戸越銀座駅【東京都】(東急池上線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


今回の【駅】コーナーは、
東京都品川区中西部に広がる住宅街に位置する東急池上線の駅で、駅前にはメディアにも度々取り上げられている有名な商店街「戸越銀座」が東西に延びている、
戸越銀座駅 (とごしぎんざえき。Togoshi-ginza Station) です。
 
 
駅名
戸越銀座駅 (IK 03)
 
所在地
東京都品川区
 
乗車可能路線
東急電鉄:池上線 
 
隣の駅
五反田方……大崎広小路駅 
蒲田方………荏原中延駅 
 
乗換可能駅 (乗換駅には指定されていません)
都営地下鉄:浅草線 【都営浅草線】……戸越駅まで徒歩8分
 
訪問・撮影時
2019年10月
 
 

戸越銀座駅は池上線の多くの駅と同じく上下線で駅舎が分離されています。
戸越銀座商店街との踏切の左側(北側)には上下線それぞれの駅舎・改札口とホームが設置されています。
踏切の手前側(西側)の駅舎が五反田方面2番線ホームの南寄り(蒲田方)に位置する西側駅舎(五反田方面のりば)で、踏切の先(東)の左側に見える駅舎は蒲田方面1番線ホームの蒲田方に位置する東側駅舎(蒲田方面のりば)です。
尚、改札内で1番線ホームと2番線ホームの間は移動できません。したがって、乗車時は行先によってどちらの駅舎・改札口から入場するのかを選択しなければなりません。
また、かつては構内踏切が存在していましたが、1955年におそらく蒲田方面東側駅舎が新設されて上下線別々になりました。
双方の駅舎とも長い間使い続けられていましたが、2015年~2016年に「いい街 いい電車 プロジェクト」の一環として木造駅舎の雰囲気を踏襲した「木になるリニューアル」が行われ、東京都多摩産の木材(多摩産材)をふんだんに使用の上でレトロな雰囲気を前面に押し出したデザインの駅舎へと生まれ変わりました(東急HP、Wikipediaより)。
尚、戸越銀座駅には駅前広場が存在せず、駅前にバス路線の乗り入れもありませんが、駅の約170m東側を池上線と並行する南北方向の第二京浜(国道1号線)上にバス停留所が設けられています。
写真は東を望む。
 
 

こちらは五反田方面2番線ホームに面した西側駅舎(五反田方面のりば)です。北を望む。
右に踏切があり、その反対側に東側駅舎(蒲田方面のりば)があります。
こちらの西側駅舎は1927年の開業時からの木造駅舎で、老朽化が深刻な状況でしたが前述の「木になるリニューアル」により元の駅舎の雰囲気を残しつつ改修されました。
屋根にある駅名表示もレトロな感じで、さらに上には屋号紋を模したシンボルマークもあります。
また、左隣の和菓子屋「亀屋万年堂」も駅舎の雰囲気を引き立てています。
ちなみに西側駅舎は駅前道路(戸越銀座商店街)と駅舎・改札口の間に段差がなく、バリアフリーに対応しています。
 
 

駅前(西側)の様子です。
右に西側駅舎があり、後方には踏切と東側駅舎があります。
駅前から西方向には「戸越銀座商店街」が延びています。道幅は狭いです。
 
戸越銀座商店街は、全長約1.3kmにわたる関東有数の長さを誇る商店街で、戸越銀座商栄会商店街振興組合、戸越銀座商店街振興組合、戸越銀座銀六商店街振興組合の3つの商店街振興組合で構成されています。商店街沿いには約400件の店舗が軒を連ね、生鮮三品を扱うお店も多く残っている最寄品を中心とした近隣型の商店街です(戸越銀座商店街オフィシャルウェブサイトの本文を引用)。
 
また、「戸越銀座」の由来についてですが、こちらも戸越銀座商店街オフィシャルウェブサイトの本文を引用させて頂きます。
 
戸越銀座の周りには「清水坂」の他にも「宮前坂」「八幡坂」「三井坂」「平和坂」のように坂のつく地名が数多くあります。商店街はこれらの坂を下ったところに東西に伸びる谷底状の地形に沿って形成されていたため、非常に水捌けが悪く、長い間ぬかるみや浸水に悩まされてきたそうです。
 
そんな折、当時の商店主達は、大正12年の関東大震災で銀座のレンガ造りの街並みが壊滅的な被害を受け、大量のレンガ瓦礫の処分に困っているという話を聞きつけ、そのレンガを水捌けの悪い通りに敷き詰めて歩きやすくしようと、銀座までリヤカーを引いてレンガを頂きに行ったそうです。戸越銀座商店街の一番東側にある戸越銀座銀六商店街振興組合は、レンガを頂きに行った場所が銀座6丁目であったことから、銀六商店街の大半が当時は東戸越や戸越という地名であったのにも関わらず、銀座6丁目商店街と名付けられたという興味深い経緯があります。
 
