山陽明石駅【兵庫県】(山陽電鉄本線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県明石市の中心市街地に位置する山陽電気鉄道本線(山陽電車)の主要駅で、隣接するJR神戸線・明石駅との乗換客が多く(主に山陽姫路方面~JR三ノ宮方面の乗換客)、山陽電鉄の駅で最も乗降客数が多い駅である、
山陽明石駅 (さんようあかしえき。Sanyo-Akashi Station) です。
 
尚、JR線の明石駅の記事につきましては後日UP予定です。
また、北口側につきましてもJR線・明石駅の記事にて紹介予定です。ご了承下さい。
 
 
駅名   
山陽明石駅 (SY 17)  
 
所在地   
兵庫県明石市  
 
乗車可能路線   
山陽電気鉄道:本線 (西代・神戸三宮方面山陽姫路方面)   
  
隣の駅   
西代方・神戸三宮方……人丸前駅  
山陽姫路方………………西新町駅  
  
乗換可能駅  
JR西日本:山陽本線 【愛称・JR神戸線】……明石駅まで徒歩4分   
  
訪問・撮影時  
2019年6月  
 
 

 

山陽電車(山電)の山陽明石駅は高架駅で、1991年に高架化されました。それまでは地平にあり、南側から国鉄(JR)に乗るには東側の踏切を渡る必要がありました。
現在は高架下に駅舎があります。高架下には同じく高架駅であるJR駅と一体になった南北自由通路が設置されており、駅の南北間を容易に移動できます。バリアフリー対応です。

写真は両社の明石駅としての南口、山陽明石駅としての西口です。2枚とも北を望む。
出入口を入って右側の高架下2階(中2階相当)に駅舎と山電の西改札口があります。高架下地階、1階、2階には山陽電鉄の商業施設「グルメファクトリー」があり、食品スーパー、飲食店などが入居しています。
また、南北自由通路の西側(左手)の高架下はJR西日本系の商業施設「ピオレ明石」が入居しています。山電の用地にライバルであるJRの店舗とは驚きですが、山電は自社で西側にも商業施設を展開するよりテナント料を徴収した方が儲かると判断したのでしょうか?
 
南口には駅前広場が整備されています。出入口のラインを挟んで東西両側にロータリーがあります。東(右)はバス専用でバスターミナルが設けられており、西(左)はバスターミナルとタクシー乗り場、一般車送迎場が併設されています。
  
 

南口(西口)駅前です。南を望む。後方に山陽明石駅・明石駅の出入口があります。
前方には再開発複合ビル「パピオスあかし」が東西に延びていますが、かつては一帯が「ダイエー明石店」で、閉店後に建て替えられました。
「パピオスあかし」内には公共施設、商業施設、オフィス、クリニックがあり、東側にはタワーマンションも併設されています。
「パピオスあかし」の反対側には国道2号線が東西方向に延びていて、その向こう側には観光地にもなっている商店街「魚の棚(読みは『うおんたな』)」があります。「魚の棚」へは「パピオス明石」を通り抜けてデッキで国道2号を渡れば到達できます。
 
また、駅南側は明石市の中心市街地で、特に国道2号沿いは大都市と遜色ない景観のビル街になっています。
 
 

こちらは東口です。北を望む。地平の電鉄明石駅時代はこの付近に駅舎がありました。
各社明石駅東側を南北に通り抜ける幹線道路沿いに出入口があり、高架の南北に出入口があります。こちらは南側の出入口です。
東口は階段のみの出入口でしたが、左側のペデストリアンデッキのエレベーターを利用することで車いすでも東口を容易に利用できるようになりました。
 
東口は南口東側ロータリーの北東端にあります。写真左に西口出入口があります。
また、左側にはペデストリアンデッキ(歩道橋)が写っています。東口2階および駅前広場と「パピオスあかし」および駅東側(再開発複合ビル「アスピア明石」方面)を結ぶものです。
 
 

こちらは東口出入口(北側)です。西を望む。
山電の高架(左)とJRの高架(右)の間を東西に延びる通路に面して設けられています。階段のみの出入口です。
地味で分かりにくい出入口です。
後方が南北道路方面、前方が西口およびJR明石駅方面(南北自由通路方面)です。
 
 

