しばりやトーマスの斜陽産業・続
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宮内洋のスカしっぷりが決まってるぜ!『現代ポルノ伝 先天性淫婦』

※この記事は前ブログの過去記事(2019年11月24日)の再録です



 70年代に東映がポルノ路線に突入した際、石井輝男監督とともに多くの作品を手掛けた鈴木則文監督。石井輝男が新東宝の流れを汲んだ「異常性愛路線」のエロ・グロであるなら、鈴木則文作品はエロ・ナンセンスであった。そのエロ・ナンセンスが炸裂したのが『現代ポルノ伝 先天性淫婦』である。

 主演は同年の則文作品『温泉みみず芸者』にてなんと16歳でオールヌードデビューした池玲子(あまりにグラマーだったのでプロデューサーや鈴木監督は年をごまかしてデビューさせた)。共演はこれと『徳川セッ クス禁止令 色情大名』の二本で大人気となり、レコードデビューまで果たしたフランス女優サンドラ・ジュリアン!日仏裸体合戦!女人渦巻島!(渦巻島ってなんだ?)

 ミッション系の学校できびしく育てられている尾野崎由紀(池玲子)だが、京都の場末のバーでママをやっている母親の絹江(三原葉子)がおり、夫に死なれてからは若い男と関係をもっている。その母親の淫蕩の血が流れていることを恐れていた。それを証明するように学校では先輩から迫られ、夜ごと身もだえている有様であった。

 冬休みに帰宅した由紀は母の情夫安川(藤木孝)が由紀がいるのにベッドでくんずほぐれつの様子を見てしまい、自らを慰めてしまう。ちなみにこの安川という男、「僕はボウリングにはまってるんだ」と無職のヒモのくせにしょうもないことを自慢するのだが、画面にはボウリングのピンがドーン!と大写しになるナンセンスな則文演出に頭がクラクラする。
 翌朝、シャワーを浴びているところを安川に襲われ処女を失う由紀。

「やっぱり私にはお母さんのいやらしい血が流れているのよ!」

 由紀は実家を飛び出し、夜な夜なゴーゴークラブで憂さを晴らしては男に抱かれるやさぐれ生活を送るようになる。元ヤクザの用心棒大場(小池朝雄)に抱かれ、彼が不能であったことからポイ捨てし、次は会社社長の梶村(松竹新喜劇の小島慶四郎)をパトロンにしたりと順調に堕ちていく由紀。大場が由紀を追って梶村のところまで乗り込んでくると梶村に雇われたヤクザの川谷拓三が大場を「もうてめぇなんか兄貴分でもなんでもねぇんだ!」とボコボコにし、逃げ出した由紀は鍵のかかっていない車に隠れる。それは若き建築家・松村洋一郎のものであった。洋一郎を演じるのは『仮面ライダーV3』でおなじみの宮内洋!車の中で酔って眠り込んでしまった由紀を「しょうがねえな~」と家に連れ帰る洋一郎。
 洋一郎の色男っぷりに由紀は「わたし、酔うとどうにかなっちゃうの~抱いてぇ~」としなだれかかる。すると洋一郎は強かにビンタをくらわし、「新手のコールガールか?あいにく俺は安物は買わねえんだ」とスカした男っぷりを見せるのであった。

 由紀は別の町で働き始めた絹江を再開し新しい生活をはじめる。絹江は会社社長の戸間口(北村栄三)をパトロンにしており、羽振りもよさそう(なにしろお手伝いさんが『ハレンチ学園』の渡辺やよいだし)。が、その実、戸間口は金融屋のボス松村権一郎(遠藤辰雄)に借金でがんじがらめにされており、権一郎は密かに絹江に目をつけているのだった。
偶然にカフェで洋一郎と再会、洋一郎は「ああ、あの時の酔いどれ天使か?」宮内洋でもなければ絶対似合わないようなセリフを吐く。さすが宮内洋、最高だぜ!!

「旦那は家庭の諸悪」などという洋一郎を初めて男として愛する由紀だが、洋一郎にはフランス時代の女、サンドラ(仏女優サンドラ・ジュリアン)がいた。
 由紀が一旦絹江の元に帰ったあとでサンドラと仲睦まじく京都旅行などする洋一郎。サンドラとフランス時代の思い出に浸っていると、洋一郎への想いで悶々としていた由紀が耐え切れず京都まで戻ってきて、二人とばったり!三人で夕食の席を囲むも「私のことをどう思っているの」とサンドラに問い詰められ修羅場発生!が、そこはあくまでクールな宮内洋。由紀を愛していないとはいえない、サンドラとはいい友人でいたいんだとその場をしのごうとする。二人の間に並々ならぬ空気を感じ取った由紀は「今すぐここでキスして!」と椎名林檎のようなことを言って迫る由紀!やっぱり淫蕩の血は隠せないんやな・・・翌日大学の恩師の手伝いをするため京都を離れないといけない、というもっともらしい理由で危機を脱する洋一郎。旅館に取り残された由紀とサンドラの女体決戦が開幕するのか?

