兵庫駅【兵庫県】(山陽本線【JR神戸線】。2020年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県神戸市兵庫区の南部に広がる市街地に位置する山陽本線【愛称:JR神戸線】の快速停車駅で、昼間は電車が走らない山陽本線支線【通称:和田岬線】が分岐している、県名と同一名称の駅、
兵庫駅 (ひょうごえき。Hyogo Station) です。
 
 
駅名
兵庫駅 (JR神戸線のみ駅番号:JR-A 64)
 
所在地
兵庫県神戸市兵庫区  
 
乗車可能路線
JR西日本:山陽本線 【愛称:JR神戸線】山陽本線支線 【愛称:和田岬線】  
 
隣の駅
山陽本線 【JR神戸線】     
神戸方・大阪方……神戸駅  
姫路方・門司方……新長田駅  
 
山陽本線支線 【和田岬線】     
和田岬方……………和田岬駅  
 
訪問・撮影時
2016年6月、2019年4月
 
 

兵庫駅はJR神戸線(山陽本線)が高架駅で、和田岬線が半高架駅です。
山陽本線は戦前の1930年(昭和5年)に早くも高架化されました。
和田岬線は長らく地平で、貨物設備が制設されていましたが、貨物設備の廃止後、1990年代に再開発の一環で半高架になりました。
高架下1階に駅舎があり、南北に出入口があります。出入口に段差はありません。
駅舎の改札外コンコースは南北自由通路を兼ねていますが、自転車は乗入禁止で、東西へ迂回しなければなりません。
 
写真は北口です。南西を望む。高架下からはみ出す形で駅舎が設置されています。かなり年季が入っています。
右手には三角形のロータリーを有する駅前広場があり、バス停留所とタクシー乗り場が併設されています。ロータリー内には有料駐輪場があります。
 
 

北口駅前です。西を望む。左手に駅前広場と兵庫駅があります。
駅前は市街地で、一定数の商店が見られます。尚、兵庫区の商業の中心地は兵庫駅周辺ではなく新開地駅や湊川駅の周辺になります。
周辺はオフィスビルやマンションが多く、一戸建て住宅の割合は低いです。
北西(写真右奥)へ延びる兵庫駅前線を400mほど歩くと阪神神戸高速線大開駅に到達します。さらに400mほど北西へ進むと神戸市営地下鉄西神・山手線上沢駅に到達します。
また、写真右には兵庫駅前ビルがありますが、1968年4月6日までは山陽電気鉄道本線のターミナル駅・電鉄兵庫駅でした。そして線路は写真左奥へ延びる西国街道の道路上を長田駅(現・高速長田駅)まで併用軌道区間で通っていましたが、1968年4月7日に神戸高速鉄道東西線(現・阪神神戸高速線)が開業して、そちらを通るようになったため、長田駅の1駅西にある西代駅から電鉄兵庫駅までの区間が廃止になりました。
 
 

こちらが兵庫駅前ビルです。北東を望む。右手に兵庫駅があります。
かつてはこの地に頭端式ホーム4面5線の電鉄兵庫駅がありました。
廃止後は兵庫駅前ビルが建てられ、往時の面影は全く残っていません。
ビルの低層階が神戸市立兵庫勤労市民センターや商業施設、高層階が公団住宅(現・UR)になっています。
 
 

こちらは南口です。北西を望む。
元々は貨物側線などが広がっていて、南口は存在しませんでしたが、再開発により1990年代後半に南口が設置されました。
再開発区域は「神戸キャナルタウン」と名付けられました(福岡の「キャナルシティ博多」とは無関係と思われます)。
「神戸キャナルタウン」は商業施設や集合住宅で構成されています。左側はJR西日本系の駅ビル「JR兵庫駅NKビル」で、「ガスト」などの店舗が入居しています。
また、南口には広大な駅前広場がありますが、歩行者用のスペースのみで、ロータリーや送迎スペースはありません。
 
 