東口駅前です。南を望む。後方右手に東口があります。
約60m先に明石駅前交差点があり、左右方向に延びる国道2号(2国)と交差しています。
奥に延びる道路は2国との交差点から先、「明石銀座通り」の愛称が付いています。
地平駅時代は東口の位置に電鉄明石駅出入口があり、さらにJR明石駅へは東口駅前の踏切を渡る必要があったため、この奥に延びる「明石銀座通り」が名実ともに駅前通りで、沿道には「明石銀座商店街」が形成されています。昔は賑わっていたと思われます。しかし山電の高架化によりメインの出入口が西へ移動したため、こちらの「明石銀座通り」は人通りが少なく寂れている印象です。
そして東口から約200m南(写真右奥)には商店街「魚の棚」の東側出入口があります。
 
また、写真奥(約500m先)には明石港があります。明石港と淡路島・岩屋港の間にはかつてフェリー(末期の愛称は「たこフェリー」)が運航していましたが、明石海峡大橋開通、そして高速料金割引の影響が大きく廃止されました。現在は離れた西側(南口の南約550m)にある桟橋から高速船「淡路ジェノバライン」が運航しており、淡路島・岩屋港との間を結んでいます(自転車、125cc未満のバイクが航送可能)。自動車は明石海峡大橋を渡る必要があります。
 
駅東側も市街地ですが、現状はさほど賑わっていません。駅から離れると住宅街になります。
東口の約150m東(写真左側)には再開発複合ビル「アスピア明石」があり、商業施設も入居しています。
 
 

 

こちらは明石の観光名所になっている「魚の棚商店街」です。
上写真は東側出入口で西を向いて撮影、下写真は商店街のアーケード内より東を向いて撮影。
 
「魚の棚」の読み方は正式には「うおんたな」ですが、「うおのたな」「うぉんたな」とも読まれることがあります。
鮮魚店が多いのが特徴で、県外からの客も多く明石の観光地としても重要な位置を占めています。逆に言えば中心市街地にある商店街でありながら観光客向けの店舗の割合が高いです。
明石海峡付近や播磨灘一帯で獲られ明石漁港から水揚げされた新鮮な魚介類、特に「明石鯛」「明石蛸」を筆頭に活きの良さを売り物としています。
全長350mのアーケードの下に、特産の魚介類や練り製品、乾物などを扱う商店を中心に100を超える店舗が軒を連ねており、鮮魚を扱う店が多いことで路面はタイル敷きとなっています。また、名物の明石焼きの店も多く見られます。
(Wikipediaの本文を引用)
ちなみに地元・明石では「明石焼き」とは言わず「玉子焼き」「玉焼き」と言うそうですが、今は明石の人でも「明石焼き」と呼ぶことが多くなっているのではないでしょうか(個人の感想です)。
 
 

高架下1階、西改札口への出入口です。
南北自由通路より東を望む。右が南口、左が北口およびJR線・明石駅方面です。
山電のコンコースは2階にあるため、左側の階段・上りエスカレーターを使って2階へ上る必要があります。階段の左側にエレベーターがあり、バリアフリー対応です。
写真は2019年撮影で、出入口の右手には山陽電鉄系の売店「フレンズショップ」が写っていますが、現在はワッフル店「マネケン(Manneken)」が入居しています。右手の「ケンタッキーフライドチキン」は現在も営業中です。
出入口エレベーターの左には地下への階段があり、「グルメファクトリー」の地階にあるスーパー「三杉屋」への出入口になっています。
 
 

 

高架下2階、メインの改札口である西改札口です。東を望む。後方に1階とを結ぶ階段等があります。
右前方には東改札口・東口方面への改札外連絡通路があり、東改札口前で「パピオスあかし」「アスピア明石」方面へ向かうペデストリアンデッキとの連絡口があります。
山陽明石駅は有人駅で、駅員は常駐していますが、自動改札機の場所にインターホンが設置されています(窓口から自動改札機の状況が分かりづらいため設置されていると思われます)。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が計6通路設置されていて、一番左が点字ブロック設置通路、左から3通路目が幅広通路です。
左端にはウォークイン方式の有人通路があり、中にはカウンター形式の窓口があります。自動券売機で購入できない企画乗車券はここで購入可能です。
改札口の左手前には自動券売機があり、改札内には自動精算機があります(いずれもICカードのチャージが可能)。
トイレ・多機能トイレは改札内にあります。
そして3階にある各ホームとの間には階段、上りエスカレーター、エレベーターが設置されています。
尚、駅構内に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは北口前にあるJR西日本系のコンビニ「セブン-イレブン ハートイン」になります。さほど遠くありません。
 
