ジョン・ウィック(字幕版)
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ネットフリックスに『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が入ってたので観た。シリーズの第4弾。
殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は世界中の殺し屋を束ねる組織・主席連合のボスである首領を殺したことで命を狙われる。主席連合の新たなボスとなったグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、ジョンと密接な関係である殺し屋専門のホテル、ニューヨーク・コンチネンタル・ホテルの廃棄処分を決定。コンシェルジュのシャロン(ランス・レディック)を処刑し、支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)も解任される。
さらにグラモンはジョンを始末するため、彼の旧友である盲目の殺し屋ケイン(ドニー・イェン)にジョン殺しを依頼。すでに引退していたケインだが、逆らえば娘の命はないと強制させられる。
世界中が敵だらけのジョンは唯一の味方である日本の大阪・コンチネンタル・ホテルの支配人シマヅ・コウジ(真田広之)を頼る。それを知ったグラモンはホテルの聖域指定(殺し屋同士が出会っても、その場所で殺し合いは厳禁。従わなければ死の制裁が待つ)を解除。主席連合の殺し屋たちとジョン、シマヅとその配下は一戦を交える。そこにケイン、ジョンにかけられた賞金1400万ドルを狙って、愛犬を操る殺し屋Mr.ノーバディ(シャミア・アンダーソン)も参戦。
からくも日本を脱出したジョンはこの争いを終結させるため、主席連合に定められた掟「一対一の決闘」を画策する。様々な条件を達成したのち、パリでの決闘の約束を取り付ける。グラモンが敗北すればジョンとケインは晴れて自由の身になれるが、グラモンは代理としてケインを立てるのであった。
引退した殺し屋が彼の素性を知らない街のチンピラに車と飼い犬を奪われたことから始まった復讐譚は、シリーズを重ねるごとに設定がつぎ足され、世界観がどんどん拡大していった。おかげで上映時間は右肩上がりになり、この「4」は169分!こんなに長尺になったのは、このシリーズがある種のロードムービーになっているので、ジョンが逃亡したり、何かの目的のために訪れた場所で賞金目当てのアウトローたちが襲い掛かってくる→わらわらと現れるそいつらを撃退し、また別の場所へいくと次の殺し屋が・・・という流れ。このわらわらと出てくる連中を片付けるアクションシーンが長いのでこんなことに。
芸術的ともいえる踊るようなガンアクションは確かにすごいけど、ここまでくると長すぎ!パリの凱旋門前のシーンなんてロータリーを車が行きかう中を殺し、相手を投げて走ってくる車にぶつける(そしてキアヌも轢かれるのだが、すぐに立ち上がる。不死身かよ!)一連のアクション・コーディネートは前代未聞。けどあんなところで堂々と銃撃が行われてたら、車も止まれよ!パリは無法地帯か?
クライマックスは日の出までに決闘場所にたどり着かないといけないのだが、主席連合のボスは「時間通りにこなければ不戦勝だ」とジョンの邪魔をする。最後は222段の大階段を上り切った場所に決闘場があるので、ジョンは上りながら殺し屋たちを始末し、これを登り切れば・・・というところで敵に蹴られて222段を真っ逆さまに一番下まで落ちていく。また上り直しかよ~
って、『鎌田行進曲』の階段落ちじゃねーんだよ!そんなに転げ落ちねえだろ!
そして転げ落ちたジョンを旧友ケインが助け上げて、再び階段を上っていくのだ。ほぼ『鎌田行進曲』!そういえば銀ちゃんとジョン、名前はどことなく似ている・・・(似ていない)
さすが日本の映画に影響を受けたチャド・スタエルスキ監督とキアヌ、『鎌田行進曲』まで見ていたとは(多分見ていない)
このシリーズの殺し屋たちってアウトローなのに殺し屋同士で鉄の掟があって、いちいち従わないといけないってのがなんだかねえ。不良が社会のルールからはみ出しながら、不良同士で徒党を組むと「挨拶しろ」「先輩を敬え」とか自分たちで社会より厳しいルールを作り出すのに似ている。そんなルールに縛られて良しとしているぐらいなら、普通に社会人になった方がいいよ。殺されないし。ケブラー地で弾を弾くスーツとか出てくるんだけど、それを作っているメーカーの方が普通に儲かる気がする。戦争する人間は地べたを張って血を流し、彼らが使う武器を売っている連中はブランド品着て高級料理食ってるみたいなもんだ!
