しばりやトーマスの斜陽産業・続 -3ページ目

オタクの分不相応な夢はやめとけ!『オブセッション 災愛』

『オブセッション 災愛』映画ポスター、ベッドの男女

 5月の全米映画ランキングに製作費1億ドル以上の『Michael/マイケル』『プラダを着た悪魔2』『スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー』らが並ぶ中、それら超大作と競り合ってランキングに残り、肩を並べる興行記録を叩き出した作品がある。それが『オブセッション 災愛』で製作費はわずか75万ドル!コストパフォーマンスなら超大作3本を遥かに上回っている。

 

 YouTuberのカリー・バーカーは自身のチャンネルにアップした短編ホラーをティー・ショップ・プロダクションズのプロデューサー、ジェームズ・ハリスに見初められ長編映画の製作を依頼。バーカーは『ザ・シンプソンズ』のエピソードに影響を受けた『オブセッション 災愛』の売り込みに成功した。これが興行収入1億ドル越えの大ヒット。YouTuberからドル箱映画監督に!夢のような話であり、この映画は分不相応な夢をかなえようとしたがために強烈なしっぺ返しを食らう若者の話である。

 

 

 楽器店でアルバイトしている冴えない気弱な青年ベアはバイト仲間のニッキーに恋焦がれているが、告白する勇気がない。同僚の友人、イアンとサラに応援され、ネックレスを失くした彼女のために雑貨店に向かったベアは代わりに「どんな願い事でも叶う」ワン・ウィッシュ・ウィロー(願いの柳)という魔法のグッズを6ドルで買う。

 バイト仲間の飲み会の帰り、ニッキーを家まで送る車内でベアは「わたしのことが好き?」と問われるも「好きっていうか、僕と君は友達で・・・」と言葉を濁す。最大にして最後のチャンスを見送ったベア(こーのいくじなしが!)はワン・ウィッシュ・ウィローを願いを込めて折る。

「彼女が世界で誰よりも僕を愛してくれますように・・・」

 家に帰ったはずの彼女は泊まるようにベアを誘い、緊張しながら家に入った二人はベッドでキスをする。

 

 やった!願いが叶った!この玩具は本物だったんだ!

 

 と喜ぶもつかの間、彼女は悲鳴をあげて身を引く。一体なんなの?

 

 無事ニッキーと付き合うことになったベアだが、彼女の奇行に惑わされる。所かまわずベタベタしたかと思えば鎮痛剤のオピオイドをうっかり飲んで死んでしまったベアの飼い猫の追悼台をまるで何かのオブジェのように作ったり、昼食のサンドイッチに死んだ猫の肉を混ぜたり(!)、それらの奇行を問いただすと父がガンでもうすぐ亡くなってしまうので、そのショックで・・・と言い訳するが、サラ達同僚の話によると父とは長い間疎遠で、ガンもウソだというのだ。それを問い詰められるとヒステリックに泣き出すのをなんとか宥めるが、その夜ニッキーはベッドを抜け出し、真っ暗闇の中でベアを寝顔を遠くから見つめ「あなたの寝顔ってとっても可愛いわ」と言い出し、行動を非難されたニッキーは「なぜあなたは私のように愛してくれないの」とまた泣き喚く!

 夢が叶っても、思い描いていたような関係になれないことに不満をもったベアは願い事をキャンセルできないか、ワン・ウィッシュ・ウィローの製造元に電話するが「できない」と突き放される。ますますニッキーの行動は異常になり、ベアは疲弊するのだった。

 

 

 冴えなさすぎる主人公の行動がなんともオタク的で、「もしフラれたらどうしよう」と思い悩んで行動できない主人公は日本のラノベっぽい。彼女もいないくせに猫かったりしてるしね。いちいち願い事が叶うアイテムなんか使うあたりはもう(笑)もっとオタクの間でヒットしてもイイと思うのに。みんな『ちいかわ』とか見てる場合じゃないよ!

 

『猿の手』のようなホラーで願い事が歪んだ形でかなえられるというブラックジョークのキツイおとぎ話。ニッキーはそれなりにベアに行為を抱いているようだから、そんな魔法のグッズに頼らなくてもストレートに告白すればよかったじゃない!と思うのだが、話が進むごとにどんどんイヤな方に話が流れていくのだ。さんざんイヤな目に遭わされ続けたベアはニッキーと二人でベッドに眠っていても安らぎがない。すると寝ているはずのニッキーが話しかける。ベアを束縛する人格が今、眠っていて本当の自分が話しかけていると(突然目覚めたような行動をとる時のニッキーは乗っ取られている自意識が目覚めた瞬間なのだ)。本当のニッキーはあまりに辛いから殺してほしいと懇願する。普通なら「私を助けてほしい」なのにベアと一緒にいるぐらいなら死んだほうがマシ!って聞かされるこっちは大ショックだよ!

