泳ぐ写真家龍之介 -53ページ目

「ヴィスコンティ」

若い頃にオートバイにはまって、ヨーロッパ車をはじめ、相当数乗り継いできました。
現在は、全く乗っていません。
車は実用一点張りで、趣味で持とうと考えたことはありませんが、
もし、好きで乗るのなら、断然アルファ・ロメオでしょう。

もちろんデザインも素晴らしいですが、
あの、ヴィスコンティ家の家紋をあしらったエンブレムが
あの車のすべてだと思います。
ヴィスコンティ家は、ヨーロッパ最古の貴族の家柄。
あの、ルキーノ・ヴィスコンティもその末裔です。
あのエンブレムには、ヨーロッパとイタリアとミラノの歴史とプライドが詰まっています。

私の周りには、もう30年以上アルファに乗っている強者もいますが、
とにかく昔のアルファはよく壊れたそうです。
近くに修理工場がないと、所有できない車だったのです。

最近、アルファも気合いをいれて、車種も増やし、
一般的な使用に耐えられるラインナップが、でてくるようになり、
その姿をよく目にするようになりました。

故障は、少なくなったといいますが、
わたしの家の近くの、イタリア車修理専門店を覗くと、
年式の新しいアルファが、たくさん保管してあります。
社長が知り合いなので、聞くと、
まだまだ、壊れるそうです。
「壊れないとアルファじゃないよ。」
なんて、怖いことを言っていました。

しかし、それでも、いいや。
と思ってしまう何かを持っている、幸せな車、
それがアルファロメオだと思います。

「ブランドイメージはどうなるのだろう?」

ジャガーが親会社のフォードから売却されるという話です。
中国の自動車メーカーに売られるとか。
「彪」というネーミングになったりして。冗談ですが。

ボルボもフォードから売却されるという話です。
世界で最も安い車を作っている、インドのタタに売られるとか。

アメリカの衰退とアジア新興国の勃興を暗示するような出来事です。
しかし、そうなるとどうなるんでしょうね。ブランド価値は?

現在それらの車を所有している人たちにとっては、
結構気分が良くないのでは、ないのでしょうか。
やはり、ブランドはイメージです。
私だって、ちょっとねー と思ってしまいます。

ところで、

私の家の近くに、大きなジャガー正規販売店のショールームがありましたが、
知らない間に引っ越したようです。もしかしたら、廃店になったのかも。
その後に、やってきたのは、
プジョー。
ブリティッシュグリーンの壁が、ライオンブルーの青に塗り替えられている最中です。
なんか、自動車メーカーの栄枯盛衰を見ているようで、
複雑な気持ちになってしまいます。

話は変わりますが、
イングランドを2週間ほど、車でロケ撮影で回ったことがあります。
イングランドで一番多く走っている車って何か知ってます?
それは、ブジョーです。それもディーゼルのプジョー。
特に田舎は、プジョーだらけ。
安くて、燃費がよくて、長持ちするんでしょうね。

ロンドンのハイソな地域をのぞいて、
ついに、ジャガーやレンジローバ-を見る事はありませんでした。

それもそのはず、

ジャガーなどの、ブリティッシュ高級車は、
アメリカ市場をメインに作られた車なんです。
マーケティングが完全にアメリカのホワイトアングロサクソンをターゲットにしているそうです。
アメリカのアングロサクソン系の人たちが、
自分たちの祖先のイングランドの香りを彷彿とさせるようなイメージ
なんですね。
しかし、そのホワイトアングロサクソンもレクサスに行ってしまったので、
ジャガーの立場はますます苦しくなったのでしょう。
ブランド力抜群なのに、気の毒です。

現在、世界の自動車メーカーで、純血メーカーは
トヨタ、ホンダ、BMWだけになりました。
この3強は安泰だと思いますが、
今後、どうなるのでしょう。
とても興味があるところです。



「久々に恥ずかしい思いを〜」

本日、原宿に用があって、
青山通り方面から、明治通に向かって、
表参道を歩いていました。
結構、曇天で、むしむしする割には、人も多く、
遠くを見ると、ひと、人で埋まっているような光景でした。

そのとき

もう10年以上も会っていない、「オカマのじゅんちゃん」の顔が、
その雑踏の中に、確かに見えました。おそらく100m以上向こうだったと思います。
私の目は狩猟民族のそれです。

で、私は、昼間におかまに会うのはいやだったから、
とっさに、街路樹の陰に身を隠しました。

すると、

はるか彼方から、
拡声器のような声で、
「龍之介ちゃ~ん、隠れたって無駄よ~」
という、信じられない声。

表参道の歩行者の視線は、一斉に私に向けられたのでした。

その衆目の中、私はじゅんちゃんから
「この子ったら、なんで隠れるのヨッ。久々にあったのに、うん、本当に可愛くないんだからっ!」と、
思い切り、腕をつねられてしまいました。

厄日ってあるもんですね。
穴があったら入りたかったです。
ああ、恥ずかしかったス(x_x;)