宝殿駅【兵庫県】(JR神戸線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県高砂市の北東部、加古川市との境界部に広がる住宅街に位置する山陽本線【JR神戸線】の駅で、加古川~姫路の中間駅かつ高砂市内の駅では最も乗降客が多く、また金運が上がりそうな駅名は駅の西側に鎮座している生石神社の御神体である「石の宝殿」から来ている、
宝殿駅 (ほうでんえき。Hoden Station) です。
 
 
駅名  
宝殿駅 (JR-A 80)
 
所在地  
兵庫県高砂市  
(※) ホームの神戸方は加古川市にまたがっています。     
 
乗車可能路線    
JR西日本:山陽本線【愛称:JR神戸線】  
 
隣の駅  
神戸方・大阪方……加古川駅  
姫路方・門司方……曽根駅  
 
訪問・撮影時  
2019年6月、7月  
 
 

 

宝殿駅は地平駅で、国鉄時代の1981年に橋上駅舎化され、北口が開設されました。
南北に出入口があり、いずれも階段・エレベーターの設備を有しています。宝殿駅はバリアフリーに対応しています。
橋上駅舎は南北自由通路を兼ねています。
 
写真は橋上化以前に駅舎が存在した南口です。2枚とも北東を望む。
橋上駅舎は国鉄風の無機質なデザインです。
大中遺跡や兵庫県立考古博物館が播磨町内にある事にちなみ、古代建造物風のデザインをした橋上駅舎になっています。
階段の奥の方は3階建てのビルになっていますが、JR西日本の事務所棟のようです。
また、出入口の左側にはJR西日本系のコンビニエンスストア「ハートイン」がありましたが閉店となり、現在は店舗跡が有料駐輪場になっています。ここでは駅レンタサイクル「駅リンくん」を取り扱っています。
南口は手狭ながら小さなロータリーを有する駅前広場が整備されていて、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
ロータリーの左側には高砂市域でありながら加古川市が設置した公営の有料駐車場があります(理由は後述)。
駅前広場の西半分と有料駐車場は以前の貨物設備跡に設置されています。
 
 

 

南口駅前です。いずれも南を望む。後方に南口があります。
奥にかけては昔ながらの駅前通り(県道391号線)が延びていて、商店街になっていますが、廃業した店舗も目に付きます。駅から離れると住宅街が広がっています。
駅前通りを100mほど進むと、国道2号線と交差します。駅前通りを道なりにひたすら直進すると、約3.6kmで山陽電鉄本線荒井駅に到達します。この付近ではJRと山電が離れています。
そして、駅の西約500mから~約800mにかけての国道2号沿いには、平屋建ての商業施設「アイモール高砂」があります。イオン系の「マックスバリュ」を核店舗として、ドラッグストアや飲食店などが入居しています。
 
また、約1.7km西にある小さな岩山の中腹には生石神社(おうしこじんじゃ)が鎮座しており、巨石である「石の宝殿」が御神体として祀られています。この「石の宝殿」が宝殿駅の駅名の由来です。
その生石神社の手前には高砂市総合運動公園があり、陸上競技場と野球場があります。野球場では2006年の「のじぎく兵庫国体」で行われた硬式高校野球決勝・早稲田実業(早実)-駒大苫小牧の試合で、その前に行われた夏の甲子園の決勝戦を再現するかのように「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手と、プロ入り後に「マーくん」として親しまれている地元兵庫県出身の田中将大投手の投げ合いになり、ちょっとした騒ぎになりました。その後、この野球場は「ハンカチメモリアルスタジアム」の愛称が付けられましたが、今はほとんど使われていません。
 
