難には必要。
↓大人は短期間なら我慢できるが、こどもたちにはおもちゃやおやつ🍪がすぐに必要。
↓6時から受付、いよいよ講習が始まる。


