ドニー・イェンと真田広之のバトルは心底興奮した。
サイテー映画を決める第44回ラジー賞のノミネートが発表された。
公式サイトのトップページにはピンク一色で『バービー』を揶揄するワードが並んでいるが、『バービー』はノミネートゼロ。
以下がノミネートリスト。
最低作品賞
『エクソシスト信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『MEGザ・モンスター2』
『シャザム!神々の怒り』
『プー あくまのくまさん』
最低監督賞
リス・ブレイク・ウォーターフィールド(『プー あくまのくまさん』)
デヴィッド・ゴードン・グリーン(『エクソシスト信じる者』)
ペイトン・リード(『アントマン&ワスプ:クアントマニア』)
スコット・ウォー(『エクスペンダブルズ ニューブラッド』)
ベン・ウィートリー(『MEGザ・モンスター2』)
最低主演男優賞
ラッセル・クロウ(『ヴァチカンのエクソシスト』)
ヴィン・ディーゼル(『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』)
クリス・エヴァンス(『ゴーステッドGhosted』)
ジェイソン・ステイサム(『MEGザ・モンスターズ2』)
ジョン・ヴォイト(『Mercy』)
最低主演女優賞
アナ・デ・アルマス(『ゴーステッドGhosted』)
ミーガン・フォックス(『Johnny &Clyde』)
サルマ・ハェック(『マジック・マイク ラスト・ダンス』)
ジェニファー・ロペス(『ザ・マザー』)
ヘレン・ミレン(『シャザム!神々の怒り』)
最低助演男優賞
マイケル・ダグラス(『アントマン&ワスプ:クアントマニア』)
メル・ギブソン(『Confidenrtial Informant』)
ビル・マーレイ(『アントマン&ワスプ:クアントマニア』)
フランコ・ネロ(『ヴァチカンのエクソシスト』)
シルヴェスター・スタローン(『エクスペンダブルズ ニューブラッド』)
最低助演女優賞
キム・キャトラル(『About My Father』)
ミーガン・フォックス(『エクスペンダブルズ ニューブラッド』)
バイ・リン(『Johnny &Clyde』)
ルーシー・リュー(『シャザム!神々の怒り』)
メ―リー・スチュワート・マスターソン(『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』)
最低脚本賞
『エクソシスト 信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『シャザム!神々の怒り』
『プーさん あくまのくまさん』
最低リメイク、前章、スピンオフ、続編賞
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
『エクソシスト 信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『プー あくまのくまさん』
最低カップル賞
アナ・デ・アルマスとクリス・エヴァンス(『ゴーステッドGhosted』)
サルマ・ハェックとチャニング・テイタム(『マジック・マイク ラストダンス』)
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の無慈悲な傭兵(誰でも)2人
『エクソシスト 信じる者』に金儲け目当てで4億ドルつぎ込んだ投資家(誰でも)2人
プーとピグレット(『プー あくまのくまさん』)
最多ノミネートはスタローン、ステイサムをはじめとしたアクションスター勢ぞろいのシリーズ第四弾『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の7部門。シリーズを重ねるごとに興行成績は落ち続け、ロッテントマトの評論家スコアは14%と過去最低の数字。消耗軍団は完全に消耗し切っている状態。ステイサムは主演作『MEG ザ・モンスターズ2』もノミネートしており、すっかりラジーの餌食に。
最低監督賞には『プー あくまのくまさん』のリス・ブレイク・ウォーターフィールド、『エクソシスト 信じる者』のデヴィッド・ゴードン・グリーンがノミネート。両作品は最低リメイク、前章、スピンオフ、続編賞にも入っていて、ともに続編が決定しているが火に油を注ぐことにならないのか?
最低女優賞は『ゴーステッド Ghosted』のアナ・デ・アルマス。同作は『ボヘミアン・ラプソディ』で実質監督だったと言われているデクスター・フレッチャーと『レゴ バットマン・ザ・ムービー』のクリス・マッケナ脚本によるロマンティック・コメディ。キャプテン・アメリカでおなじみクリス・エヴァンスとの共演が話題だったが、ほとんど話題にならず沈没。
そこそこヒットしていた『ヴァチカンのエクソシスト』からは主演のラッセル・クロウと助演でフランコ・ネロがノミネート。同作はロッテントマトでも微妙な評価で、奇行が目立ちがちなクロウはいじられやすいので狙われたのかな?
