写真は今回の記事と関係ありません。
今回は、福井県の嶺南と嶺北を分ける山岳区間で、北陸トンネル開業と同時に廃線となった、
北陸本線旧線(敦賀~今庄)の廃線跡(北陸本線の旧線跡)について、
超簡単にレポートします。
超簡単にレポートします。
元々、敦賀~今庄は現在線より海側を単線で走っていて、山中峠を越えていました。急勾配区間が多く、スイッチバックも存在して難所となっていました。その線形が災いしてたびたび事故が起きていました。
そのため、戦後に北陸本線の輸送改善策として北陸トンネルが掘削され、開業と引き換えに旧線は廃止となりました。
そのため、戦後に北陸本線の輸送改善策として北陸トンネルが掘削され、開業と引き換えに旧線は廃止となりました。
尚、今回の区間は車で辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
廃線跡のバイブルであるJTBキャンブックス『鉄道廃線跡を歩く』シリーズを随分と参考にさせて頂きました。
廃線跡のバイブルであるJTBキャンブックス『鉄道廃線跡を歩く』シリーズを随分と参考にさせて頂きました。
(Yahoo!地図を使用)
路線名 | 区間 | 営業キロ | 廃止日 |
国鉄:北陸本線(柳ヶ瀬線) | 木ノ本~敦賀 | 26.1km | 1964年5月11日 |
探訪・撮影時 | 2007年5月 |
敦賀駅から北陸トンネル手前までは現在線を走っていました。旧線の現役当時は単線でしたが、北陸トンネルルート建設に伴い複線化されました。近年の話題としては、2006年に交流電化と直流電化の境界・デッドセクションが設けられたことでしょうか。それまでは福井県内の北陸本線は全て交流電化でした。
(1)北陸トンネルの手前、北陸自動車道を潜る辺りで旧線跡は左へカーブして、現在線と分かれます。
現在線はこの後木ノ芽川を渡り、北陸トンネルへと入ります。
現在線はこの後木ノ芽川を渡り、北陸トンネルへと入ります。
その後、旧線跡は国道476号に転用されていますが、拡幅されて当時の面影が失われています。途中、木ノ芽川を渡る橋梁が道路転用されていたそうですが、私は確認を忘れました…。まぁ、国道の拡幅で架け替えられた可能性もありますが…。
(2)途中、短いレンガ積みポータルのトンネルが残っていましたが、国道は拡幅の際迂回ルートを選択したため、トンネルが残っています。また、次のトンネルは拡幅されてしまいました。
まだまだ国道転用区間が続き、新保駅跡に差し掛かります(撮影する時間がありませんでした…)。その後も山道を進みます。
(3)そして葉原地区へ入ると国道は内陸側へ進み、旧線跡と離れます。この先、旧線跡は1車線の道路に転用されています。
見づらいですが、築堤がそのまま使われてます。手前には立体交差があり、当時の橋梁が流用されていました。
見づらいですが、築堤がそのまま使われてます。手前には立体交差があり、当時の橋梁が流用されていました。
その後の旧線跡は、北陸自動車道下り線と並走して北上します(この付近の北陸道は上下線の走行位置が左右逆転しています)。
また、この付近にスイッチバック構造の葉原信号場がありました。
また、この付近にスイッチバック構造の葉原信号場がありました。
(4)さらに進むと、葉原トンネルに差し掛かります。鉄道時代のものを流用しています。
単線用なので1車線しかなく、信号機が設置されて片側交互通行の形を取っています。
単線用なので1車線しかなく、信号機が設置されて片側交互通行の形を取っています。
(5)葉原トンネルを抜けると旧線跡は左手に敦賀湾を見ながら走っていました。
しかし、フェンスや木々に視界を遮られてさほど海側を望めません。
しかし、フェンスや木々に視界を遮られてさほど海側を望めません。
その後、短いトンネルを2本通り、杉津(すいづ)駅跡に差し掛かります。
駅跡は北陸自動車道上り線の杉津パーキングエリアに転用されています。
駅跡は北陸自動車道上り線の杉津パーキングエリアに転用されています。
(6)その後の旧線跡は高台を走り、西側車窓には敦賀湾を望むことができました。
車窓の点では現在線より旧線の方が楽しかったでしょうね。
車窓の点では現在線より旧線の方が楽しかったでしょうね。
(7)この後はトンネルが連続します。
最後に山中隧道を潜り、山中峠を越えて福井県・敦賀市から今庄町へと変わります。
最後に山中隧道を潜り、山中峠を越えて福井県・敦賀市から今庄町へと変わります。
(8)山中トンネルの今庄方入口にて。この付近に山中信号場がありました。
あまり撮影できませんでした…orz
あまり撮影できませんでした…orz
(9)その後は鹿蒜川に沿って山間部を進みます。旧線のものを流用した落石覆いを潜ります。
(10)さらに進むと旧線跡は2車線道路になり、大桐駅跡に差し掛かります。ホーム跡が残存しています。
(11)大桐駅跡を過ぎると谷が広がり、山あいの田園風景を見ながら旧線は東へ進んでいました。
そして北陸トンネルを出てきた北陸本線の現在線と合流します。
そして北陸トンネルを出てきた北陸本線の現在線と合流します。
(12)南今庄駅にて。北陸トンネル開業時に設置された駅です。一応、大桐駅の代替駅です。
(13)南今庄駅を過ぎても現在線は旧線跡と別ルートを進んでいます。
旧線跡は引き続き2車線道路に転用されています。
旧線跡は引き続き2車線道路に転用されています。
最後は鹿蒜川を渡って(橋梁跡を確認できず…)、北陸本線と合流し、旧線跡探訪は終了です。
この区間の廃線跡は距離が長いです。また、原則として対向車との離合が不可能な狭い幅しかない数多くのトンネルは信号機によって片側交互通行となっていて、特に徒歩や自転車での通行が禁止されてはいないのですが、最低でも原付でないとトンネルを抜ける前に対向側の信号が青に変わる可能性が高く危険なため、徒歩や自転車での探訪はお止め下さい! 結論から言えば、全区間訪問可能なのは車高が3.2m未満の自動車、バイク、または原付に限定されます。
また、葉原~杉津~大桐は道路がそう広くはなく、車を止めて調査できる区間が限られてしまうので、難易度は高いかと思います。まぁ、交通量は少ないですが…。
また、葉原~杉津~大桐は道路がそう広くはなく、車を止めて調査できる区間が限られてしまうので、難易度は高いかと思います。まぁ、交通量は少ないですが…。
ちなみに、敦賀駅前~葉原には敦賀市のコミュニティバスが、大桐~今庄にもコミュニティバス(前日の午後8時まで電話予約必要)が運行されていて、バスの経路は旧線跡と完全一致するわけではありませんが、部分的には探訪可能です。北陸・東海・近畿地方からでしたら自宅から自動車かバイク、遠方からですと福井か敦賀でレンタカー(小型車)を借りて探訪するのがベストですね。
私もただ通っただけなので、またチャンスがあればもう一度訪問してみたいですね…。
乗換駅 | 乗換路線 |
敦賀駅 | JR西日本:北陸本線 (米原方面、福井方面)、小浜線 |
敦賀駅 | 国鉄:北陸本線の旧線跡(柳ヶ瀬線の廃線跡。木ノ本~敦賀) |
敦賀駅 | JR貨物:敦賀港線(休止線) |
(南今庄駅) | JR西日本:北陸本線 |
今庄駅 | JR西日本:北陸本線 |
(参考文献:JTBキャンブックス『鉄道廃線跡を歩く』、『ばすでんしゃねっと・ふくい』のサイト、Wikipedia)