そして、当時日本一の商業地であった本家の「銀座」からレンガを譲り受けるだけでなく、銀座の賑わいにもあやかりたいという思いから、「戸越」と「銀座」をつなげて「戸越銀座」と名乗ったのが始まりとされています。戸越銀座は全国に300以上あるといわれている「○○銀座」の元祖と言われていますが、本家銀座との縁によって生まれた由緒正しい「あやかり銀座」なのです。
 
現在、全国に「○○銀座」と名の付く商店街がありますが、この戸越銀座は本家銀座と繋がっていて、しかも本家銀座から事実上の「公認」を得ている銀座商店街なのですね。
 
駅西側の戸越銀座商店街は「戸越銀座商栄会商店街振興組合」のゾーン(商栄会ゾーン)で、約370m先の中原街道との交点まで延びています。沿道にはチェーン店を含めて多くの店舗が軒を連ねています。
日曜日の夕方に訪問しましたが、多くの買物客で賑わっていました。
また、商店街から南北へ入ると住宅街が広がっており、一戸建て住宅の割合が高いです。
駅の約500m北西には星薬科大学と品川区立荏原第一中学校が、駅の約160m南西には品川区立京陽小学校が、そして駅の約450m南西には9年制の義務教育学校・品川区立荏原平塚学園があります。
 
 

西側駅舎(2番線五反田方面のりば)の改札の様子です。後方に出入口があります。
前述の通り、2番線五反田方面ホームとしか繋がっていません。
リニューアルにより、内装も変わりました。
交通系ICカード『PASMO』などに対応の自動改札機が3通路あり、右端の幅広通路(ワイド改札口)沿いに窓口があります。
また、駅員不在時に備えて改札内外にインターホンが設置されています。
改札口の左手前には自動券売機があります。
ちなみに西側駅舎と2番線にはトイレの設備がなく、トイレをご利用の際はこちらの窓口または後述の南側駅舎のインターホンで駅員にその旨を説明した上で1番線の設備を利用する事になります。
そして改札口とホームの間は段差がありますが、階段とスロープで段差を解消していてバリアフリーに対応しています。
尚、戸越銀座駅構内に売店、コンビニはありません。ご注意下さい。駅前にコンビニがあります。
 
 

こちらは蒲田方面1番線ホームに面した東側駅舎(蒲田方面のりば)です。
左に踏切があり、その反対側に西側駅舎(五反田方面のりば)があります。
こちらの東側駅舎は1955年に設置された駅舎で、島式ホームのような屋根が特徴的な、オープン構造の簡易な駅舎です。こちらも前述の「木になるリニューアル」により元の駅舎の雰囲気を残しつつ改修されました。駅名表示の書体は変更されていますが、屋号紋を模したマークは省略されています。
また、駅前道路と駅舎の間には若干の高低差がありますが、踏切横にはスロープが設置されています。
 
 

駅前(東側)の様子です。
左に東側駅舎があり、後方には踏切と西側駅舎があります。
駅前から東方向にも「戸越銀座商店街」が延びています。こちらも道幅は狭いです。
駅東側の戸越銀座商店街は「戸越銀座商店街振興組合」のゾーン(中央街ゾーン)で、第二京浜を越えて約580m先まで続いています。
それより先は「戸越銀座銀六商店街振興組合」のゾーン(銀六会ゾーン)で、さらに300mほど東まで延びています。
さらに先は三ツ木通りになり、戸越銀座商店街ではなくなります。東海道新幹線と横須賀線をくぐり、蛇窪支線(JR大崎駅構内)と東京総合車両センターの手前にある丁字路で三ツ木通りは終了となります。
当駅から約170m先の第二京浜との戸越銀座交差点までの間は戸越銀座商店街の中でも特に通行量(人数)の多い区間で、当然ながら沿道には商店が密集しています。
そして戸越銀座交差点から南側の第二京浜地下には都営浅草線の戸越駅があり、定期券に限り戸越銀座駅と戸越駅の間で連絡運輸が実施されています。
また、こちら側も商店街から南北へ入ると住宅街が広がっており、一戸建て住宅も多いですが、第二京浜沿いにはビルやマンションが立ち並んでいます。
さらに、当駅から東へ歩き、第二京浜を過ぎてから途中で南へ曲がると1.1km少々で東急大井町線の戸越公園駅に到達します(徒歩約20分)。
戸越公園駅の近くには戸越公園(庭園)や文庫の森(公園)があります。
 
 