そして、宝殿駅や駅前広場は高砂市域にありますが、線路と並行する駅前道路を境に南側(前方)は加古川市域になります(国道2号の少し先で再び高砂市に戻りますが)。
そのため、南口駅前は思い切った再開発ができておらず、雑然とした町並みが残っています。これは以前UPした土山駅前と同じような状況です。
しかしながら加古川市民も多く利用する駅前広場を高砂市が整備したり(加古川市も費用負担しているかもしれませんが)、前述の加古川市による有料駐車場を高砂市域に設置したり、両市の協力関係が垣間見えます。
 
 

 

こちらは橋上化により新設された北口です。上写真は南東を、下写真は南を望む。
南口もそうですが、バリアフリー化により後からエレベーターが設置されています(橋上化当時は階段のみだったはずです)。
こちらには出入口に駅ビルが併設されていませんが、現在は階段の下にトイレと多機能トイレが設置されています。
北口にも小さいロータリーを有する駅前広場が整備されていて、バス停留所とタクシー乗り場があります。広場西側の線路沿いには交番があります。
こちらのバス停には加古川市からコミュニティバス(正式にはコミュニティタクシー)「かこバスミニ」が乗り入れています(後述)。
 
 

北口駅前です。北を望む。後方に北口があります。
こちらの北口駅前は元来「駅裏」で、田園風景が広がっていましたが、北口開設に際して区画整理が行われ、整然とした街並みが広がっています。しかし北口開設から40年以上が経過するため、成熟した市街地になっています。
駅周辺には商店が立ち並んでいるものの、南口ほどではないものの、やや寂れている印象です。駅から離れると住宅地が広がっています。
約400m北東には以前、加古川市民病院→加古川西市民病院がありましたが、現在は加古川駅近くの加古川中央市民病院に統合され、跡地はフェニックス加古川記念病院になっています。
 
そして、こちらの北口は駅出入口・駅前広場および駅前一帯がほぼ高砂市域であるため、計画的な区画整理が行われましたが、奥に延びる駅前道路の突き当たり(約270m北)から先(北)は加古川市域になり、右方向(東)へ120mほど進んでも加古川市域に入ります。宝殿駅は南北とも駅近くまで加古川市域が迫っているため、高砂市民のみならず加古川市民の利用も多いです。そのため、加古川市のコミュニティバスが宝殿駅まで乗り入れています。
 
 

 

橋上駅舎2階(南口駅ビル3階相当)にある改札口です。宝殿駅の改札口はこの1ヶ所のみです。
上写真右・下写真前方に南口があり、上写真左・下写真後方に北口があります。
宝殿駅は有人駅(直営駅)ですが、駅員不在時に備えて改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が4通路あります。窓口に面した右端が幅広通路で、点字ブロックが設置されていて、有人通路を兼ねています。
改札口から少し離れた右側の南口近く(下写真)には2019年7月当時、自動券売機、指定席券売機『みどりの券売機』のほか、『みどりの窓口』がありましたが、『みどりの窓口』は2019年10月末をもって廃止され、その直前に『みどりの券売機』を置き換える形で設置されたオペレーターと対話可能な『みどりの券売機プラス』に取って代わりました。改札内には自動精算機があり、自動券売機ともどもICカードのチャージが可能です。
改札内にはAEDとトイレ・多機能トイレがあります。トイレ・多機能トイレは改札外の北口1階階段下にもあります。南口にはありません。
そして1階にある各ホームとの間には階段、エレベーターが設置されています。宝殿駅はバリアフリーに対応していますが、エスカレーターはありません。
改札口の左手前(改札外)にはJR西日本系の売店「セブン-イレブン キヨスク」がありますが、ウォークイン形式でやや大きい売店です。
尚、改札内に売店・コンビニはありません。
 
 

1番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯と思われます。
JR西日本の標準デザインで、下部にはJR神戸線のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青が使用されています。
尚、この駅名標には宝殿駅の駅ナンバリング (JR-A 80) が併記されていません。
JR西日本の駅ではメインの駅名標に駅番号が表示されていませんが、柱に設置されている縦型の駅名標には表示されています。
また右隣には、駅名標と同じ吊下式かつ電照式の名所案内があり、「石の宝殿」「生石神社」が書かれていますが、国鉄時代から継続設置されている模様で、すみ丸ゴシックの書体に懐かしさを感じます。
 