 夜、サンドラはモンモンを背負った三人の男に襲われる夢を見る。フランス女にも淫蕩の血が流れていた!(失礼)由紀はサンドラに手招きされ、洋一郎を賭けた肉弾戦がスタート。戦い済んで日が暮れて、敗北を悟ったサンドラは洋一郎への想いをしたためた手紙を残し去っていく。

「さよなら、私の京都。さよなら私の青春・・・」

 さあて、ややこしいのが去ったとなればあとは結ばれるだけ、ということで洋一郎は由紀へプロポーズ。しかし洋一郎の父には「銀座のバーの女などと!」と反対されてしまう。このおやじがなんと、金融屋の権一郎なのであった。絹江のみならず、娘の由紀も狙っている権一郎は二人の仲を引き裂くべく、娘婿の明人(渡辺文雄)に依頼。明人と戸間口は結託し、由紀に眠り薬入りの酒を飲ませて権一郎に強姦させる。
 洋一郎はバーの女などに興味はないと言ってたぞ、と言い捨て、ヤケになって飲んだくれるようになった由紀は洋一郎と別れることに。権一郎はさらに由紀の母親に自分の子供を孕ませているにも拘らず乱暴に扱い、子供を流産させる。絹江も傷つけられた挙句死んでしまうのだった。母の復讐を誓った由紀は権一郎の家に秘書兼妾として潜り込み、一家を破滅させようとする・・・って、序盤、中盤、後半で話のトーン変わりすぎだよ!

 まんまと松村の家に潜り込んだ由紀は松村の家を破滅させるべく、スパイのように暗躍する。権一郎の娘綾乃(女屋実和子)が夫の明人とは完全に関係が冷え切っており、おまけに不感症なので戸間口にいたぶられることで憂さを晴らしていることをあっという間に掴み(探偵かよあんたは)、明人を「あんたの方がいいのぉ~」と誑し込み、奥さんは戸間口に好きものにされてるわよと告げ口。怒り狂った明人は情事の最中に殴り込み、かつて由紀に眠り薬を飲ませたように酒に毒を混ぜて二人を心中に仕立て上げる。その間に権一郎のもとで抱かれる由紀。娘婿の明人が内心で権一郎をバカにしていて、松村の家を乗っ取ろうとしていることを知った由紀の陰謀なのだった!彼女の計画通りに明人は権一郎を始末する。しかしその場に突然洋一郎が現れた!帰郷しようとする前に「すべてをお話しします・・・」とやってきた松村の家のお手伝いさんから権一郎が由紀を手籠めにした真相を聞かされて、居ても立っても居られずにやってきたのだ。

「てめえら許さねえ!」
「俺を撃つ気か?やれるもんならやってみろ!お前に人が殺せるのか?」

 あっさり撃ち殺される明人(そりゃそうだよ)。あんただけは救いたかったのに、という由紀に「俺は死刑になるだろう。君が手を汚すことはない」と宮内洋、最後までイカした男だったよあんた・・・!

 周りの人間すべてを失った由紀は、母親のようにバーのママに収まり、酔客を相手につつましやかな生活を送っているのだった。ハッピーエンド・・・ってオイ!


 わずか90分の間にエロ、ナンセンス、トンデモの3大要素が全編にわたって繰り広げられている、ジェットコースターな則文演出が冴えわたる、はっきりいって傑作です。

 

 

 

 

 

2021年12月予定

2021年12月予定

 

12月11日(土)

『アイドル十戒 レザレクションズ其の2』

場所:アワーズルーム

開場:18:30

出演:竹内義和 しばりやトーマス

料金:1500円(drink代別)

 

アイドルさえいなければこんなに悩むことがなかった男たちの物語、復活第2章

 

12月15日(水)

『旧シネマパラダイス』

場所:アワーズルーム

開場:19:30 開演20:00

料金:¥1000(1drink付)

司会:しばりやトーマス

 
TVの深夜番組みたいな懐かし映画企画。 
今月はアメリカン・ニューシネマを代表するカーチェイス映画『ダーティメリー・クレイジーラリー』
時速230キロの逃避行!
 
