★修験道の面影を残す山上の静かな宿坊集落と古社★
場所・ 山形県飽海郡遊佐町上蕨岡字松が岡51
創建・ 1709年 江戸時代
竣工・ 古め
構造・ 木造平屋建て 木造明神系鳥居
祭神・ 大物忌神
社務所・ あり
主な神事・ 1月5日 管粥神事(くだがゆしんじ)五穀と1年の吉凶を占う
最終訪問・ 2020.06
*国・登録有形文化財 *国・史跡
*映画「るろうに剣心 京都大火編」ロケ地
日本海に面した庄内地方、秋田県境の遊佐町にある出羽国一之宮です
創建は、吹浦口に比べると江戸時代に役行者が開山と新しいようですが、明治時代にどちらが一の宮か争いになったそう
神様を巡って争う人間て、どんだけ小さいの
それを天皇が見かねて、本宮は鳥海山の2200m以上上の山頂に置いて、この2つの里宮を3社で総称して「大物忌神社」としましょう、ということでやっと決着がついたそうで
でも、歴史で言ったら、吹浦口の方が古いので、本社といえそうですが、今では酒田市にも大きめの大物忌神社が本楯の城跡にあるし、なんだかなあ
社頭
こちらは、吹浦口よりも南の山麓にあり、里からは急な坂道を登っていくと、神仏習合の修験道の面影を残した空間に行きつきます
ここだけ、吹浦口と違って、江戸のままというか山の中だからこそ残された本来の大物忌神社の姿というか
個人的にはこちらが静かで、深淵な感じがして好きです
周辺に残る宿坊街も、名字が「鳥海」さんだったりしました
随神門
ちょうど花がきれいな季節で、社務所と紫陽花の共演が素晴らしかったです
境内は森の中にあり、広い空間になっていますが、わりに広いです
拝殿も大きく立派で、階段が1.5mもあってすごく高かったのが印象的でした
このときはコロナの影響で、鈴の尾を触れないように横に流してありました
新緑の境内
杜の中は夏でもすごく涼しく、空気がピーンと張りつめて、それでいてとても気持ち良い、良い気に満ちた空間で本当に癒されました
こちらの神社は、本当に来れて良かったです
アジサイと社務所の共演
やはりこちらの神様も普段は鳥海山の頂上の本社に鎮座されており、こちらで呼べば来る、とのことです
なんでも願いがあれば、お願いして良いそうです
山形県出身者、縁故のある方は挨拶をすると良い一之宮だそうで、私も母が酒田市出身でこの近くなので、参拝できて良かったです
境内の境内社にもお参りをすると、そちらの神様にも喜んで頂けるそうです
「鳥海」という地名は、行者が山の上から見たときに、鳥が海のようにたくさんいたから、とか、霊鳥がいるから、とか、鳥を先祖とするトーテミズム的な考えから来ているとか、諸説ありだそうです
鳥海山は、日本海の風の通り道で、現在では海沿いにたくさんの風力発電のプロペラがあります
鳥と風も大きな繋がりがありますしね
とりあえずこちらで、出羽国一之宮制覇でした
2つの口の神社は、同じ大物忌神社でも全く雰囲気が違い、これは成り立ちの違いからだそうです
みなさまもぜひ鳥海山の聖地へ、、、
一之宮・山岳信仰・森好きの方にもおススメです♪
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★遊佐町のおススメ寺社