 

こちらは高架下2階東側にある東改札口です。西を望む。
駅高架化によりメイン改札口が地平時代より西へ移動する事に伴い、補償的な意味で設けられたと察します。
左側に東口(南側出入口)、「パピオスあかし」「アスピア明石」へのペデストリアンデッキ(地平へのEV出入口あり)、西改札口への連絡通路があり、右側に東口(北側出入口)があります。
こちらは基本的に駅員不在で、窓口は閉鎖されています。代わりに改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が3通路設置されていて、窓口に面した左端が点字ブロック設置の幅広通路です。
改札口の左手前には自動券売機があり、改札内コンコースには自動精算機があります(いずれもICカードのチャージが可能)。
ちなみに改札内コンコースは西改札口側と共用です。写真奥に西改札口が見えます。
また、通路を挟んで後方には定期券販売所があり、その隣(写真右後方)には定期券販売所があります。
東改札口付近にも売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニはペデストリアンデッキを「アスピア明石」方面へ渡った先にある山電系の「ローソン+フレンズ」です。
そして西改札口へ向かう連絡通路沿いには「山陽そば」があります。
 
 

下り2番線ホームに設置されている吊下式駅名標です。電照式(行灯式)で、バックライトは蛍光灯です。
山陽電鉄の標準デザインです。書体は古いです。
駅ナンバリングも併記されています (SY 17)。
山陽電鉄では関東の京成電鉄などとは違い、冠称の「山陽」は必ず駅名標に反映されています。
ちなみに当駅は明石駅前駅→電鉄明石駅→山陽明石駅と駅名が変遷しています。
現行の山陽明石駅になったのは1991年の高架化時で、比較的最近です。
 
 

こちらは2番線の階段側壁に設置されている絵入り駅名標です。
スペースの関係で、他駅とは違い小型かつ横長です。
「魚の棚」が強調されていて、大漁旗、タコ、明石焼の絵が描かれています。
中央上部の大漁旗には自社の略称を使った「山電丸」と書かれていますw
ちなみに、山陽電気鉄道の略称は全国的には「山陽」を使用する人が多いと思われますが、沿線では「山電(さんでん)」と略する人の方が多い印象です(「山陽」と略する人も一定数います)。多くの駅前には「山電○○駅前」と名付けられた交差点が多いです。
 
 

山陽明石駅は島式ホーム2面4線の高架構造で(3階)、概ね東西方向にホームが延びています。ホームは若干カーブを描いています。
右ホーム(南)は右から1番線、2番線の順で下り山陽姫路方面、左ホーム(北)は右から3番線・4番線の順で上り西代方面・神戸三宮方面です。
内側の2・3番線が主本線、外側の1・4番線が副本線(待避線)です。当駅では緩急接続が行われますが、現行ダイヤでは昼間帯において当駅で緩急接続は行われません(西代方は霞ヶ丘駅、山陽姫路方は東二見駅で普通車が直通特急を待避しますが、霞ヶ丘駅には直通特急が停車しません)。
また、4番線の左隣にはJR線・明石駅のホームが並んでいます。
ホーム有効長は6両分ですが、若干長さに余裕があり、近鉄車6両編成も停車可能な長さです。2019年6月現在、ホームドアは未設置です。ホーム幅は全体的に広いですが、各ホームの階段部分および1・2番線の西代方の端は1番線側が絞られて狭くなっています。
上屋は主要駅ながら短く、中ほどの4両分しか設置されていません。直通特急は両端各1両が雨ざらしになりますので、雨天時に直通特急に乗って当駅で下車する場合は中間の4両にご乗車になって下さい。
写真は2番線より西代方・神戸三宮方を望む。
 
 

 

こちらは2枚とも山陽姫路方を望む。
左から1番線~4番線の順で、4番線の右隣にはJR線・明石駅のホームがあります。
各ホームにはベンチ・飲料自動販売機・待合室(空調完備と思われます)が設置されています。
 
 