 その後で同僚のサラからは自分を応援してくれていたイアンとニッキーはセフレみたいな関係で、もともとニッキーはベアのことを何とも思ってなかった!むしろサラの方が自分のことを好きだったとなって・・・

 

 この人間関係のドライさが現代的だなあと思えるけど、こんな友人関係はイヤすぎる。みんなに笑われてる主人公は他人事とは思えません!

 

 クライマックスのハイスピードで展開するホラー描写にはイヤな空気も吹っ飛ぶ爽快感があって、『ウェポンズ/WEAPONS』みたいな衝撃的ホラーは最近の流行りか。ニッキー役のインディ・ナバレッテの演技がヤバ過ぎて本物にしか見えないのも最悪の最高。

 

 この映画を見て思うことは分不応な夢見ないでおひとり様を貫いた方が良かったのに!ってことかな?

 あと猫の遺体をゴミ袋に詰めるのはやめた方がいい。

 

 

 

やかましい音が覆い隠す紛争と周縁化の悲惨な現実『シラート』

映画「シラート」ポスター:衝撃の音響体験

 スペインのアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞にて11部門ノミネート、製作監督賞、撮影賞、編集賞、美術監督賞、オリジナル音楽賞、最優秀音響賞の6部門受賞に輝いた衝撃的“音響”の作品。

 

 モロッコ砂漠のど真ん中にスピーカーをおっ立ててトランスを響かせるレイブ・パーティが行われている。集まった客の中に不釣り合いな親子がいる。父親ルイスと息子のエステバンだ。ルイスはレイブ・パーティに出かけたまま行方知れずになった娘の手がかりを求めてレイブ・パーティをさまよう。突然軍隊が現れ音楽は強制的に中断される。次の会場へ向かおうとするグループの後をついていくルイスたち。広大な砂漠を小さな車で必死についていくうちにグループの若者たちと仲良くなるが、道よりも険しい運命が親子を襲う。

 

 タイトルになっている「シラート」はイスラム世界の用語で天国と地獄をつなぐ細い道のこと。人は審判の日を経てこの髪よりも細い道を渡ろうとするが。不信心な者は渡れない。

 

 軍隊が出てくることから、この世界は戦争によって滅んでしまった文明社会の慣れの果て。または軍事独裁政権によって支配され荒廃した世界の象徴ともいえます。

 ルイスらがついていくグループには体の一部が欠損している者がおり、戦争における傷病者であると受け止められることもできる。最初にルイス親子の目的がいなくなった娘を探すことなのだと説明したけれど、序盤のそのテーマは消えてなくなる。オチをいうと最後まで娘は見つかりません。つまり、娘は戦争で失われた犠牲者だというわけ。

 現実世界の戦争(もしくは内戦)を思わせる世界観で、まったくのフィクションともいえない話なんですが、それがために海外の映画評の中には辛辣に本作を批判する声が聞かれる。映画の舞台となっている西サハラをモロッコが周縁化しようとしている事実から目をそらし、実際に起きている紛争の被害者の苦しみを一切無視した、一方にとってのみ都合のよいファンタジーとして映画にしている暴挙ではないかと。それらについては西サハラ友の会による批評を読んでもらいたい。

 

 

 日本でも大ヒットしている映画だが、上映が終わったあと劇場を出ていく人が「で、結局どういうこと?」と頭をひねりながら帰っていくんだけど、そりゃわかんないよ、こんなの。

 

 監督は音楽に合わせて踊りながら地雷踏んで死んで行ったり、LSDまみれのクソ食って体を壊した犬を抱えながら息子が車ごと谷に落ちて死んだりするのを「ある種の解放」っていってるんだもん。まともな神経じゃ理解できないよ。地雷なんて紛争のために仕掛けられた人為的な物体だよ。それを踏んで死ぬのは宗教的な意味でもなんでもないね。

 

 周縁化を仕掛ける方が犠牲者にしらーっとした顔で「死ぬにはいい日だった」って言われても納得するか?『シラート』ってそういう意味だったのか、ってバカヤロ!