12月22日(水)

『キネマサロン肥後橋』

場所:アワーズルーム

開場:19:00

料金:¥1000(1drink付)

司会:しばりやトーマス

 

カルトを研究する若人の会。

年末にふさわしいこの一本、『仁義なき戦い 頂上作戦』。

広島極道は芋かもしれんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで!

 
12月20日(月)

『スーパーヒーロートーク』

場所:なんば紅鶴

料金:¥1000(1drink別)

開場:19:30

出演:にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 しばりやトーマス

 
今年最後のヒーロートーク!
 
12月26日(日)

『僕の宗教へようこそ第一四五教義~地下ニュースグランプリ2021』

場所:なんば紅鶴

開場:17:30 開演18:00

料金:¥1500(1drink付)

出演:しばりやトーマス アシスタント・トモ

 
年末恒例、2021年最もどうでもいいニュースが決定!3時間の生ライブです。

信じる奴がジャスティス 仮面ライダーBLACK SUN

 仮面ライダー生誕50周年を記念して製作、2022年配信予定の『仮面ライダーBLACK SUN』のティザービジュアル、およびデザイン、主演キャストらが発表された。

 

 まずはブラックサンのデザインを見てくれ。デザインは全体的に石ノ森章太郎の原作漫画に寄せた風で、首回りの形態が強調されている。

 主演キャストは西島秀俊と中村倫也という非特撮系キャストで、このあたりも方向性として「既存のニチアサ系ヒーローものとは一線を画す」というのが伺える。監督が白石和彌なので、過去作の延長ではないことはわかっているけれど思い切ったなあと思う。

 こうなると他のキャスティングなどが気になる。公式WEBではコンセプトデザインとして「三葉虫改造人間」などが載っており三神官の登場なども期待される。白石作品の常連、ピエール瀧も出てくれるかな?瀧が顔出しで演じる剣聖ビルゲニア、見てみたい。

 配信媒体はまだ発表されてないけれど、コンセプトから従来の特撮ヒーローファン以外にもアピールを狙っていそうなので、アマプラやU-NEXTなんかでも見られそう。

 

 

 

 

 

まったく笑えないコメディ映画『ジョーカー』

※これは前ブログの過去記事(2019年10月21日)の再録です


 DCコミックスの『バットマン』に登場する悪役、ジョーカーを主役にした映画。バットマンではなく悪役が主役の作品だ。といってもティム・バートンの『バットマン』『バットマンリターンズ』もジャック・ニコルソンが演じたジョーカーとダニー・デヴィートのペンギンがほぼ主役級の扱いだったりしたわけだが(バートンは主役のバットマンよりも悪役の方に感情移入して撮っている)、その二本とも、違った作風になっているのがミソ。

 道化師の派遣会社で勤務しているアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は不況で荒廃したゴッサム・シティに住んでいる中年男だ。コメディアンとして活躍し、テレビで人気の司会者マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)みたいにみんなを笑わせたいと思っている。
 アーサーは突然笑いだす病気に苛まれていた。バスに乗っているだけでおかしくて笑いだす。「僕は突然笑いだす病気なんです。気にしないでくださいね!」と自己紹介するためのカードを持ち歩いている。
 なのにピエロの扮装でサンドイッチマンをしていれば悪ガキに悪戯され、認知症気味の母親ペニーの世話もしなければならない。自分のカウンセリングもシティの財政難を理由に打ち切られた。こんなひどい世の中じゃあ、笑うしかないじゃないか!なあ、おかしくて仕方ないだろ?

 同僚のランドルから「これぐらいは持っておけ」と渡された拳銃を小児病棟で入院幼児を励ます仕事中にうっかり落としてしまったアーサーは会社を首になる。これで思い出したのが昔のバイト先に小さい携帯用ナイフを持ち込んでいた同僚がいて、大目玉を食らっていたことがあった。現場にはすごくイヤな先輩がいて、やっちゃう気だったのかな?彼は「護身用だ」って言ってたけど・・・何から守る気だったんだよ!