南口駅前です。南東を望む。後方に兵庫駅があります。
こちらの南口側は駅裏感が強く、商店は少ないです。駅前はオフィスなどの事業所やマンションが建ち並んでいます。
約200m前方には阪神高速道路3号神戸線の高架橋と、地平を通る国道2号線が、左右方向に延びています。
阪神高速より先は住宅街が広がっていますが、町工場などの事業所も多く見られます。
また、約400m北東の線路南側には柳原蛭子神社が鎮座しており、毎年1月10日前後に「十日えびす大祭」が行われます。
そして、約1km南には鉄道車両を製造している川崎重工業車両カンパニー兵庫工場があります。
 
 

 

改札口です。南西を望む。下写真はリニューアル前の2016年撮影。
兵庫駅の駅外からの改札口はこの1ヶ所のみです。右が北口、左が南口です。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が7通路あり、一番右が幅広通路です。窓口に面した右端には有人通路があります。
改札口の右手前に『みどりの窓口』があり、その右側には自動券売機と指定席券売機『みどりの券売機』があります。
改札内には自動精算機とトイレ・多機能トイレがあります。
そして2階のJR神戸線各ホームとを直接結ぶ階段、エレベーターが改札を入ってすぐの場所に設置されており、階段横の通路を通った先には和田岬線の中間改札やホームがある中2階コンコースとを結ぶ階段とエレベーターがあります。中2階経由でもJR神戸線ホームへ行けますが、中2階と2階を結ぶエレベーターはありません。
左後方の通路反対側にはコンビニ「セブンイレブン ハートイン」があり、その右側には高架下を通って駅北東側へ抜けられる通路があります。
改札内に売店・コンビニはありません。
 
 

JR神戸線下り内側線3番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式です。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR神戸線のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青色に塗られています。
駅ナンバリング (JR-A 64) はこの駅名標には併記されておらず、柱などに掛けられている縦型の駅名標にのみ併記されています。 

そして、兵庫駅は特定都区市内制度における神戸市内駅であるため、右側に「神」マークがあります。
また、JR神戸線の駅名標には和田岬線の隣駅が書かれていません。
 
 

JR神戸線の兵庫駅は島式ホーム2面4線の高架構造で、北東~南西方向にホームが延びています。
左ホーム(北)が左から1番のりば(急行線の上り外側線。一部の快速が発着)、2番のりば(緩行線の上り内側線。快速の大半と普通が発着)の順、右ホーム(南)が左から3番のりば(緩行線の下り内側線。快速の大半と普通が発着)、4番のりば(急行線の下り外側線。一部の快速が発着)の順です。新快速、特急、貨物列車は外側線を通過します。また、1番のりばと4番のりばに快速が発着しない時間帯は線路際にロープが張られ、線路際の危険な歩行を防いでいます。
ホーム有効長は20m車13両弱分で、2019年4月時点でホームドアはありませんでした。ホーム幅は全体にわたり一定の広さが確保されています。
上屋は門司方(手前側)の12両強分に設置されています。神戸方の端(奥)約0.5両分には上屋が設置されておらず、また上屋未設置の部分は柵により立入禁止になっています。
各ホームにはベンチ・飲料自動販売機、空調完備の待合室が設置されています。
また、エレベーターと神戸方の階段は1階改札口との間を直接結びますが、門司方(手前)の階段は中2階和田岬線中間改札前を経由します(1階改札口にも行けます)。尚、車いすで和田岬線中間改札へ向かわれる場合はEVで一旦1階に下りてから中2階行きのEVで上って下さい。
写真は3番のりばより神戸方・大阪方を望む。
 
 

3番のりばよりJR神戸線の神戸方・大阪方を望む。
右から下り外側線、下り内側線、上り内側線、上り外側線の方向別複々線で、この先、琵琶湖線の草津駅まで続きます。
この先、高架区間で左へ右へカーブして市街地の中を北東へ走り、やがて列車の速度が減速すると左へカーブして中央区に入り、山陽本線の起点駅かつ東海道本線の終着駅である神戸駅へと至ります。
 
 

