泳ぐ写真家龍之介 -6ページ目

「ペットと飼主の好み」

ペットは飼主に似ると言います。
私は印象派の絵画が生理的に合わず、
見ているだけで気分が悪くなります。
その反面、ルネッサンスとキュービズムの絵画や彫刻がとても肌に合います。

話は飛びますが、
私はもう、40年ほど、学生時代を除き
文鳥を飼い続けています。
タイトルの龍之介先生も私が可愛がっていた文鳥です。
なぜ文鳥なのか?
それは「好み」としか言いようがありません。
何たる偶然か、
私が「好み」の文鳥とキュービズムに関する興味ある記事がありました。
以下がそうです。


「ブンチョウは印象派よりキュービズムが好き――。慶応大の渡辺茂教授(動物心理学)らが、鳥にも絵画の「好み」があることを初めて突き止めた。

 人間の美的感覚がどのように生まれたかを解明する手がかりになる成果で、1月13日からパリで開かれる国際シンポジウムで発表する。

 実験では、鳥かご内に三つのモニターを設置。それぞれにピカソに代表されるキュービズムと、モネやルノワールらの印象派の絵画、濃淡を変えた灰色の画面各30点を、7秒ごとに切り替わるよう映した。その上で、各モニターの前にとどまる時間を赤外線センサーで調べ、時間が長いほど、その絵を「好き」と判定した。

 その結果、ブンチョウ7羽のうち5羽はキュービズム、1羽は印象派の絵を好み、残り1羽は明確な好みを示さなかった。さらに、日本画とキュービズムを比べた実験も行ったところ、半々に好みが分かれた。また、印象派と日本画の比較では好みに差が出なかった。」

何と言う事でしょう!
私と文鳥は、好みが共通していたのです。
何と不思議な!
年の瀬にうれしい発見です。

「アスリートの体格」

仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)/山本ケイイチ

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人気トレーナーの山本ケイイチ氏の
「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)」を読みました。
あまりに面白く、2時間ほどで読み終わってしまいました。
その中で、氏は、
外人(多分欧米人)はアスリートと一般の人の体格の差がほとんどないが、
日本人は、かなり差がある。
と指摘しています。
ということは、日本人は、欧米人と同じ土俵で戦うために、
数少ない体格に恵まれたエリートが、
相当無理して体を作っているとも言えます。
相撲の世界が外人力士だらけになったのも、無理ないでしょう。
日本人で力士になれる体格の人を探すのは、
結構大変ですが、
例えば、ロシアやスラブ系の国では、体格的に適格者は
どこにでもいるでしょう。
適格者がいる確率が、全然違うわけです。

以前、オーストリアのザルツブルクで、
夜遅く、ホテル近くの大衆酒場に食事に行った事があります。
たまたま、そこに、セルビアからの出稼ぎ労働者たちが、
10人ほど、仕事を終えて、上機嫌で酒を呑みながら歌っていました。
彼らは、大体180cm~200cmの身長で、冷蔵庫のような体型。
そのごつい筋肉質な体格と陽気な性格のコントラストが印象的でした。
10人いれば10人ともプロレスラー並みの体格の国と
コンタクトスポーツで争うのは、
戦う前から相当なハンデがあります。
セルビアやクロアチアなどの欧米でも比較的大柄な人が多い地域は、
人口は1000万人前後ですが、
世界クラスのアスリート(特に球技)の比率は相当高いと思います。

アメリカを含め、ヨーロッパ大陸は、
歴史的に民族の移動が激しく、戦いの歴史で、
様々な血が混じり合っています。
それが、体格的にも、闘争本能的にも有利に働いているのは間違いありません。
日本がアスリート大国になるためには、
数少ないアスリート適格者を探して鍛えるよりは、
移民政策が一番効果的なのかもしれませんね。

「ヒット曲」


80年代によく聴いた、ビリー・ジョエルの代表作で大ヒット曲「Just the way you are」。
彼のコンサートでは必ず歌われ、もちろん彼もこの曲が大好きだと思っていたら、
意外なことに、彼はこの曲が大嫌いで、
コンサートで歌う度に相当ストレスを溜め込んでいたそうです。

アメリカにいたころに、彼のドキュメンタリー番組をやっていて、
彼はその中で、この曲の存在が、アル中になったひとつの原因だと語っていました。
営業上、ファンが大好きなこの曲を、コンサートで歌うことで、
自分のイメージがこの曲とだぶる事が、相当嫌だったようです。

ヒット曲を歌う本人が嫌っているというのはよくあることらしく。
シュープリームスの、最初の大ヒット曲もそうだったらしいですね。
ダイアナ・ロスは、ブロデューサーから、その曲の譜面を渡され
最初に歌った時には、情けなくなって泣いたとか。

リズム&ブルースの女王、チャカ・カーンの「Through the fire」。
この曲も世界的な大ヒット曲ですが、
彼女は、コンサートでこの曲を、
いつも不満そうな顔して、
歌いたくないのに歌っているという感じで歌っています。
きっと大嫌いなのでしょう。

大体、想像がつくのですが、
ビリー・ジョエルもチャカ・カーンも本領は、
メローなそれらのヒット曲とは、対極にあるような
ファンキーな感情をほとばしらせるような激しい曲にあるのです。
それなのに、そうでない嫌いな曲がヒットしてしまって、
それが自分のイメージだと思われる。
これは、相当なストレスだと思います。


ジャンルは代わりますが、
寅さんの渥美清もそうだったと思います。
もちろんファンには感謝していたと思いますが、
渥美清=寅さん
だと皆から思われていたことは、
彼にとって、とても残酷でストレスだったでしょう。

私はヒット曲を聴く度に、
「この歌手は、本当にこの曲を好きなのだろうか?
プロデューサーに無理矢理歌わされているのではないのだろうか?」
と考えながら聴いています。