まんがタイムきらら系2023ベスト15 | しばりやトーマスの斜陽産業・続

まんがタイムきらら系2023ベスト15

 僕は普段芳文社のまんがタイムきらら、キャラット、MAX3誌を延々と読み続ける生活をしています。そんな僕が2023年のまんがタイムきらら系ベスト15を発表します!

※フォワードが入っていないのは近所の本屋にフォワードだけ入らないので読んでいないのです

※2023年内に連載していた作品

※長期連載作品(4巻以上)は殿堂入り扱いで除外しています

 

 

⑮さうのあっ!

・MAX誌で連載中。風呂に入る間も惜しんでゲームに勤しんでいるぼっちの女子高生が偶然出会ったフィンランドのJKから風呂とサウナの魅力をたたき込まれるという漫画。題名の「サウノア」はフィンランド語で「サウナに入る」の意である。

 フィンランドでは低温サウナが主流なので、日本風の高温サウナはフィンランド人でも耐えがたいという使うところの限られる知識を知ることができる漫画でもある。

 

⑭またぞろ。

キャラット誌で連載していた。9月号で終了。全3巻。様々な理由で留年することになってしまった三人の女子高生が同じクラスで一年生をやり直すことになる様子を描いた日常系コメディ。タイトルの意は同じことをもう一度繰り返す「またぞうろう」のこと。今時の萌え漫画、日常系とは違うトーンで描かれており、主人公のとんでもないネガティブぶりは他人事とは思えません!

 

⑬てくてくっ!秘密リサーチ

MAX誌で連載中。フィールドワークが趣味の主人公が織りなす街ブラリサーチ漫画。主役がそうなんだ桃山

 

⑫リリカお嬢様に振り回される!

MAX誌で連載、全2巻。ワガママが過ぎるリリカお嬢様はそのせいで家政婦に逃げられてしまい、偶然通りがかった就活中の永野が家政婦として雇われることに。傍若無人なお嬢さまに文字通り振り回される永野の苦労が偲ばれる漫画。ラストも奇麗にまとまっていて、感動的なクライマックスが心に響いた。あと読者プレゼントが当たった

 

⑪ササエルの中には誰もいない

キャラット誌で連載。2024年1月号で完結。東北宮城県を舞台にご当地キャラ「笹かまぼこの天使・ササエル」にされてしまった女子高生・小依は嫌々ながら高額のバイト代(全部ガチャに消える)に釣られて二重生活をはじめる。ご当地キャラマニアのクラスメイト・茅の不穏な視線に怯えながら、小依は震災で傷ついた街を復興できるのか?

 pixivにとんでもなく性癖の歪んだ絵を描いている作家の作品で、ドスケベ漫画と思いきや宮城県の復興を描いているという再生の漫画。2乙になったことが本当に惜しまれる。

 

⑩おねロリキャバクラ

きらら本誌で連載中。社畜SEがランチタイムに入れる店を探そうとしたところ、客引きに連れられて入ったのは女性客限定、社会に疲れた女性を癒してくれる美少女キャストの集う「おねロリキャバクラ」だった・・・という色々とどうかしている漫画。創作百合を中心にしている女性同人作家の作品で、以前も同誌で「さかさまロリポップ」(このタイトルもどうかとw)を連載していた。別名きららのヤング・テレホン・コーナー漫画

 

 

⑨白魔導士はゾンビの夢を見るか?

MAX誌で連載中。ゾンビパンデミックの現代に異世界から白魔導士がやってきた!という色々ミックスした話。『がっこうぐらし!』難民におススメ。伏線貼りまくった展開に、死んだ人間を生き返らせる魔法(使用した人間の命と引き換え)を巡るサイドストーリーもあって凝った話が好きな人は読んだ方がいいよ。ただ連載ペースがゆったりなのが勿体ない。

 

 

⑧メールブルーの旅人

キャラット誌で連載。2巻完結。人類の情報を網羅したデータベース「情報の海(メールブルー)」は人類が滅んでしまった今も情報を保存していた。生き残ってしまった唯一の人間・ハカセと彼女がつくったAI・クマノミはハカセの祖父で天才科学者と呼ばれたジェンツーの残した「宝物」を探すために「情報の海」に潜り続ける。

きららでは珍しいSFモノで「人と人との分かり合えなさ」がテーマのひとつで、無理にわかりあえなくてもいいじゃないかって話が出てきた時は心底頷いた。

 

⑦うさパン焼いて悪いかよ!