最低リメイク~続編には『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が「まだ死体蹴りをしている」との一文が添えられノミネートで納得。
目立ったのはアメコミヒーロー映画がノミネートするようになったことか。去年は『モービウス』のみだったが、今年は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』『シャザム!~神々の怒り~』の二本が入った。アントマン~はロッテントマトでも低評価のズタボロで、いよいよスーパーヒーロー疲れが深刻化しているものと思われる。興行的にしくじった作品も増えだし、『ゴジラ-1.0』がハリウッドからすれば信じられない低予算でヒットしている事実を目のあたりにし、金ばっかりかけてる場合じゃないと考え直すのもそう遅くはないのかも・・・
僕は普段芳文社のまんがタイムきらら、キャラット、MAX3誌を延々と読み続ける生活をしています。そんな僕が2023年のまんがタイムきらら系ベスト15を発表します!
※フォワードが入っていないのは近所の本屋にフォワードだけ入らないので読んでいないのです
※2023年内に連載していた作品
※長期連載作品(4巻以上)は殿堂入り扱いで除外しています
⑮さうのあっ!
・MAX誌で連載中。風呂に入る間も惜しんでゲームに勤しんでいるぼっちの女子高生が偶然出会ったフィンランドのJKから風呂とサウナの魅力をたたき込まれるという漫画。題名の「サウノア」はフィンランド語で「サウナに入る」の意である。
フィンランドでは低温サウナが主流なので、日本風の高温サウナはフィンランド人でも耐えがたいという使うところの限られる知識を知ることができる漫画でもある。
⑭またぞろ。
キャラット誌で連載していた。9月号で終了。全3巻。様々な理由で留年することになってしまった三人の女子高生が同じクラスで一年生をやり直すことになる様子を描いた日常系コメディ。タイトルの意は同じことをもう一度繰り返す「またぞうろう」のこと。今時の萌え漫画、日常系とは違うトーンで描かれており、主人公のとんでもないネガティブぶりは他人事とは思えません!
⑬てくてくっ!秘密リサーチ
MAX誌で連載中。フィールドワークが趣味の主人公が織りなす街ブラリサーチ漫画。主役がそうなんだ桃山。
⑫リリカお嬢様に振り回される!
MAX誌で連載、全2巻。ワガママが過ぎるリリカお嬢様はそのせいで家政婦に逃げられてしまい、偶然通りがかった就活中の永野が家政婦として雇われることに。傍若無人なお嬢さまに文字通り振り回される永野の苦労が偲ばれる漫画。ラストも奇麗にまとまっていて、感動的なクライマックスが心に響いた。あと読者プレゼントが当たった。
⑪ササエルの中には誰もいない
キャラット誌で連載。2024年1月号で完結。東北宮城県を舞台にご当地キャラ「笹かまぼこの天使・ササエル」にされてしまった女子高生・小依は嫌々ながら高額のバイト代(全部ガチャに消える)に釣られて二重生活をはじめる。ご当地キャラマニアのクラスメイト・茅の不穏な視線に怯えながら、小依は震災で傷ついた街を復興できるのか?
pixivにとんでもなく性癖の歪んだ絵を描いている作家の作品で、ドスケベ漫画と思いきや宮城県の復興を描いているという再生の漫画。2乙になったことが本当に惜しまれる。
⑩おねロリキャバクラ
きらら本誌で連載中。社畜SEがランチタイムに入れる店を探そうとしたところ、客引きに連れられて入ったのは女性客限定、社会に疲れた女性を癒してくれる美少女キャストの集う「おねロリキャバクラ」だった・・・という色々とどうかしている漫画。創作百合を中心にしている女性同人作家の作品で、以前も同誌で「さかさまロリポップ」(このタイトルもどうかとw)を連載していた。別名きららのヤング・テレホン・コーナー漫画。
⑨白魔導士はゾンビの夢を見るか?
MAX誌で連載中。ゾンビパンデミックの現代に異世界から白魔導士がやってきた!という色々ミックスした話。『がっこうぐらし!』難民におススメ。伏線貼りまくった展開に、死んだ人間を生き返らせる魔法(使用した人間の命と引き換え)を巡るサイドストーリーもあって凝った話が好きな人は読んだ方がいいよ。ただ連載ペースがゆったりなのが勿体ない。
⑧メールブルーの旅人
キャラット誌で連載。2巻完結。人類の情報を網羅したデータベース「情報の海(メールブルー)」は人類が滅んでしまった今も情報を保存していた。生き残ってしまった唯一の人間・ハカセと彼女がつくったAI・クマノミはハカセの祖父で天才科学者と呼ばれたジェンツーの残した「宝物」を探すために「情報の海」に潜り続ける。
きららでは珍しいSFモノで「人と人との分かり合えなさ」がテーマのひとつで、無理にわかりあえなくてもいいじゃないかって話が出てきた時は心底頷いた。
⑦うさパン焼いて悪いかよ!