 首になった帰りにアーサーは地下鉄内で3人の酔っ払いサラリーマンに絡まれる女性を見る。仕事ないし、母親の介護もしなくちゃいけないし、市の財政難を理由に自分のカウンセリングも打ち切られてしまった。何もかも最悪だ。なのにこいつら会社で仕事にありついてる連中はみんな幸せそうだ。あーおかしくてしょうがない!
「てめえ、何がおかしいんだ?」
 リーマンたちに絡まれたアーサーは咄嗟に拳銃をぶっ放す。逃げ出した一人を執拗に追い回して背後から仕留め、構内から飛び出したアーサーの心は晴れ晴れだ。
 翌日ニュースで殺した相手が大富豪トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)の証券会社の社員たちだと判明。この事件は「富裕層に恨みを持つ貧困層による犯行」とされ、シティにはピエロの扮装をして富裕層への怒りをあらわにする者たちが現れるようになる。「ピエロ」が怒りの象徴としてアイコン化されるのだ。シティの問題を解決するべく市長選に立候補することを宣言したトーマス・ウェインはこの事件を「街に蔓延る汚らしい連中がやりそうなことです」と吐き捨てる。この発言はシティで暴れまわるピエロたちの怒りの火に油を注ぎこむ行為になる。

 コメディアンとして初めてバーの舞台に立ったもののアーサーの生活は何も変わらない。母親の手紙で自分はトーマス・ウェインの隠し子であったことを知り屋敷に乗り込むも執事から冷たく追い返される。帰宅すると救急車で運ばれる母親の姿が。地下鉄の事件でアーサーのことを事情聴取に来た刑事たちの訪問に驚き発作を起こしたのだ。
 病院の入り口で刑事たちから事情聴取を受けるアーサーは派遣会社でランドルが拳銃を奪われたと告げていることを知り、自分にかかった疑いはすべてデタラメだと答える。病室で母を見守るとフランクリンの番組でアーサーが初めて出演したバーの映像が流される。僕のショーをフランクリンが見てくれた!どうだい母さんすごいだろう!
 アーサーを「ジョーカー(道化師)」と紹介したフランクリンはアーサーの「子供のころ学校が嫌いだった。すると母親は「いずれ社会人になるのだから」と。でも今僕はコメディアンだ」というダダ滑りのギャグを聞いて「確かに、誰でもコメディアンになれる時代です」と嘲笑する。

 市長選のための演説会場前ではトーマス・ウェインのテレビでの発言に怒り狂うピエロたちが押しかけていた。それに紛れ込んだアーサーは対面を果たすが、トーマスからは「あの女はイカれている」と言われ自分と母親ペニーとは何の関係もなく、アーサーはペニーの養子だという。母親がかつて入院していた州立病院のカルテからペニーの恋人の暴力でアーサーは「突然笑いだす病気」になったこと、ペニー自身も虐待をしていたことが明らかになるとアーサーはたった一人だけ信じていた母親にも裏切られたことに絶望し、彼女を殺す。

 絶望だらけのアーサーにたったひとつの光明が差し込む。フランクリンの番組スタッフから出演依頼の電話がかかってきたのだ。「以前放送したあなたのショーの映像が話題なので、出演しませんか?」あのダダ滑りして、フランクリンが薄ら笑いを浮かべたあれが!?アーサーは快諾する。
 生出演当日。ピエロのメイクをしたアーサーは刑事たちに追われるが今や町中がアーサーのようにピエロの仮面、メイクをした怒りに震える連中であふれかえっている。彼らはアーサーを守るように刑事たちの邪魔をする。無事アーサーはフランクリンの番組に「ジョーカー」として出演。「地下鉄の事件で3人をやったのは俺だよ」


 最近の映画でここまで危険なやつは見たことがない。今や世界中でかつてないほどの格差社会が蔓延しており、一握りの富裕層がありとあらゆる富と権利を支配して、貧困層を絶望のどん底に突き落としている。彼らはヘナチョコな連中が搾取されるのは当たり前さとばかりに偉そうな顔をしてふんぞり返っている。たかが不労所得で稼いでいるだけの人間がそうでない人間を平気で見下し、テレビの司会者ごときがこれまた偉そうな顔で世間を切って捨て、他人を笑いものにするのだ。
 格差社会の底辺にあえぐ人々にはこの地獄を見て見ぬふりをするか、銃を持ち人に向けるか、怒りを権力者に直接向けるかしか残されない。『ジョーカー』では貧困層の怒りが直接権力者たちに向いていくが、世界中では鬱憤の溜まった人の怒りが自分より底辺の人々に向かうようになっている。仕事を奪われた怒りを移民に向けたりだとか、今日本では台風の被害で避難生活を強いられる人たちが避難所にホームレスが来るのはイヤだと排除しようとしたり、それらの行動をお笑い芸人が「嫌でしょ」「何されるかわからないし」とか言い出す始末。またその発言を巡って議論が戦われたりする。こんな生活を強いている政治家連中に怒りはストレートに向かわない。

