謎の大物忌神が鎮座する鳥海山山麓の古社の里宮

場所・ 山形県飽海郡遊佐町吹浦字布倉1

電話・ 0234−77−3424 HPあり

創建・ 山上の本社とともに古くて謎

竣工・ 古め

構造・ 木像平屋建て  木造明神系鳥居

祭神・ 大物忌神、月読命

社務所・ あり 両宮の御朱印はこちらで 日中

主な神事・ 1月5日 管粥神事(くだかゆしんじ)五穀と1年の吉凶を占う

最終訪問・ 2020.06

*国・登録有形文化財 *国・史跡

山形県と秋田県の県境、日本海に面する鳥海山の山麓にある神社で、出羽富士とも呼ばれる活火山を御神体とする神社で、山頂の本社と麓の吹浦(ふくら)と蕨岡の二か所の里宮の総称です神社

 



大物忌神は倉稲魂神と同一視されるも諸記には登場しません注意
本来は古代蝦夷の地にある活火山を山の神として祀ったものと考えられています富士山

 

 

荒ぶる神の噴火は蝦夷反乱のメタファーか?
鳥海山の噴火は蝦夷の反乱と連動するものと考えられ、噴火の度に朝廷から供え物と神階が贈られたそうですアセアセ

門前町 


源頼義、義家親子が前九年の役に際して戦勝祈願し、神助を得たと伝わります(出たー!!東北の源氏伝説)お願い
月読命は、同じ庄内の月山権現の影響でしょうね富士山
大物忌神も月読命もどちらも謎の多い神秘的な神様で珍しいですよねウインク

 

境内 



江戸時代では、伊勢神宮が太陽の神の天照大御神で昼の神、月山の月読命が月の神様で夜の神ということで、どちらかを参拝しても片詣りになるということで、

 

 

庄内の月山にも多くの参詣客が来たそうですお願い
今では伊勢神宮の方に多くの人が行きますが、こちらはひっそりとしていますねアセアセ

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古代は「
蝦夷」という北海道系の豪族が東北まで降りて来ていて、朝廷の脅威だったということですねアセアセ
しかし、それより昔から独自の地方の山岳信仰というのはあったわけで、それで神様が日本のメジャーな書物に登場しないのかなあ、と思いますタラー

 



他にも蝦夷に備えた神社といえば、「鹿島神宮」「香取神宮」「塩竃神社」とかあるそうですが、神社を建てただけで、というか、それで実際に防ぐことってできるのでしょうか(軍事拠点か)?

 

「鹿島神宮」「香取神宮」も後ほどUP

 

願いとして、そこに置いておくことはできますが、古代は本当に神の力というのは今よりももっと強力なものだと信じられていたからでしょうか?
 

御神木 長い歴史を感じる

 

現代人からすると、自然現象と人の反乱が連動するなんて、何でそういう発想になるのか不思議ですアセアセ

「信仰」というのは権力だそうです筋肉

 

顔を削られて少し怖い狛犬 



「おおものいみ」という奇妙な呼び名はどこから来たのでしょうか?
日本の他の地方では全く聞かない、独自の名前ですよねアセアセ

 

日本海側は、「い」を「え」と発音し、「え」を「い」と発音する方言があるので、もしかしたら、「いみ」は「えぞ」から来ているのかもですね(個人の想像です)!?

 

拝殿 



そこに大きな力を持った豪族だから、「大物」とつけたとか(小物忌神社もある)、大きな山だから「大物」なのか!?
本当は、
物忌とは斎戒にして不吉不浄を忌むことであり、

 

山の爆発は山神が夷乱凶変を忌み嫌って予め発生させるものだと朝廷は考えたそうです(すごい自分本位)タラー
どちらにしても謎の多い神というのは、怖さもあるし神秘的ですよねアセアセ

拝殿 


基本的には
鳥海山の恵みの農耕の神、ということで農民に広く信仰されてきたのでしょうねウインク
当日も地元の家族連れがワイワイ急な階段を上って参拝していたので、地元の方にやはり親しまれているんだなあ、と思いました(山形県民は土日になると家族で神社参拝をする)おねがい

このような構図で里を見守り伏流水で水田を満たす


階段の下の方には住宅街があり、そこまで雰囲気はないですが、急な階段を上った境内は別世界ですが、わりにがらんとしてシンプルで、御神木の大木が目立っていましたびっくり

 

このガランとした感じはやはりそうで、普段は神様は頂上の本社に鎮座されており、参拝客が来た時に呼べば来る、とのことですニコニコ

 

本殿 



この階段が大変で、また旦那に励まされながらどうにか登れましたが、数日後まで筋肉痛でしたので、ご注意下さい(私はヘタレです)注意

 

上に行けば行くほど、神様とは繋がれるそうです上矢印
鳥海山の稜線は、海の中まで続いているとのことなので、遊佐町自体が鳥海山の斜面の中にあるというか富士山

 

国道側の鳥居 国道側からも入れる 



雄大な裾野を見せる大きな鳥海山は、まるで里の人たちを抱いているような姿で佇んでいます富士山
大物忌神社の神様は男神様で、やはり優しく郷の人たちを見守っているそうですお父さん

 


 

そしてそこから湧き出す伏流水や清らかな雪解け水で里を潤し、人々の命を養ってきたということを考えると、自然と山岳信仰になるよなあ、ということが感じられる町でしたチョコがけハート
町の人たちにとっては、故郷の親のような存在が鳥海山なのではないでしょうか?

この日は雲で見えない鳥海山 木造の校舎 


私もこの日は雲がかかっていて、全貌は見えませんでしたが、
平野に立つ独立峰の鳥海山の雄姿は忘れません富士山

(いつも秋田や津軽の行き帰りに国道からも見えます)
大物忌神社は、山裾の斜面に建っているので、
少し日本百名山に上ったということでラブラブ

神社・一之宮・里宮好きの方にもおススメです♪

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*来週は、「旧青山本邸」と2024年5月の記事です 

 

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