キャラット誌で連載中。喧嘩上等の性格で恐れられ「8000スコヴィルの悪魔」(スコヴィルは香辛料の辛さの単位)の異名を持つ不良JK・ハチは本当はカワイイもの大好きな乙女。それをバカにされた過去から本当の自分を隠して突っ張っている。オッサンなのにカワイイパンを作っているクマ(本当は同級生)と知り合い、カワイイパンをつくる「パン部」を結成することに。
『アナ雪2』のステマ騒動に巻き込まれた山本アヒルのきらら初連載作で、ハイスピードかつ激しいバイオレンス描写が楽しく読める!理解あるギャルのヤヤちゃんが懲りずに毎回ハチを煽って絶命するシーンが傑作。
⑥ななどなどなど
MAX誌で連載中。現在3巻まで出てる。本物のお嬢様だが、漫画の悪役令嬢のごとく振舞ったことでクラスメイトから「痛いやつ」扱いされ、「陰キャ姫」のあだ名をつけられたショックで不登校になった玉村小町。小町を学校に通わせるため、妹の茶々が制作した高性能ヒューマノイド、ななどが送り込まれる。ななどとの交友を通じて、再び学校に通いだした(渋々)小町は本当の友情を知ることができるのか?
MAXで『ぼっち・ざ・ろっく!』の次に長期連載している作品のひとつで、主人公がぼっちという部分で何かと共通点のある作品。「陰キャ姫」というあまりに強烈なネーミングが記憶に残る。萌え漫画界にぼっちものを定着させた功績のある漫画なのだ。作者の産休に伴い休載中だがアニメ化が期待される作品である。
⑤ラスボスは逃げ出した▽
MAXで連載中。ゲスト掲載のあと長らく空白期間があったが連載に昇格。なんの因果か人類と戦争させられる羽目になった魔王は闘争心もなければ魔力ゼロの普通の少女。隙あらば脱出をもくろむ魔王様はお目付け役のスライムや四天王(死神、邪龍、堕天使、妖狐)に阻止され号泣の日々。一方、魔王と対決する勇者も眠り続ける兄の代役を務めているだけのぼっちだった・・・
まだまだ流行りのなろう系に複雑な味付けをしたような漫画で、バカバカしさの裏で凝ったストーリーが展開しており、特に堕天使の正体などには強い作家性を感じる。見た目と裏腹に読み応えのある一本。
④SAN値直葬!闇バイト
MAX連載中。父親の会社が倒産した煽りで一家離散状態になった女子高生・黒乃あかりは高額に釣られてオカルトショップ「輝くトラペゾヘドロン」のバイトをはじめる。謎の店長・アメンパイン曰くこの仕事は人類の平和を脅かす闇の存在「暗黒ぬい」を捕獲するというものであった。今日もあかりは俸給に釣られて危険な現場に突撃する!
きらら漫画とクトゥルフ神話の合体という、みんなやりそうでやらなかったやつ。きららのヤング・テレホン・コーナー漫画その2。主人公あかりの清々しい銭ゲバアタッカーぶりが最高。
③ばっどがーる
キャラット誌で連載中。現在3巻。私立高に通う優谷優は名前からもわかる通りの優等生。優は風紀委員長にして学校一のマドンナ、水鳥亜鳥の目に止まるため、あえてワルを装う「ばっどがーる」となって亜鳥の気を引こうとする。幼馴染のクラスメイト、涼風涼の好意に一切気づかぬまま・・・もう付き合っちゃえよ!!