 

こちらは3番のりばに設置されている建植式の名所案内です。非電照式です。
石の宝殿と生石神社が書かれているのは前述の電照式案内板と同じですが、こちらは写真が載せられています。
書体はJR西日本の各ローカル線の駅の改札口脇に設置されている駅名標と同じと思われます。
 
 

 

宝殿駅は単式ホーム、島式ホームとも各1面、計2面3線の地平構造で、東南東~西北西方向にホームが延びています。
 
右側(南)の単式ホームは1番のりばで下り姫路・門司方面、右側(北)の島式ホームは右が中線の上下共用2番のりばですが現在は営業列車の発着がなく、貨物列車・回送列車・臨時列車などの待避や緊急用の折り返しに使用されています。島式ホームの左は3番のりばで上り神戸・大阪方面です。
1番のりばから見て2・3番のりばは若干門司方(手前)にずれて配置されています。
また、1番のりば門司方の右側(写真右)には以前、門司方から分岐した貨物側線が分岐しており貨物ホームがありました。現在は撤去され、跡地は駅前広場や有料駐車場に転用されています。
そして3番のりばの左側(下写真左)には上り専用待避線の4番線があり、貨物列車・回送列車などの待避に使用されています。
 
ホーム有効長は12両分で、2019年7月時点において昇降式ホーム柵は未設置です。ホーム幅は普通ですが単式の1番のりばは両端がやや狭く、特に神戸方の端(右奥)は結構狭くなっています。
上屋は各ホームとも約6両分設置されています。1番のりばは中ほどに設置されていますが、2・3番のりばは神戸寄りに偏って設置されています。8両編成以上は一部が上屋に収まりませんので、雨天時の乗降は要注意です。
上写真は1番のりばより、下写真は3番のりばより、いずれも神戸方・大阪方を望む。
 
 

こちらは2番のりばより姫路方・門司方を望む。
1番のりば中ほど、2・3番のりば神戸寄りの上空には橋上駅舎があります。
各ホームにはベンチがあり、少なくとも2・3番のりばには飲料自動販売機も設置されています。
また、ホームの東側一部(後方、各ホームとも上屋東端部より先の神戸方)は加古川市域に所在しますが、駅事務室が高砂市域に所在するため、宝殿駅は高砂市の駅になります。
 
 

 

上写真は2番のりばより、下写真は1番のりばより、いずれも神戸方・大阪方を望む。
こちらのホーム端は加古川市域に入っています。
ホーム端の先、2番線と3番線の間には2番線から分岐する形で行き止まり式の保線用側線があります。
この先、県道43号線の陸橋をくぐり、住宅街の中を東南東へ走るとやがて右手に日本毛織(ニッケ)印南工場が現われます。昔は宝殿駅からニッケ印南工場まで下り線の右側を単線の専用線が並走していたと思われ(もしかしたら工場手前で本線から分岐していたかもしれませんが)、この専用線は印南工場を経由して山陽本線と離れ、専用の鉄橋で加古川を渡って対岸にある日本毛織加古川工場まで延びていました。日本毛織印南工場を見ながら右へカーブすると高架区間になり、針路を南東に変えると右手のニッケ印南工場が途切れます。その後は左手にイオンタウン加古川を見て走ると加古川を渡り、右手に加古川中央市民病院やショッピングモール「ニッケパークタウン」を見ながら高架区間のまま市街地に入ると加古川駅へと至ります。加古川線が分岐しています。
 
 

 