東側駅舎(1番線蒲田方面のりば)の改札の様子です。後方に出入口があります。
前述の通り、1番線としか行き来できません。
交通系ICカード『PASMO』などに対応の自動改札機が3通路あり、右端は広幅通路(ワイド改札口)です。
こちらの改札口には窓口がなく、左端の側壁には駅員不在時に備えてインターホンが設置されています。
改札口の右手前には自動券売機が設置されています。
トイレ・多機能トイレは改札内、1番線ホームに設置されています。
そして改札口を通った先には1番線ホームがあり、ホームとの間には段差がありますが、階段とスロープで解消していてバリアフリーに対応しています。
 
 

1番線ホームに設置されている吊下式(?)の駅名標です。電照式です。
当駅固有のデザインではなく東急標準のデザインだったので少し拍子抜けしましたがw
下部には池上線のラインカラー(桃色)が使用されています。
駅ナンバリングも表示されています (IK 03)。
 
 

また、2番線ホームには駅名と屋号紋を模したシンボルマークが描かれたボードがあります。
これはメモリアルボードで、駅リニューアル工事中に乗客から寄せられた計822個の駅へのメッセージがボード全面に細かく書かれています。
「古くて新しい駅」「駅員さんに親切にしてもらいました ありがとうございます」などのメッセージがあり、一つ一つ読んでいくとあっという間に次の電車が来てしまいますw
 
 

戸越銀座駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、北北東方向~南南西方向にホームが延びています。ホームは五反田方(写真奥)で若干カーブしています。
右(東)が1番線で下り蒲田方面、左(西)が2番線で上り五反田方面です。
尚、池上線は東急多摩川線と同様にホームセンサー方式の都市型ワンマン運転を行っていて、転落や乗客と車両の接触を防止するため、ホームにはセンサー付き固定式ホーム柵と監視モニターが設置されています。将来的に設備が老朽化した場合はホームドアに取り替えられるかもしれません。
ホーム有効長は3両分あります。各ホームとも上屋は全3両分に設置されていて、木造です。上屋も「木になるリニューアル」により改築され、木材(東京都多摩産材)をふんだんに使用した温かみのあるデザインとなっています。
また、各ホームにはベンチ・飲料自動販売機・冷水器があり、1番線にはトイレ・多機能トイレもあります。
そして、1番線・2番線とも蒲田方のホーム端(手前側)にはそれぞれ駅舎・改札口があります。
尚、前述の通り改札内で両ホームを結ぶ構内踏切、跨線橋、地下道は一切ありませんので行先に応じた改札から入場して下さい。
写真は2番線ホームより五反田方を望む。
 
 

2番線より五反田方を望む。すぐ先に踏切があり、現状ではこれ以上のホーム延伸は困難です。
この先、すぐに右へカーブして住宅街の中を掘割で北東へ走り、やがて第二京浜をくぐると戦時中に休止(のちに廃止)となった桐ヶ谷駅跡を通過して一時的に地平区間になりますが、すぐ掘割に戻り左へカーブします。その後は地平区間を経て右へカーブしながら高架区間になり、北東へ少し進むと高架駅の大崎広小路駅へと至ります。
 
 

2番線より蒲田方を望む。各ホーム端に駅舎と改札口があります。駅舎の先で戸越銀座商店街と踏切で交差します。
この先、すぐに掘割区間になり、住宅街の中を南南西へ走ります。そして地下トンネルに入り、都道420号(鮫洲大山線)をくぐります。その後、一旦地上(掘割)に出ますが、すぐに地下トンネルへ入り、右カーブを始めると地下駅である荏原中延駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が戸越銀座駅で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。実現できるかどうかは未知数ですが東京都の全駅を訪問する目的の一環で下車しました。駅は近年になってリニューアルされ、レトロなイメージに仕上がっていましたが、昔ながらの池上線の駅の雰囲気を残していました。駅前には戸越銀座商店街が横切っており、私の訪問時は夕方だったからか多くの買物客、通行人で賑わっていました。
 
新宿からですと山手線内回り(渋谷方面)で五反田駅まで行き、東急池上線の蒲田行きに乗り換えて当駅下車です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り品川駅へ。山手線外回り(渋谷方面)で五反田駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、コンビニは駅近くに複数あり、飲食店もチェーン店を含めて複数ありますが、当駅と都営浅草線・戸越駅との間に多く立地しています。まぁ事前に用意しなくても大丈夫でしょう。
 
大阪からの到達難易度もさほど高くありません。
東急池上線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は戸越銀座駅でも途中下車されてみて下さい!
そして戸越銀座商店街へお出かけの際はぜひ東急池上線をご利用になり、戸越銀座駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:東急電鉄のHP、戸越銀座商店街オフィシャルウェブサイト、Google地図、Wikipedia)