3番のりばよりJR神戸線の姫路方・門司方を望む。
左から下り外側線、下り内側線、上り内側線、上り外側線の順ですが、1駅先の新長田駅付近で下り外側線と後述の小運転線が上下内側線をアンダークロスして北側へ回り、それより先は西明石駅まで海側2線が電車線、山側2線の列車線の線路別複々線になります。但し、列車線には明石駅と西明石駅にしかホームがないため、列車線を走る快速は正規の停車駅である須磨駅、垂水駅、舞子駅が通過になります(現在は上りしか運転されていません)。
また、兵庫駅のすぐ先に下り外側線(列車線)から下り内側線(電車線)への片渡り線と上り内側線から上り外側線への片渡り線があり、主に快速列車の転線で使用されています(下りの新快速1本も使用)。
 
この先、高架区間のまま市街地の中を南西へ走りますが、和田岬線が左へ分かれるのを見るとすぐに左下から単線の線路が上がってきて複々線に寄り添います。この線路は通称「商運転線」で、鷹取の神戸貨物ターミナル駅まで下り外側線(列車線)の左を並走します。小運転線は和田岬線の車両の回送、川重で製造された車両の甲種輸送のほかに、訓練でも使用されます。小運転線が合流後は長田区に入り、5線区間で引き続き市街地の中を南西へ進みますが、新湊川を渡ると内側の電車線が高度を上げ、左へカーブして下り列車線と小運転線をオーバークロスすると下り勾配に転じ、新長田駅へと至ります。一方、列車線は明石駅までホームがなく、ノンストップで明石市まで駆け抜けます。
 
 

 

こちらは中2階改札内コンコース南側にある和田岬線の中間改札です。概ね南を望む。
左に改札階とを結ぶ階段があり、後方に改札階とを結ぶEV、右側や後方に2階JR神戸線ホームとを結ぶ階段があります。
この中間改札は和田岬線列車の運転時間を除き、使用できません。
また、この中間改札は事実上、和田岬駅の改札口です。和田岬駅は1区間のみの支線なので和田岬駅に改札を置かなくても兵庫駅に改札を置く事で合理化を図れます。同じ方式の路線は名鉄築港線・東名古屋港駅(改札は大江駅)、東武大師線・大師前駅(改札は西新井駅)があります。
右側には交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が4通路ありますが、幅広通路はありません。左端には窓口があります。
ちなみに和田岬駅は『ICOCA』のエリア内です。
柱を挟んで左側には車いす対応幅の有人通路があります。しかし、この中間改札は現在、駅員無配置のようで、有人通路を利用するには改札内外にあるカメラ付きインターホンで係員に問い合わせる必要があります。改札外のインターホンは自動改札機の左手前にあります。
また、中間改札の手前、中2階通路沿いに和田岬駅専用の自動精算機が設置されています(ICカードチャージ可能)。兵庫駅で下車される際はこの精算機を利用せずに1階にある自動精算機をご利用下さい。
そして改札を通って右へ曲がり、スロープを登ると和田岬線ホームに到達します。和田岬線改札内にトイレはありません。
 
 

こちらは和田岬線の改札内より中間改札を望む。後方に和田岬線ホームがあります。
左側の手前が自動改札で、奥が有人通路です。自動改札機の左手前にカメラ付きインターホンがあります。
また、突き当たりには和田岬駅用の自動券売機(ICカードチャージ可能)があり、和田岬駅から乗車する際、ICカードや定期券をお持ちでない場合は、兵庫駅で下車する場合でもここで乗車券を購入する事になります。
 
 

和田岬線ホームの雨ざらし部分に設置されている駅名標です。電照式ではありません。
JR西日本の標準デザインですが、文字の間隔が広いです。
和田岬線にラインカラーは設定されていないと思われ、下部はJR西日本のコーポレートカラーである青色に塗られていますが、雨ざらしのため色褪せています。
尚、和田岬線には駅ナンバリングが設定されていません。  
 
 

