遅刻による不戦敗をギリギリで回避し、息を切らせながら試験がスタートした。
英語、数学、物理、化学。
とにかく手を動かしまくり、あっという間に全科目の試験は終了した。
上智と慶応にはない、手応えがあった。
といっても、合格に値する手応えかどうかはわからない。
・英語は半分くらいは解けた。
・直前期まで鍛えまくった物理は7割くらいはいけたか。
・化学も得意の有機化学が解けたことに加え、上京の船の中で読んでいた無機化学の単元が出て、何かしら書けた気がする。
そして、数学だ。
解法暗記に頼ったせいで伸び悩んだ数学であったが、それでも慶応のように全く太刀打ちできないわけではなかった。
幼い頃から公文式で計算力だけは鍛えてきた。
紙とペンさえあれば、計算スピードと正確性で右に出るものはいなかった(佐渡島内で)。
もちろん、計算力だけで戦えるほど、大学受験は甘くなかった。
だから、伸び悩み、受験勉強から数学を完全排除するに至った。
ただ、早稲田大学の問題は少し違った。
もちろん簡単ではない。もちろん難しい。
しかし、スマートなやり方でなくても、美しくなくても、
泥臭い計算をゴリゴリと、素早く正確に行えれば、
正解に辿り着ける問題が、少なからずあったのだ。
数学も、5割は確保した。
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