 

 

 

 

特撮・この一話がすごい!円盤戦争バンキッド「名犬オックス危機一髪」

♪バンバン バンバン バババ エンバン バババン

 

 と脊髄反社で書いたような歌詞の安易さながら頭から離れないメロディラインの主題歌で知られる特撮ドラマ『円盤戦争バンキッド』は日本で70年代前半から始まったUFO、空飛ぶ円盤ブームの全盛期に放送。アニメでも『UFOロボ グレンダイザー』やら『UFO戦士ダイアポロン』というまんまの企画や、『チャージマン研!』なんかでも侵略者がUFOっぽいメカに乗ってたりしていて世はなべてUFOまみれだった(言い過ぎ)。

 

 ブームの最中に登場した『バンキッド』は『秘密戦隊ゴレンジャー』が生み出した戦隊人気の影響を受けた(と思われる)作品。製作は東宝の系列会社、日本映画新社と日本テレビ。しかし単なるフォロワーやパクリではない独自の路線を目指している。ヒーローチームであるバンキッドのメンバーのうち、リーダーであるペガサスは年長者だが、残りの4人は少年少女。このメンバー構成は本家スーパー戦隊50年の歴史にもない。

 そしてゴレンジャーのように色分けされながら、ラビットとドラゴンはどちらもカラーが黄色。被ってるがな!レッド1・ブルー1・ピンク1・イエロー2なのだ。ドラゴンは緑色でいいだろ!と思ったりもするのだが、そんなことになったのは日本映画新社がこの手の特撮番組に関するノウハウがなかったので当たり前のようなことに気を払わなかったからとされている(それが後にありえないドジにつながる)。

 

 この5人がブキミ星人(このネーミングも安易な)の侵略に対抗すべく活躍する。ブキミ星人の侵略方法は20年後に行われる大規模な地球への移住計画を前に20年後に大人になる子供たちの洗脳。ちょっとずつ目に見えない洗脳光線を照射してブキミ星人の奴隷になるよう仕向けるのだ。何という遠大過ぎる計画。50年代のSF映画における宇宙人の侵略計画は『惑星アドベンチャー スペースモンスター襲来!』が落とし穴に人間を落として洗脳して送り返し、それがまた他の人間を落とし穴まで連れてきて・・・と気が遠くなるほど時間のかかることをやっていたが、それと同じ。だから子供たちは基本生かされて(バンキッドメンバーですら同様の扱いを受ける)、大人たちは容赦なく皆殺し!

 

 そんな独自の路線を貫いたバンキッドの中ですごい一話が第13話「名犬オックス危機一髪」。

円盤戦争バンキッド 名犬オックス危機一髪

この回はバンキッドメンバーのオックス・牛島二郎くんが公園でトレーニング中、喉の渇きを水道の水で癒すが、その水には謎の光線が照射されていた。水を飲んだオックスは犬に変えられてしまう。それはブキミ星人・エルドン中尉の作戦だったのだ。

 

「我々の今度の作戦は地球の子供たちを一度犬にしてしまうという実験だ。犬は三日もエサを与えてもらえば飼い主の恩を忘れないというからな。お前にも三日間エサを食わしてやる!」

 

 ものすごく・・・時間のかかりそうな実験ですねえ・・・そうして最初の食事である生肉が与えられる。

 わざわざ実験内容を説明されたオックスは懸命に抵抗すべく食事に口をつけない。いらだつエルドン中尉は「強情なやつめ!もっと美味いモノを食わせてやれ!」とエビフライやらスパゲッティやらラーメンやらデザートやら寿司やらを並べる。

『バンキッド』でエルドン中尉がオックスに与えたご馳走

 だがオックスは腹をすかしながらも喰うもんか!と抵抗。エルドン中尉は腹を空かせれば食うだろうと檻から出して運動させようとした隙を見てオックスは脱走。バンキッドメンバーの待つ宇崎邸へ戻るが犬なのでオックスだとわかってもらえない。懸命に心の声で「俺だよ俺!」とアピールするも伝わらない。

「俺だよ・・・わっかるかなあ?わっかんねえだろうなあ~」

 と当時一世を風靡していた松鶴家千とせ師匠のネタが飛び出す。その影響か、ペガサス(奥田英二)は犬がオックスだとわかる(なんでや)。

 試しにバンキッドブレスレットで変身させると犬はオックスになって自意識も戻り会話もできるのだが、変身を解くとまた犬に戻ってしまう。元に戻すにはエルドン中尉が持つツボの水を飲ませないといけないのだ。