和田岬線は単式ホーム1面1線で、中2階相当の築堤高架構造です。JR神戸線の南側に並行する形で北東~南西方向にホームが延びています。
番線は設定されておらず、和田岬線の列車は全てこのホームに発着します。左側には側線があり、川重から出場した新型車両を甲種輸送する際に、空いている1線を機回し線として使用していると思われます。
ホーム有効長は6両分で、ホームドアはありません。ホーム幅ですが、ラッシュ時に乗降客が集中する事から、一定の広さが確保されています。
上屋は終端方(手前側)の2両分にあります。和田岬方の4両分は雨ざらしになります。
ホームにはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
右後方にはスロープ通路があり、その先に中間改札があります。
写真は和田岬方を望む。
 
 

 

2枚とも和田岬方を望む。右側がホームのある発着線、左側が側線です。側線の左は「キャナルタウン」の住居棟です。
少し先に両渡り線があり、和田岬線列車はそこで左側へ転線します。一方、右側の線路は「小運転線」で、上り勾配になって右手を走るJR神戸線の線路に寄り添い、鷹取駅(神戸貨物ターミナル駅)へと至ります。
 
和田岬線はこの先、両渡り線の先で左へカーブして、地平区間になると国道2号線と阪神高速3号神戸線をアンダーパスします。その後は右へ川崎重工業の専用線が分岐し、川崎重工業車両カンパニー兵庫工場へと入っていきます。一方、和田岬線は右手に川崎重工業車両カンパニー兵庫工場を見て工業地帯の中を東南東へ走り、やがて兵庫運河を渡りますが、神戸市ではこの兵庫運河活用したウォーターフロント計画を進めており、船舶の運航の支障になるとして神戸市がJR西日本に対して和田岬線の廃線を求めていると報じられた事があります。これには、和田岬線を廃線にして利用が低迷している神戸市営地下鉄海岸線の利用客増加を狙う意図もあるとみられています。兵庫運河を渡っても工業地帯の中を走りますが、やがて住宅街の中に入ると終点の和田岬駅へと至ります。駅前に地下鉄海岸線の駅があり、和田岬駅の先には三菱重工業神戸造船所などの工場があります。
 
 

 

2枚とも終端方を望む。
ホーム終端部の先にはスロープがあり、中間改札に通じています。左側にはJR神戸線のホームがあります。
また、線路はホーム終端部より先まで延びていて、側線が合流した先に車止めがあります。
この部分を利用して甲種輸送列車はスイッチバック時に機関車の付け替え(機回し)を行います。
尚、和田岬線ホームが地平時代はもっと先まで線路が延びていましたが、再開発による南口開設のため、線路が短縮されました。そのため、有効長が短くなり、甲種輸送列車は最大8両に制限されています。9両編成以上の列車は分割で鷹取まで輸送し、鷹取で連結してから客先へ輸送します。
 
 
あとがき
私が兵庫駅で下車(乗車)したのは1996年以降何度かあります。1996年は用事で、1999年以降は和田岬線の乗り鉄など鉄活動で下車しています。中でも2017年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年6月全駅制覇済)。駅は2面4線+1面1線と規模が大きいですが、南口の再開発前はもっと構内が広かったです。駅舎は高架下にあり、神戸駅などと同様にレトロな雰囲気を残しています。駅前は北口が従来からの市街地で、山陽電車の電鉄兵庫駅跡は再開発ビルに変わっています。一方、南口も再開発ビルが建ち並んでいます。ちなみに再開発以前は南口がなかったと記憶しています。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の下り快速に乗り換えて当駅下車です。新快速に乗車した場合は神戸駅で普通または快速に乗り換えて下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の快速に乗車して当駅下車です。新快速の場合は神戸駅で普通or快速に乗り換えて下さい。余裕で日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅構内改札外にコンビニがあり、駅前にも複数のコンビニがあります。一方、飲食店は駅前に一定数あるものの、気軽に入れるチェーン店は「吉野家」「ガスト」「餃子の王将」くらいでしょうか。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。JR神戸線および和田岬線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は兵庫駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、Google地図、地理院地図、Wikipedia)