明日は私立受験の最終日。早稲田大学理工学部の試験日だ。
というより、東大足切りをくらったsadounivにとっては、
現役受験最後の試験日だ。
朝、4泊お世話になった品プリをチェックアウトしなければならない。
代ゼミのパンフレットを眺めて、来年の受験勉強の計画をたてるのも程々にして、
今年の目の前の試験に全力を注ぐべく、sadounivとJ君は、早めに寝ることにした。
もはや恒例となった、湿気確保のための、熱湯お湯張り。
風呂場のドアを開け放ち、湯気がもくもくと部屋に充満する。
大きな窓ガラスは、科学法則どおりに、一面曇りきった。
しかし、曇った窓ガラスに貼るお札はない。
「早稲田大学合格」と書かれたお札は持っていないのだ。
なぜか。
それは、早稲田大学が、「チャラチャラしていた」からだ。
「3.願書」で述べたとおり、sadounivは、もともと早稲田大学を受験するつもりはなかった。
受験を決めたのは、母からの「もう少し受験校を増やしては」との助言をうけてのものだった。
願書締め切りギリギリに受験を決めたということもあって、
大学別模試を受けたことがなく、それゆえ、おまけの合格お札も持っていなかったのだ。
これでは、お得意の合格祈願ができないではないか…
あ、そうだ!
sadounivは、おもむろに曇った窓ガラスに文字を書き始めた。
お札が無いなら、自分で書けばいいじゃないか。
人差し指で、「早稲田大学合格」と書くべく、「早」の文字を書いた、その時だった。
J君が痛烈な一言を放ったのだ。
「それさ、やるからダメなんじゃないの❓」
「‼️」
sadounivはハッとした。
たしかに。
東大も上智も慶応も、お札を貼っていた。
そして撃沈し、
ホテルに戻ると、お札は床に落ちていた。(結露が無くなるから、当たり前。)
源担ぎと言いつつ、自分を過度に鼓舞しすぎ、本番に必要な冷静さを失ってしまってはいなかっただろうか。
(東大はその前から負け確定していたが。)
J君は常に冷静で、正論の人だった。
J君の、核心をつく一言で、sadounivは「早稲田大学合格」と書くのをやめた。そのかわり…
と書いた。
「明日は、朝から試験だし、早起きして頭をスッキリさせよう。そのために早く寝よう❗️」
最後の悪あがきの公式暗記もほどほどに、sadounivと J君は早々に消灯した。
十分な湿度と休息により、2人の風邪は、ようやく完治した。
体調は万全だ。いざ、最終決戦。
~~目次~~
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