きらら一のイケメン漫画家(笑)肉丸先生のコメディで登場する女子高生たちのJKとは思えない言葉遣いがポイント高め。
②エイティエイトを2でわって
MAX誌で連載中。今月一巻発売。ピアノ好きの女子高生、美弦は高校進学とともに寮生活をスタートさせ、そこでかつてのライバル(と勝手に美弦が思っていた)、奏と同室に。天才少女と呼ばれていた奏だったが、留学先で他の生徒とのレベルの差に打ちのめされ、ピアノを捨てて帰国したのであった。ピアノを見ることすら怖くなった奏だが、何も考えていない美弦は自宅から寮へピアノを持ち込んでいた!美弦は嫌がる奏を再びピアノの道へ誘うのだが・・・
きららで商業誌デビューした有馬先生の5年ぶりの復帰作で、振るっているギャグセンスは衰えるどころか鋭さを増していた!ズンドコピアノとか扉を破壊するお嬢様、無言の真っ白なフキダシなど、何喰ってたらこんなネタ思いつくんだ・・・
①きもちわるいから君がすき
きらら本誌で連載中。クラスメイトの司のことが大好きな依子は司がプリンを食べるために使ったプラスチックのスプーンをゴミ箱から回収し、舐める。マフラーを忘れたフリをして、彼女から借りたマフラーから髪の毛を回収、藁人形をこしらえる(そしてマフラーは新しいものを購入し、新品を彼女に返す)・・・
初回から読者が騒然としたクソデカ感情百合漫画。二人は互いに好き同士なんだけど、依子の想いは重すぎて、歪んでいた!まさに文字通りの「きもちわるいから君がすき」という内容で2乙を突破して現在も連載中!その後も依子が司の飼い犬に嫉妬して放課後、犬になったりとこちらの常識を軽く超えてくるので気が抜けない。今、もっとも先の展開が楽しみな漫画だ。

河崎実監督の『電エース』は35年の歴史を持つ巨大特撮ヒーローのシリーズである。ゴジラやウルトラマンは映画会社やプロダクションの作品だから50年以上続くのはわかるけど、同じ人間が35年間も作り続けているシリーズは他にないんじゃない?出てくる人間も35年間一緒だし!ギネスに申請してもいいぐらいだ。
気持ちよくなると2000mの巨人に変身するヒーロー、電エースは35年間の歴史でウルトラマンのように兄弟がいる。総勢70人!ビデオからはじまり、テレビ放送、衛星放送、DVD、配信と姿を変え今回はついに初の劇場用映画に進出だ。
今回初めて電エースを見るお客さんのために、初代である電エース・ファーストの映像からスタートだ。令和ライダーの新作にライダー1号・2号、V3の初回をくっつけてるようなもん!おなじみの高速エンドロールに送られてきたハガキを燃やす場面もバッチリだ(なんせビデオ作品なので、再見する機会がほとんどないのでありがたい)。
本作は2019年の『電エースキック』と2022年の『電エースQ』の映像を再編集したうえ、新規撮影分を加えたごった煮映画だ。おかげで上映時間が110分を超えたが、明らかに尺稼ぎしているような場面もあって河崎ファンはほっこりさせられる。
電五十郎(小林聡、電エースキック)は行きつけのバーのママ(ちかまろ)に惚れていた。そんな折、世界を破滅させようとハリウッド星人(ハリウッドザコシショウ)が襲来。辛くも電エースキックは勝利するが、失恋する。
その弟、電五十二郎(電エースQ、タブレット純)は昭和歌謡をこよなく愛する男だが、昭和を憎むユーリク星人(ユリオカ超特Q)が現れる。電エースQは昭和歌謡を一曲フルサイズで歌い切らないと変身できないので変身したときには怪獣は去ったあと、という欠点を突かれるが無事勝利。
平和になったはずの世の中では異変が起きていた。SNSでしあわせ一杯の投稿をする人々に次々ネガティブコメントが殺到、投稿者は負のエネルギーに飲まれ消えていく。これは人間の邪悪なエネルギーを集めているムクリタ星人(清水綋治)の企みだったのだ。キックとQは人間の嫉妬の力を武器にする最凶の宇宙人に勝つことができるのか?