 アーサーは「自分からすれば悲劇でも、他人から見れば喜劇なんだ」といっていた。『ハングオーバー!』シリーズなどで知られるトッド・フィリップス監督は絶望的な格差社会をまったく笑えないコメディ映画として撮ってしまった。劇場では観客が次第にどんよりしていた。
 この映画を見てると、大抵の世の中はサディストによって支配されて、彼らによってマゾヒストが量産されていることがわかる。権力者はトーマス・ウェインみたいな他人を見下すサディストで、アーサーみたいに痛めつけられても笑うしかないマゾヒストを支配している。だがマゾヒストだっていつまでも痛めつけられてるわけではない。銃口がお前に向くことだってあるんだ。その時はお前を笑わせてやるぞ。さあ笑え!おかしくてしょうがないだろう?

 

 

 

 

ツカマルシアター

※これは前ブログの過去記事(2019年10月17日)の再録です

 常に自分の周囲2メートルから5千キロぐらいまでのどうでもいい情報に目を光らせている僕の目に突然飛び込んできたこのニュース。


カフェで映画館、無許可営業=容疑の社長ら書類送検-警視庁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019101600606&g=soc

 吉祥寺のミニシアター、ココマルシアターを運営する会社社長と元社員の男が書類送検。容疑はカフェと申告した映画館の二階で許可を得ずに映画を上映していた興行場法違反(無許可営業)だ。

 ココマルシアターはゲーム会社デジタルワークスエンタテインメントの代表取締役・樋口義男氏(今回書類送検された会社社長)が吉祥寺にかつて存在した映画館バウスシアターの魂を引き継ぎ、映画の上映だけではなく、配給、更に制作・監督まで手掛けるというビッグプロジェクトで、映画館建設のために実施したクラウドファンディングで目標額を大きく上回る約650万円を調達、約500人の応援するサポーターがつくなど、吉祥寺映画ファン界隈から熱い注目を浴びていました。

 しかし、プレオープンを予定していた日(2017年4月15日)までに工事が間に合わず、むき出しの配線がそのままにされた中、なんとか初日の上映だけは行ったものの、翌日以降の上映は中止。再工事のため正式オープンは延期に。その後しばらくの間ココマルシアターはオープン日決定→工事が間に合わずオープン日延期→工事が間に合わない→延期 を果てしなく繰り返したのだった(4月15日のプレオープン日も一度延期したうえでの強行)。
 当初は2,3階も映画館として営業していく予定が今回の時事通信の記事内にもある「避難階段の数が足りなかった」ために許可が下りず、2,3階をカフェとして申告。しかし実際は2階でも映画の上映を行っていた。

 なんとかオープンにこぎ着けたものの、初日の初回上映作品で「音がまともに出ない」「映像がまともに出ない」「上映中止に」というトリプルコンボをたたき出す結果に。ちなみに客は4人という・・・映画館のオープン日に4人て・・・


 このようにオープン以前、オープン後もありえないようなトラブルを連発させていたココマルシアターはその後もクラウドファンディングやマクアケのサポーターにリターンしてなかったり、サイトの宣伝文やスケジュール表が誤字・脱字だらけだったり、館内アルバイトの態度がひどいとか、座席のシートが切り刻まれていたとか、看板からキノコが生えていたとか、そもそもココマルシアター自体がひどすぎるとか、突っ込みどころばかりが目立っていた。結局、2年数か月しかもたずに劇場は閉館。その幕切れのあとに書類送検というエンドゲームを迎えたのです。

 書類送検の容疑となった無許可営業については、映画館営業中に多くのココマルウォッチャーが指摘しており、都が57回も行政指導しながら改善しなかったというのだから悪質だし、いろいろなトラブルがありながらもココマルシアターを信じて通ったり、ネタにしていた人たちを裏切る行為なんじゃないですかねえ。これが何よりも問題だと思うのです。
 樋口社長がココマルシアターについて語る誇大妄想めいた発言の数々も、こうなっては痛いだけでしたね。これじゃあココマルならぬツカマルシアターじゃないか!ココマルシアターの名前が出るたびに劇場マナーCMに出ていた武田玲奈のことを思い出したり(いねえよ!そんなやつ!)、ここでイベントしていたアイドル、つりビットの解散もココマルのせいだ!(多分無関係)

 まあ、樋口社長もココマルシアターに一度も行ったことがない僕に言われたくないでしょうけど・・・

 

 

 

 

 

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