キャラット誌で連載中。喧嘩上等の性格で恐れられ「8000スコヴィルの悪魔」(スコヴィルは香辛料の辛さの単位)の異名を持つ不良JK・ハチは本当はカワイイもの大好きな乙女。それをバカにされた過去から本当の自分を隠して突っ張っている。オッサンなのにカワイイパンを作っているクマ(本当は同級生)と知り合い、カワイイパンをつくる「パン部」を結成することに。

『アナ雪2』のステマ騒動に巻き込まれた山本アヒルのきらら初連載作で、ハイスピードかつ激しいバイオレンス描写が楽しく読める!理解あるギャルのヤヤちゃんが懲りずに毎回ハチを煽って絶命するシーンが傑作。

 

⑥ななどなどなど

MAX誌で連載中。現在3巻まで出てる。本物のお嬢様だが、漫画の悪役令嬢のごとく振舞ったことでクラスメイトから「痛いやつ」扱いされ、「陰キャ姫」のあだ名をつけられたショックで不登校になった玉村小町。小町を学校に通わせるため、妹の茶々が制作した高性能ヒューマノイド、ななどが送り込まれる。ななどとの交友を通じて、再び学校に通いだした(渋々)小町は本当の友情を知ることができるのか?

MAXで『ぼっち・ざ・ろっく!』の次に長期連載している作品のひとつで、主人公がぼっちという部分で何かと共通点のある作品。「陰キャ姫」というあまりに強烈なネーミングが記憶に残る。萌え漫画界にぼっちものを定着させた功績のある漫画なのだ。作者の産休に伴い休載中だがアニメ化が期待される作品である。

 

 

⑤ラスボスは逃げ出した▽

MAXで連載中。ゲスト掲載のあと長らく空白期間があったが連載に昇格。なんの因果か人類と戦争させられる羽目になった魔王は闘争心もなければ魔力ゼロの普通の少女。隙あらば脱出をもくろむ魔王様はお目付け役のスライムや四天王(死神、邪龍、堕天使、妖狐)に阻止され号泣の日々。一方、魔王と対決する勇者も眠り続ける兄の代役を務めているだけのぼっちだった・・・

 まだまだ流行りのなろう系に複雑な味付けをしたような漫画で、バカバカしさの裏で凝ったストーリーが展開しており、特に堕天使の正体などには強い作家性を感じる。見た目と裏腹に読み応えのある一本。

 

 

④SAN値直葬!闇バイト

MAX連載中。父親の会社が倒産した煽りで一家離散状態になった女子高生・黒乃あかりは高額に釣られてオカルトショップ「輝くトラペゾヘドロン」のバイトをはじめる。謎の店長・アメンパイン曰くこの仕事は人類の平和を脅かす闇の存在「暗黒ぬい」を捕獲するというものであった。今日もあかりは俸給に釣られて危険な現場に突撃する!

きらら漫画とクトゥルフ神話の合体という、みんなやりそうでやらなかったやつ。きららのヤング・テレホン・コーナー漫画その2。主人公あかりの清々しい銭ゲバアタッカーぶりが最高。

 

 

③ばっどがーる

キャラット誌で連載中。現在3巻。私立高に通う優谷優は名前からもわかる通りの優等生。優は風紀委員長にして学校一のマドンナ、水鳥亜鳥の目に止まるため、あえてワルを装う「ばっどがーる」となって亜鳥の気を引こうとする。幼馴染のクラスメイト、涼風涼の好意に一切気づかぬまま・・・もう付き合っちゃえよ!!

 きらら一のイケメン漫画家(笑)肉丸先生のコメディで登場する女子高生たちのJKとは思えない言葉遣いがポイント高め。

 

 

②エイティエイトを2でわって

MAX誌で連載中。今月一巻発売。ピアノ好きの女子高生、美弦は高校進学とともに寮生活をスタートさせ、そこでかつてのライバル(と勝手に美弦が思っていた)、奏と同室に。天才少女と呼ばれていた奏だったが、留学先で他の生徒とのレベルの差に打ちのめされ、ピアノを捨てて帰国したのであった。ピアノを見ることすら怖くなった奏だが、何も考えていない美弦は自宅から寮へピアノを持ち込んでいた!美弦は嫌がる奏を再びピアノの道へ誘うのだが・・・

きららで商業誌デビューした有馬先生の5年ぶりの復帰作で、振るっているギャグセンスは衰えるどころか鋭さを増していた!ズンドコピアノとか扉を破壊するお嬢様、無言の真っ白なフキダシなど、何喰ってたらこんなネタ思いつくんだ・・・

 

①きもちわるいから君がすき
きらら本誌で連載中。クラスメイトの司のことが大好きな依子は司がプリンを食べるために使ったプラスチックのスプーンをゴミ箱から回収し、舐める。マフラーを忘れたフリをして、彼女から借りたマフラーから髪の毛を回収、藁人形をこしらえる(そしてマフラーは新しいものを購入し、新品を彼女に返す)・・・

 初回から読者が騒然としたクソデカ感情百合漫画。二人は互いに好き同士なんだけど、依子の想いは重すぎて、歪んでいた!まさに文字通りの「きもちわるいから君がすき」という内容で2乙を突破して現在も連載中!その後も依子が司の飼い犬に嫉妬して放課後、犬になったりとこちらの常識を軽く超えてくるので気が抜けない。今、もっとも先の展開が楽しみな漫画だ。