1番線西代方(東寄り)には0kmポストがありますが、これは当駅を境に西代方(神戸方)と山陽姫路方がそれぞれ別会社により建設された名残です。山陽姫路方面は当駅を起点にして距離が増えていきますが、神戸方は今も1968年に廃止された電鉄神戸駅を起点としてキロポストが設置されていて、当駅が終点になります。
前方に延びる道路は「明石銀座通り」で、写真奥には明石海峡と淡路島を遠望できます。山陽明石駅もホームから海が見える駅の一つです。山電には海が見える駅が複数ありますが、準大手以上の私鉄でホームから海が見える駅が存在するのは山電のほかに京急、名鉄、近鉄、南海くらいでしょうか。
 
 

 

上写真は2番線より、下写真は3番線より、いずれも西代方・神戸三宮方を望む。
上写真右側の大きなビルは「アスピア明石」です。
ホーム端の先、上下線間に6両対応の引上線が1線あり、西側(山陽姫路方)からの折り返しに対応していますが、現在はこの引上線を使用する営業列車はありません。ちなみに上りの3番線・4番線は山陽姫路方への発車に対応しています。また、こちらの西代方には上下線間の渡り線は存在しません。
この先、左側を通るJR神戸線と完全並走状態で、市街地の中を高架区間でしばらく東へ走ると、人丸前駅へと至ります。人丸前駅では東経135°線ホームを横切っており、それを示すためにホームには東経135度線が書かれています。また、明石市立天文科学館への最寄駅でもあります。ちなみにJRには駅が設置されていません。
 
 

2番線より山陽姫路方を望む。
地平時代は西側にも引上線がありましたが、高架化により廃止されました。代わりに上り線から下り線への片渡り線が設置されています。
また、左前方の線路沿いには「ピオレ明石」南館の円弧を描いた建物があり、左前方にあるビルは商業施設「明石ラ・メール」で、過去にはイオン系のファッションビル「明石フォーラス」が入居していました(1990年のオープン時にビルを新築)。さらに昔はこの地に「ジャスコ明石店」があり、昔は駅前に「ジャスコ」と「ダイエー」が存在していました。
 
この先、右を通るJR神戸線と完全並走状態で、市街地の中を高架区間でしばらく西へ走ると左へカーブしてJRと離れ、明石川を渡ります。この明石川を渡る手前から2015年に高架化された区間に入りますが、現橋梁の右手には1991年の山陽明石駅付近高架化から2015年の西新町駅付近高架化までの24年間のみ使用された山電の橋梁があります。この橋梁は現在、歩道に転用されていて、短期間での解体は免れました。その後も高架区間で住宅街の中を西方向へ走り、国道2号をオーバーパスすると西新町駅へと至ります。昔は車庫が併設されており、地平時代は2面3線でしたが、高架化により今は2面2線プラス西側に引上線を有する構造へと変わりました。車庫があった時代の面影はほとんど残っていません。
 
 
あとがき  
私が山陽明石駅で下車(乗車)したのは1996年以降何度かあります。ほとんどが山陽電車とJR線の乗換で利用していますが、中でも2019年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。昔はJR駅の南に隣接して地平に駅がありましたが、1991年に高架化されました。私は高架化の後しか訪問していません(地平時代は国鉄~JRの電車内から見ていました)。現在はJR駅と一体になった高架駅になっています。山電は南口を管理していて、こちらの南口が両社の明石駅にとって正面口に相当します。駅前は明石の中心市街地で、駅南側には再開発ビルがそびえ立っています。観光地にもなっている商店街「魚の棚」はさらに南側にあります。
  
東京から山陽電車で当駅入りするには東海道・山陽新幹線で新神戸駅まで行き、神戸市営地下鉄西神・山手線の西神中央方面電車に乗り換えて板宿駅下車。さらに山電の下り山陽姫路方面直通特急に乗り換えて当駅下車です(特急・須磨浦公園行きor東須磨行きには乗らないで下さい)。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと阪神の大阪梅田駅から山陽姫路方面直通特急に乗車して当駅下車です。また、JRで明石駅まで行ってもOKです。JRの方が速いですが、運賃は阪神~山陽の方が若干安いです。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、JR駅構内および南側駅前にコンビニがあり、飲食店も両社の駅構内および駅前にチェーン店を含めて多数あります。魚の棚には観光客向けの店舗(明石焼のお店を含む)も複数あります。事前に用意しなくても大丈夫です。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。
山陽電鉄本線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は山陽明石駅でも途中下車してみて下さい!
そして観光など明石へお出かけの際はせひ山陽電鉄本線をご利用になり、山陽明石駅も観察してみて下さい!
  
(参考:山陽電気鉄道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)