同和鉱業片上鉄道・片上~和気の廃線跡(岡山県備前市~和気町。2007年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回より2回に分けて、1991年まで岡山県東部で営業していたローカル私鉄・

同和鉱業片上鉄道の廃線跡探訪記事をUPしていきます。

  

第1回目は、山陽本線の和気駅より南側(海側)の区間、片上~和気の廃線跡です。

   

同和鉱業片上鉄道は、吉井川の上流域にある柵原鉱山で産出される硫化鉄鉱を片上港まで輸送するために建設され、1923年にまず片上~和気が、1931年には柵原までの全線が開通しました。吉井川の川舟(高瀬舟)に代わり鉱石輸送を担いましたが、一方で旅客営業も行われていました。旅客列車は気動車列車の他に機関車牽引の客車列車(混合列車も含む)も運行していました。
しかし、戦後になって円高となり、柵原鉱山の鉱石産出量が減少しました。また、鉱石の輸送手段がトラックに取って代わられ、最終的に1988年に貨物輸送が全廃となりました。旅客輸送についても元々過疎地を走っていたので当初より輸送量自体が低く、様々な施策も効果が出ず、1991年に惜しまれつつ全線廃止となりました…。

  

尚、今回の区間は自転車でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
また、探訪時期が2007年と8年前で、それ以降に変化があるかもしれませんが、何卒ご了承願います。

  
  

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(Yahoo!地図を使用。旧線跡のラインは実際の旧線跡を完全に辿れていません)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  廃止日  
同和鉱業片上鉄道  片上~柵原  33.8km   1991年7月1日  
  
  
今回紹介の区間  
区間   営業キロ  備考  
片上~和気  8.6km   全線単線・非電化。軌間1,067mm  

  

  

探訪・撮影時   2007年6月  

  

  

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(1)片上駅跡にて。駅跡にはマックスバリュやエディオンなど商業施設が建てられましたが、
入口の部分にロータリーが残っていて現在も使用されています。
ここには備前バスのバス停があり、停留所名は「片鉄片上」です。
また、終端方にも線路が延びていて、港に直結していました。

  
  

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(1)片上を発車するとすぐに流川を渡りますが、橋台が残存しています。

  
  

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(2)その後は左へカーブして走りますが、一部は道路転用されずに路盤が残っています。

  
  

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(3)そして赤穂線と交差する地点の手前から、自転車道『片鉄ロマン街道』へ転用された区間が始まります。

  
  

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(4)上り勾配で進むと、信号機?か何かが一部残っていました。

  
  

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(5)山陽新幹線をアンダークロスして、ある程度高度を上げると左へカーブして築堤上を走っていました。

  
  

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(6)さらに右へカーブして上り勾配が続くと、峠隧道へと差し掛かります。
峠隧道は廃線後に整備され、「峠清水トンネル」として自転車道のトンネルになりました。

  
  

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(7)トンネルを出ると岡山県・備前市から和気町へと変わり、今度は緩い下り勾配でローカル風景の中を走ると清水駅跡に着きます。

  
  

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(8)清水駅跡を過ぎると初瀬池に沿って走りますが、途中には切り通し区間もあります。

  
  

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(9)そして農村部を北東へ進むと中山駅跡に着きます。現役時の痕跡は消えています。
尚、駅の東側には中山サーキットがあります。

  
  

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(10)中山駅跡を過ぎると川を渡りますが、鉄橋は現役時代のものが今も使われていると推察されます。しかし、橋台部分が補強されているのが気になりますが…。

  
  

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(11)その後は山陽自動車道をアンダーパスして、緩やかに左へカーブしながら進みます。
この先で初瀬川を渡ります。橋梁は架け替えられたように見えますが、現役時代の橋梁を利用しているのか確認し忘れました…。

  
  

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(12)その後、廃線跡は国道374号線に沿って走っていました。
廃線跡を転用した自転車道は、国道の歩道と一体化しています。

  
  

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(13)再び初瀬川を渡って国道を離れると、住宅地の中を北西へ走ります。
パッと見ても遺構は見つかりません。入念に探せば発見できるかもしれませんが…。

  
  

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(14)そして右側に山陽本線が見えてくると、間もなく和気駅に着きます。

  
  

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(15)和気駅に到着しました。手前にある土台のようなものはホーム跡で、跡地の写真右側には現役時の痕跡が見られます。

  

和気~柵原につきましては次回紹介致します。  

  

(つづく)  

  

  

廃線跡探訪の注意点  

今回の廃線跡は距離が8.6kmと徒歩では長いですが自転車では適距離です。徒歩では片道3時間、自転車では往復で2時間あれば辿れます。徒歩ですと、片上駅跡近くに赤穂線が、和気駅では山陽本線が通っているので比較的容易に片道探訪が楽しめます。また、2007年現在では和気駅北口東方の駐車場でレンタサイクル貸出(有料)をしていましたが、今は分かりません(要確認)。また、全区間にわたり代替バス「備前片上バス」が運転されていて、出発地へ戻る時や目的地からスタートする場合、途中リタイア時に使えます。但し、本数が少なく(平日5往復、土曜2往復)、日祝や年末年始は全便運休なので、事前に確認を。和気駅に乗り入れるバスも1本のみで、他の便は少し離れた場所に発着するので要注意です。

  

廃線跡は一部を除いて『片鉄ロマン街道』の愛称が付けられたサイクリングロード(岡山県道703号備前柵原自転車道線)として道路転用されていて、ほぼ迷うことなく廃線跡を辿れます。但し、遺構は少ないので廃墟マニアの方々にはつまらないかもしれませんが…。

  

食料・飲料についてですが、片上駅跡付近にはマックスバリュが、和気駅付近にはセブンイレブンとローソンがありますが、中間地点には何もないので事前に両端部で購入することを強くお勧めいたします。

  

皆様もサイクリング・ウォーキングがてら廃線跡探訪されてみてはいかがでしょうか?

  

  

接続路線  

接続駅   接続路線  
片上駅   JR西日本:赤穂線 (西片上駅まで徒歩8分)  
和気駅   同和鉱業片上鉄道の廃線跡(和気~柵原。1991年廃止)  
和気駅   JR西日本:山陽本線 (和気駅)   
  
(参考:Wikipedia)