 こうしてエルドン中尉、ブキミ星人とバンキッドたちのツボの奪い合いがはじまる。奪い合いの結果、ペガサスが投じた木の枝がエルドン中尉に突き刺さったショックでツボは地面に落ちて割れてしまう。ペガサス何やってんの・・・

 

 犬になったオックスをUFOで連れ去るという目的が果たせなかったエルドン中尉は部下をほったらかして自分だけ逃亡。逃がすものかと後を追ったバンキッドマザー(戦闘機)がUFOを撃墜。珍しい。

 何が珍しいかというと『バンキッド』ではバンキッドたちが敵をやっつけたりするシーンがあんまりないのだ。ブキミ星人の怪人たちは大抵作戦をしくじった罰として大ボスのグザレ司令に処刑されるのが毎回のパターンなので主人公たちにやっつけられる稀有なエピソードなのさ。

 

 ブキミ星人の計画は破られたものの、オックスを元に戻す方法は失われた。思案に暮れる中ペガサスは割れたツボの欠片に残っていた水を舐めさせればいいのでは?と犬の口に押し付ける。「嫌だよ!もう無理だよ!」と諦め気分のオックスに「無理にでも舐めるんだ!」と強引に頭を押さえつける。って元々お前のせいでこうなったんやんけ!

 渋々欠片を舐めたオックスは・・・無事に人の姿に戻ったのだった。めでたしめでたし。

 

番組の最後はペガサスが視聴者に対し「君の隣にいる大人も実はブキミ星人かも知れないぞ!注意しろ!」と怖いことを言いだして終わるのがお約束でUFO、オカルトブームのブキミさを表していた。今回は公園の蛇口をひねったペガサスが

「君たち、このことわざを知ってるかい?“渇すれども盗泉の水を飲まず”。どんなに喉が渇いていても、泥棒の水は飲まない。悪いことはしないという意味なんだ」

 ここでビシっ!とこちら側に指を突き付けて

「マジメにやれよ!」

円盤戦争バンキッド、ペガサスが指さす

 ってどういうこと?元は孔子の言葉で困窮しても悪いことに手を出してはいけないという意味なんだけど、それは今回のオックスの行動には当たらないのでは?オックスは公園の水を飲んだだけで盗んだわけじゃないし!そもそもツボを割ったペガサスに説教めいたことを言われる筋合いはない。

 毎回ブキミ星人よりブキミなのがあんただよ!

 

ちなみに日本映画新社のドジとは、特撮番組のノウハウがなかったので番組当初は奥田英二をはじめとする役者が変身後のバンキッドもスーツを着て演じてたってことでした。スーツアクターってもんがあると知らなかったのね。

 

この回が収録されてます

ガイファードとのセット版

日本人にとってUFOといえばコレ

陰の者のパーティジャンキー『フランキ―・フリーコ』

フランキー・フリーコ ポスター モンスターコメディ

 80年代に全盛を誇ったレンタルビデオ屋に必ず並んでいたアクション、モンスター、ホラー、特撮・・・自らのフィルモグラフィーでそれらを全部網羅している男がスティーヴン・コスタンスキである。そんな彼の新作が日本で何と二本同時公開。一本はB級映画の帝王、ロジャー・コーマンのカルト作品のリブート『デスストーカー』マッチョな男がデッカイ剣を振り回す剣と魔法のファンタジー。もう一本がパペットのモンスターが大暴れするコメディ『フランキ―・フリーコ』。

『グレムリン』『グーリーズ』『クリッター』(シリーズにレオナルド・ディカプリオが出ているのがなかったことにされている)『まんちいず』といった80年代に一時だけ流行ったミニサイズのモンスターが人間社会を混乱に巻き込むこのジャンルは現在トンと見ることがなくなった。コスタンスキが所属する映像集団『アストロン6』は絶滅した80年代のジャンル映画を復活させようとしている。

 

 堅物の仕事人間、コナーは職場でも家庭でも軽んじられている悲しい男。妻が出かけている間に留守を任されたコナーは誰もいないのをきっかけに偶然見かけたテレビCM『フランキー・フリーコ主催パーティ』に電話する。自分だって堅苦しいだけじゃない、愉快で楽しい男になれるのさ、と。

 やがて家にやってきたフランキー一味は洒落にならない悪戯と破壊の限りを尽くし、コナー邸をめちゃくちゃにする。怒り心頭のコナーは反撃するも返り討ち。彼らは一体何が目的なのか?

