信越本線・横川~軽井沢の碓氷峠越えの廃線跡(群馬県安中市~長野県軽井沢町。2012年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。

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今回は、1997年の北陸新幹線【当時の通称:長野新幹線】開業により廃止となった『横軽』こと信越本線の碓氷峠越えのの急勾配区間(最大66.7‰)、
横川~軽井沢の廃線跡(新線)について簡単に紹介します。
尚、横川~熊ノ平信号場までの旧線の廃線跡については別記事でも紹介予定です
⇒記事はこちら

  

横川~軽井沢は1893年に開業しましたが、連続急勾配区間だったので当初はラック式鉄道のうち「アプト式」を採用していました。初めはSLが使用されていましたが、1912年に電化されました。
そして1963年7月には粘着運転に切り替えられ、丸山信号場~熊ノ平が新線に切り替わりました。同年9月にはラックレール使用の旧線が廃止されました。

   

新線も1997年10月1日の北陸新幹線開業により、同日に廃止となりました(運行最終日は前日の9月30日)。

   

横川~軽井沢はバス転換され、現在はジェイアールバス関東「碓氷線」として両駅を結んでいます。

  

今回は横川~軽井沢の順に廃線跡探訪レポートを超簡単に紹介致します。

  

尚、今回のレポートは主に2012年の探訪記なので、現在は状況が変化しているかもしれませんが、ご了承願います。
また、調査が不十分なことをお詫び申し上げますm(_)m

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  備考  
JR東日本:信越本線  横川~軽井沢  11.2km   1997年10月1日廃止  
(※)全区間複線、直流1,500V電化。軌間1,067mm。  

  
  

探訪・撮影時   2012年ほか  

  

  

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(1)横川駅ホームより軽井沢方を望む。軽井沢につながっていた線路は途切れています。
現在、横川~軽井沢の間はJRバス関東の碓氷線により結ばれています。


 

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(2)横川駅の先には碓氷峠越えのための補助機関車の基地であった横川運転区がありましたが、
現在は鉄道施設「碓氷峠鉄道文化むら」に生まれ変わっています。
信越本線は写真右側の鉄道文化むら遊具「トロッコ列車・シェルパ君」の機関車が停車している場所の辺りを通っていました。

  
  

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(3)廃線跡に併設された遊歩道「アプトの道」より「碓氷峠鉄道文化むら」を望む。
遊歩道より施設内を見る事ができます。施設内を通っている立派な線路は「トロッコ列車・シェルパ君」が走行します。
この線路はおそらく信越本線の上り線を流用していて、下り線は撤去されて施設内に取り込まれています。

  
  

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(4)やがて「トロッコ列車・シェルパ君」の線路は下り線の位置へと変わり、上り線跡は「アプトの道」に転用されました。

  
  

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(4)上写真とほぼ同一地点から見る風景です。遠くに碓氷峠の山々を望めます。
また、この付近で国道18号線(旧中山道)と碓氷バイパスが分岐しています。
JRバス関東:碓氷線の定期便はバイパス側を走行します。

  
  

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(5)信越本線跡は上り勾配を進み、上信越自動車道をアンダーパスします。
下り線跡を走る「トロッコ列車・シェルパ君」はディーゼル機関車が客車を牽引(勾配を上る下り列車は推進運転)しているのですが、
架線と架線柱が残されています。

  
  

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(6)高速道路をアンダーパスするとすぐに第四種踏切を通過します。遊歩道側にも柵が残されています。

  
  

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(7)そして廃線跡は丸山変電所跡の前を通ります。レンガ造りの変電所の建物は保存されています。
この場所に「トロッコ列車・シェルパ君」の「まるやま駅」があります。

     
     

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(8)丸山変電所跡を過ぎると上下線が若干離れます。上り勾配が続いています。
「トロッコ列車・シェルパ君」が走る下り線跡は現役当時のままです。
遊歩道化された上り線にもレールや架線柱が残されています。

  
  

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(9)その後は川を渡ります。上下線とも橋梁はそのまま残っています。

  
  