上写真は1番のりばより、下写真は2番のりばより、いずれも姫路方・門司方を望む。
1番のりばホーム端の先で昔は左から貨物側線が合流していました。また、正面には播磨地方の山々を望めます。
この先、住宅街の中を西北西へ走りますが、少し先で左手ある商業施設「アイモール高砂」の裏手を走ります。この「アイモール高砂」の場所にはかつて住友セメント宝殿梱包所(当時の社名)があり、1997年までは住友セメントの手前で専用線が分岐していて、貨物列車の設定もありました。その後も住宅地の中を走りますが、一旦両側から山が迫って国道2号線をくぐり、法華山谷川を渡り、さらに姫路バイパスをくぐると車窓風景のローカル度が上がります。その後は山が遠ざかり、左へカーブしながら住宅地の中を走りますが、やがて左手には田園風景が広がり、右側も住宅地越しに高御位山などの山々を望みながら西へ走るようになります。そして左右とも車窓風景が住宅地になると右へカーブして、県道555号線をアンダーパスすると曽根駅へと至ります。カーブ地点にホームが設置されており、新快速などはスピードを落として通過していきます。
 
 
あとがき  
私が宝殿駅で下車(乗車)したのは1990年代以降何度もありますが、乗り鉄・趣味関係では2012年、2019年2回の計3度です。1990年代は友人が駅近くに住んでいたため利用しており、2012年は加古川市の城山を登山した帰りに利用しました。そして2019年6月は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で改めて下車しましたが、時間の関係で改札を出れなかったため、翌7月に再訪問しました。この訪問をもちまして兵庫県の全駅を制覇できました。ホームは2面3線で、国鉄時代に既に橋上駅舎化されており、今となっては古い駅舎になってしまいました。貨物も取り扱っていたため昔は構内が広かったですが、今は側線が1線残っているのみです。駅前は高砂市と加古川市が入り組んでいますが、高砂市の中心部に近い南口駅前が加古川市、その反対側の北口駅前が高砂市と、あべこべになっています。南口が古くからの町並みで、北口が高砂市により整備された比較的新しい街並みです。

1997年時点では北側に木造駅舎がありましたが、今は綺麗な橋上駅舎になっています。駅前は自治体が入り組んでいることもあり全体的に再開発が進まず、特に北口側は昔ながらの雑然とした町並みになっています。一方、南口側は大半が播磨町域であるため再開発が行われ、駅前広場ロータリーも整備されています。一方、南東側の明石市域には別のロータリーが整備されていて、その2つのロータリーが繋がっていないため、播磨町との連携が取れていない風にも取れます。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で西明石駅まで行き、JR神戸線の下り普通列車(加古川行きを除く)に乗り換えて当駅下車、あるいは新快速で加古川駅まで行き、普通に乗り換えて当駅下車です。但し、データイムは加古川以西で普通列車が毎時2本と少なくなるので注意が必要です。新幹線を新神戸駅で下車して、神戸市営地下鉄西神・山手線で三宮駅(三ノ宮駅)まで乗ってJR神戸線下り新快速などに乗り換える方法も可能です(その場合は新神戸駅で途中下車扱い。地下鉄は別途運賃が必要です)。また、姫路駅から戻る方法もありますが、運賃が割高になります。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の下り快速(西明石行き、加古川行きを除く)に乗れば乗換なしで到達可能ですが、新快速2本に抜かれます。新快速に乗車した場合は加古川駅で普通(快速)にお乗り換え下さい。但し、データイムは2本に1本が普通に接続しませんのでご注意下さい(新快速は15分ヘッド、普通は30分ヘッド)。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、売店が駅構内(改札外)にありますが、現在は駅前にコンビニがありません(以前は北口駅前にありました)。最寄りのコンビニは約200m南の「セブン-イレブン」になります。一方、駅前に気軽に入れる飲食店は存在しません。南口の約500m~800m西、国道2号沿いに展開する商業施設「アイモール高砂」内に複数のチェーン店がありますが…。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。JR神戸線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は宝殿駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、Google地図、Wikipedia)