河崎実作品は昭和ウルトラシリーズの強い影響を受けており、オマージュが散りばめられているのはもちろん、当時の役者たちも登場する。観る方もネタ元を知っているから大爆笑(知らないと意味がわからないシーンの連続になるんだけど・・・)観客のオタク度の濃さを試される映画なのだ。突然古谷敏さん(ウルトラマンのスーツアクター、セブンのアマギ隊員)や勝呂誉(『怪奇大作戦』の三沢研究員)が出てきても普通は意味が分からない。まあ、このメンツが元何なのかを知っていたとしても、出演シーンの意味はわからないけれど・・・
でも、知ってる人は出てきたら嬉しいじゃない!?薩摩剣八郎さんとか。ところが薩摩さんの登場シーンは外で稽古をつけていたら近所のおばさんに「もう少し静かにしてくれない?」とクレームをつけられちゃう(笑)完全にNGテイクやんけ!これ、薩摩剣八郎さんの遺作なんだよね。『電エースカオス』が遺作って、最高なのか最低なのか・・・
さらに『電エースカオス』は各界のレジェンドたちも登場する。プロレスラー藤波辰爾!(ドラゴンつながりで森累珠も出る)きちんと「お前平田だろ!」のオマージュも出てくる。さらにグレート小鹿!小鹿は馬場・猪木・大木金太郎時代のレスラーで力道山の弟子。他の人たちはみんな死んじゃって、最後の生き残りですよ。そして元キックボクサー藤原敏男。タイのラジャダムナンで頂点に立ったこともある「キックの荒鷲」!沢村忠よりもすごい!
そんなメンバーが何の脈絡もなく、出てくる。まさにカオス(混沌)!本当は何も考えずに出しているだけじゃないのかという気もするが、監督曰くカオスのタイトルは
「ウルトラマンを創った成田亨先生が、古代ギリシアのプラトンの考え方に則り、ウルトラマンは秩序=コスモスと名付けていたのに相対したものだ」
という。しっかりと考え抜かれた上の豪華出演陣なのだ!その辺のしょうもない邦画製作者より、知的な匂いすら感じられる『電エースカオス』!
河崎実監督は間違いなく異能の天才だ!と思わせられるが、劇中には子供のころにもらったラブレターを保存しているという意味不明な行動も見受けられるのだった。「みんな保存してるでしょ?」ってしてないよ!(監督の物持ちの良さは有名だけど)
天才なのか、それとも大馬鹿者?秩序?混沌?35年の歴史を経ても尚、河崎監督は謎だらけなのだった。
2007年に公開された『グラインドハウス』はかつてB級映画を二本立てで上映していた映画館の上映形式を現代に蘇らせた企画で、そういった低予算映画はプロデューサーによって好き勝手に編集され、予告編には劇中に存在しないカーチェイスシーンや女の裸が出てくるシーンをつぎ足しされていたことがあり、『グラインドハウス』では存在しない映画の予告編がいくつか流れていた。そのうち二つ『マチェーテ』(2010)『ホーボー・ウィズ・ショットガン』(2011)は長編映画化された。『サンクスギビング』は三つ目の映画化である。
サンクスギビング、感謝祭はアメリカで11月の第4木曜日に行われる祝日。16世紀の終わりごろ、イギリス国教会の教えに反発した清教徒の一団がメイフラワー号で海を渡りマサチューセッツ州プリマスに移住。彼らはピルグリム・ファーザーズと呼ばれた。彼らは農耕を始めたが、土壌に遭わない種子だったため、うまくいかず、餓死者を出した。彼らはアメリカ先住民の力を借り、危機を脱した。1621年、ピルグリム・ファーザーズは先住民を招いて収穫を祝う宴を開いた。これが感謝祭のはじまり。そして南北戦争の終結後、エイブラハム・リンカーン大統領は国内の融和を図るために11月最後の木曜日を感謝祭の日と定めた。
現代では感謝祭の翌日金曜日からブラックフライデーが始まり、消費者の購買意欲を掻き立てる、一年で最も売り上げが伸びる時期となっている。・・・という背景を理解していなくても楽しめる映画が本作だ。
舞台はもちろんマサチューセッツ州プリマス。感謝祭の夜、深夜0時からブラックフライデーのセールを始めようとするスーパー・ライトマートに開店を待つ客が列をなしている。群衆を整理しているのはたった二人の店員と警備担当のエリック・ニューロン保安官(パトリック・デンプシー)だけ。そんなんで大丈夫?客らは「早く開けろ」と騒ぎ立てている。ちなみに彼らのお目当ては限定30個のワッフル・メーカー(笑)