 フランキーたちが語る彼らの社会「フリーク・ワールド」の悲劇・・・自由気ままにすべての生命が暮らしていた世界は悪辣なマンチが大統領として君臨することによって全体主義国家となり自由は失われた。フランキーたちはそれに反抗し真の自由を謳歌するために外の世界で愉快なパーティを開催するのであった。

 フランキーに感化されたコナーは協力してマンチの支配権を打倒し、愉快なパーティに身を任せるのであった。

 

 パペットサイズのフランキーたちの悪戯は悪戯なんてもんじゃなくて、コナーは首を切られたり(死んじゃうよ!)、ワイヤーで仕掛けた罠(引っかかるとショットガンがぶっ放される!)は一歩間違うと人死にが起きるレベル。笑いを通り越したちっちゃな悪魔たちの暴れっぷりは見てるこっちもドン引きするぐらい。

 ところが悪役然とした彼らが実は自由を追い求めるレジスタンスであることが判明し、見方が逆転する後半は映画のトーンがガラリと変わって驚き!

 パーティはパーティでも陽キャの浮かれ騒ぎといった感じではなく、陰キャのサブカル祭りといったトーンなのがコスタンスキ流といったところ。パーティジャンキーだとしてもコカインやマリファナではなく、ドクターペッパーとポップコーン、ジャンクフードのジャンキー(笑)

 

オチがとにかく最高で映画って本当にいいもんですねえ!『デスストーカー』よりこっちの方が好きだね!

 

 

 

 

 

なぜか1作目のリブート『モータルコンバット/ネクストラウンド』

モータルコンバット2 登場人物 ポスター

 2021年公開映画の続編。

 

 有名格闘ゲームの実写版で、前回の最後で予告されていた人気キャラのジョニー・ケイジ(カール・アーバン)が登場するところと、ゲームどおりの物語が展開するところが最大の売りだ。

 

 前回は20年ぶりの再映画化なので前の映画を知らない人をスムーズに物語に入りこませるため、ルイス・タン演じるコール・ヤングというゲームに登場しないキャラクターを設定。彼の役目は観客が同じ視点で物語に入り込めるようにするための人物だ。

 彼はレギュラーキャラであるスコーピオン(真田広之)の末裔という設定で、オリジナルの登場人物でありながらゲームのキャラクターとの因縁をしっかり取り込んでいる。こうして新規の観客を『モータルコンバット』の世界になじませた上で、今回の『ネクストラウンド』はゲームの基本設定であるモータルコンバットのルール上で展開する。魔界の戦士と地球の戦士の戦いに9回連続で魔界側が勝利しており、今度負けると地球は支配される。土壇場の戦いの切り札として地球側の守護者である雷神ライデン(浅野忠信)に選ばれるのがジョニー・ケイジだ。

 彼は元格闘家で映画スターとして一世を風靡したが、かつての栄光は色あせ、「あの人は今」状態。モータルコンバットへの誘いを映画の撮影か何かと勘違い、本気で命を奪い合う戦いと知って逃げ腰になる。しかし仲間たちの奮戦を前にして「命がけの戦い」に身を投じる。

 

 ゲームのモータルコンバットは実写映像を取り込んだもので、当初は元格闘家にして映画スターのジャン・クロード=ヴァン・ダムの映像を使用するはずだったが、権利が取得できずに見送りに。「元格闘家で映画スター」という設定だけが残りジョニー・ケイジというキャラが創造された。その間、当のヴァン・ダムは同じ格闘ゲームの映画化である『ストリートファイター』に出ていた・・・

 

『ネクストラウンド』のストーリーはなぜか95年版、一番最初の映画のリブートになっているのが面白い。ポール・W・S・アンダーソンのデビュー作でこのヒットにより『バイオハザード』『エイリアンVSプレデター』「デッドオアアライブ」『モンスターハンター』とゲーム映画を連発することになる。

 本来のゲームファンが望んだ映画になるのに30年以上かかった。気の長い話だ!もう一方の『ストリートファイター』も今年リブートされる。30年前にやってくれてたらよかったのに。この間にモーコンを遊んだゲーセンはとっくの昔になくなり、ゲーセンで格闘ゲームを遊ぶやつがほとんどいないよ。

 30年はいくらなんでも長すぎた。