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(10)長らく廃線跡が残存していましたが、碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」の手前で上り線を流用した遊歩道は途切れます。
下り線は「トロッコ列車・シェルパ君」のルートとしてそのまま残っています。

  
  

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(10)そのすぐ先で下り線から「トロッコ列車・シェルパ君」のルートが分かれます。この先は廃線跡を辿れなくなります。
ここでアプト式の旧線跡が分かれる事になります。
旧線跡は「アプトの道」として、めがね橋を経由して熊ノ平信号場まで歩けます。

  
  

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(10)この先には柵があり、廃線跡を辿れなくなります。しかしながら廃線跡は除草されているようです。

  
  

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(11)「峠の湯」から先は廃線跡を辿れないので、アプト時代の旧線跡を流用した遊歩道「アプトの道」を迂回します。
すると、「めがね橋」の架かっている谷の上流側に信越本線の橋梁が見えました。

  
  

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(12)さらに進み、「アプトの道」の終点である熊ノ平信号場跡で信越本線跡と合流します。
レールや架線などは上下線ともそのまま残されています。

  
  

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(12)熊ノ平信号場跡より横川方を望む。
トンネル入口は4つあります(一番右は見えづらいですが…)。左2本が信越本線新線跡で、右の2本は旧線跡です。
左から3本目のトンネルは「アプトの道」として開放されており、歩く事が可能です。

  
  

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(12)熊ノ平信号場跡より軽井沢方を望む。左側には旧線跡のトンネルも見えます。
熊ノ平信号場跡を過ぎても信越本線跡は撤去されずに残されているようです。
この先、軽井沢まで観光鉄道としての復活を期待したいのですが…。

  
  

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(13)一気に軽井沢駅までやって来ました。
北陸新幹線(長野新幹線区間)の開業により、軽井沢~篠ノ井は並行在来線としてJR東日本から経営分離され、
第三セクター鉄道の「しなの鉄道」により営業しています。

  
  

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(13)軽井沢駅より横川方を望む。
一応、レールは残されているようですが、構内に多数あった側線は大半が撤去されているようです。

  
  

(おしまい)  

  

  
廃線跡探訪の注意点  

私が信越本線(横川~軽井沢)の新線の廃線跡を探訪したのは2012年の1度きりで、丸山信号場~軽井沢は立入禁止だったので熊ノ平信号場以外は探訪できませんでした。それ以外にも横川駅や軽井沢駅から廃線跡を確認したりしていました。尚、丸山信号場の先にある峠の湯~熊ノ平信号場で新線とは別の場所を走っていた旧線跡につきましては、今回の記事と重複する点もありますが後日UPしようと思います。

  

徒歩(旧線跡経由)で行ける横川~熊ノ平信号場の距離は約5.6kmで、徒歩ですと往復4時間ほど要します。横川~峠の湯は新線下り線の廃線跡を利用した「碓氷峠鉄道文化むら」の園内遊具扱いの「トロッコ列車・シェルパ君」が走っているので、時間が合えばトロッコ列車に乗車してワープ可能です。但し、トロッコ列車乗車には「碓氷峠鉄道文化むら」の入場料金プラス「トロッコ列車・シェルパ君」の乗車料金が必要なのでご注意を。

  

食料・飲料について、沿線にコンビニはありません。横川駅近くに「おぎのや」のドライブインがあるので名物駅弁の「峠の釜めし」などを入手できます(シーズンは横川駅前でも営業しています)が、事前に用意しておく必要があります。

  

「碓氷峠鉄道文化むら」へお出かけの際は、ついでにウォーキングがてら信越本線の廃線跡も一緒に歩いてみて下さい。

  

  
接続路線  

接続駅   接続路線  
横川駅   JR東日本:信越本線 (高崎方面)。JRバス関東:碓氷線 (軽井沢駅行き)  
軽井沢駅   JR東日本:北陸新幹線。JRバス関東:碓氷線 (横川駅行き)  
軽井沢駅   しなの鉄道:しなの鉄道線 (長野方面)  
軽井沢駅   軽井沢プリンスホテルスキー場の第6ロマンスリフト (山麓駅まで徒歩約10分)  
  
(参考:地理院地図、Googleマップ、Wikipedia)