そんな中、スーパーのオーナーの娘ジェシカ(ネル・ヴェルラーク)、その恋人ボビー(ジェイレン・トーマス・ブルックス)と仲間たちは特権を利用して先に中に入れてもらう。よせばいいのに彼らは外の観客を煽るような行為を取り、憤慨した客は柵を壊し、ガラス戸を破壊して店内になだれ込む。群衆は店内で略奪をはじめ(ワッフルメーカーを・・・そこまでして欲しいのか?そんなもん)、死者まで出してしまう暴動に発展する。ジェシカを助けようとしたボビーは群衆に足を踏みつけられ腕を折ってしまい、メジャーリーガーへの夢を絶たれてしまう。
一年後。忌まわしい感謝祭の日が近づきながら、店長はブラックフライデーセールをやると宣言し、世間の批判を浴びていた。暴動で妻アマンダ(ジーナ・ガーション)を失った店長のミッチ(タイ・オルソン)も「セールをやめろ」運動を展開している。店内の監視カメラの映像が途中で切れていたことで暴動のきっかけを生んだ犯人が誰なのかはわからずじまいに。途中までの映像はYouTubeやTikTokで拡散され、「ファイト・マート」のタイトルでバズっていた。
街のダイナーで働くウェイトレスが何者かに襲われ、店の看板に下半身を突き刺されるという事件が勃発。翌日、SNSにはジョン・カーヴァーと名乗る男がジェシカらに食卓の画像をアップし、テーブルには名札がタグ付けされていた。それを発端に次々殺人が起き、写真には犠牲者の肉体の一部が飾られていく。
カーヴァーは動機を「復讐」としており、感謝祭の暴動事件に関連していると感じたジェシカは恐怖に怯える。なぜなら店内の監視カメラを切ったのは彼女の継母キャスリーン(カレン・クリシェ)がスーパーを守るためにやったことだから。
罪悪感に塗れたジェシカは父親のパソコンから消去された映像を復元し、「犯人はこの中にいるかも」とニューロン保安官に相談。
そのころ、一年間も行方知れずだった恋人ボビーが姿を見せる。突然姿を現したボビーにみんなが疑いの視線を向ける。ジェシカはボビーがいなくなった後、彼と不仲だったライアン(マイロ・マンハイム)にちょっといい関係になっていた。ボビーこそがジョン・カーヴァーなのか?
カーヴァーを捕らえるため、感謝祭パレードに覆面警官を忍ばせ、ジェシカを囮にする作戦を展開。パレードの列に発煙筒が投げ込まれるが、それはミッチによるもので、それに乗じて現れたカーヴァーは七面鳥の着ぐるみの首を切り落とし(偽予告編にあったシーンの再現)大パニックに。逃げ出そうとしたジェシカたちは逆に捕らえられてしまい、全員がカーヴァーの晩餐会に招待される。その様子がライブ配信される中、メインディッシュであるキャスリーンの人体七面鳥丸焼きが登場です!
偽予告編を手掛けたイーライ・ロス監督による16年越しの企画で、かつて『ホステル』『グリーン・インフェルノ』でホラーファンの度肝を抜いたロスだが、ここ数年は不作の時代が続いており、久しぶりのホームランを放った感がある。
元は低予算B級映画の予告編であったはずが、ロス監督の丁寧な職人仕事が目立つ。冒頭のライトマートの暴動シーンなんてB級映画だったらもっとあっさり描かれてるところ、時間をかけてガラス戸を割って突入する客が破片で首を切って出血多量で死ぬところまでしっかり描いてるもの。名前も知らないこいつが(笑)。
この時群衆に踏みつぶされるジーナ・ガーションなんて、潰された後で髪の毛がカートのタイヤに絡まって毛髪ごと引っこ抜かれるトドメまで刺している!延々と惨劇を映した後でようやくタイトルですから。
偽予告編にあった殺しのテクニックはほぼすべて再現されており、みんな爆笑したトランポリンの下からナイフが突き出てチアリーダーのアソコを串刺しするところもガッツリ再現!偽予告の最後に出てきた人体七面鳥も、制作の過程までをしっかりと辿っていて、これで君も人体七面鳥が作れるぞ!
16年の間に変わったことがあるとしたら、スマホの発達でしょう。16年前はiPhoneが出たばかりだからなあ。ジョン・カーヴァーがスマホを利用してターゲットにメッセージを送り、バズりばかり考えている若者たちに怒りの斧を振り降ろしつつ、またスマホによって足元を抄われるところも皮肉ですな。肉料理だけに。
最後に明かされるジョン・カーヴァーの正体もよく見ていたら気が付くようになっていて、卑怯な感じはしない。ただ、クライマックスのミスリードというか、トリックは不可能に近い気がするんだけど、まあご愛敬ってことで!