「静物写真」
英語でいうとStill Life(スティルライフ)
と分類される写真があります。
簡単に言えば、
「物」を撮った写真で、
絵画の静物画と同じものと考えてよいと思います。
広告の商品写真もスティルライフと言う人がいますが、
この場合は商品写真は別のものと考えてよいと思います。
この静物写真は、
被写体の力に多くの部分を依存する、
人物やファッション写真と違い、
写真家のアイデアや、物を見る目に左右されるので、
「絵」を創るのは、なかなかやっかいです。
しかし、
自分のスタイルを発展させたり、
コンポジションや光を見る目を養うには
格好のトレーニングにもなります。
私も一時期8×10や4×5の大型カメラを担ぎ出しては、
いろんな素材やテーマで静物写真を撮っていた時期がありました。
もちろん今でも面白いアイデアがあると撮っていますが、
この静物写真、モノクロで撮った方が、
断然、面白いし、美しいと思います。
私の場合、フィルムもバットで手現像、
モノクロのプリントもゼラチンシルバープリントだけでなく
プラチナパラジウムプリントまで手を伸ばし、
焼付け機も自作してしまいました。
今思うと、ずいぶんとお金と時間を注ぎこみましたが、
はまると、これほど面白くて、奥の深い分野はないと思います。
作品も時々専門誌の表紙に使ってもらえるくらいで
お金にはなりませんが、
これからも「物を自分の映像として写真に定着する」
作業を続けていきたいと思っています。
「RAWデータの現像」
仕事でのデジカメ撮影の場合、
通常はウェブ使用の場合はjpg、
印刷使用の媒体の場合はRAWデータで撮影となります。
しかし、
ウェブ用と依頼しておきながら、
「後で印刷にも流用したい」という恐ろしいことが時々起きるので、
私の場合はとにかくすべてRAWデータでの撮影となります。
RAWデータの現像は5Dに付いてきた専用ソフトで行っていますが、
RAWデータ→RGB Tiffのレンダリング(現像)となります。
写真の扱いが大きいものは、
サイズはそのまま(解像度350dpiでサイズが長辺300mm程度)、
写真の扱いが小さいものは長辺を200~250mm程度にまで、
現像の段階で調整します。
現像後にフォトショップ等でサイズ変更すると、
クオリティが落ちるようです。
現像はカットが少ない場合はMac G5だけで、バッチ処理をしていますが、
カット数が2~300を超える場合は、自作のPC 2台に分業させています。
この場合、
Macとウィンドウズは、Mac OSXのファイル共有機能でネットワーク構成して、
Macのデスクトップからは、一台で処理しているように見えています。
分業はPCでレンダリングが済んだデータを随時、
Macでトーン調整、レタッチ。ということになります。
PCの性能はCPU:Pen4(3.2GHz)、メモリ2GBという控えめのものですが、
現像ソフトは元来ウィンドウズ用に開発されているせいか、
結構なスピードで処理されています。
しかし、
発熱大王の異名をとるPen4の廃熱はすごい!
あまりの発熱に、
マシンの後ろからハネウェル社の2連装ファンで冷却しています。
デジカメの能力の向上はすばらしものがありますが、
それとともに、
データの処理に必要な周辺機器の性能もアップしていくことになり、
結構大変なのです。
「続・仕事で使うデジカメ」
は、現在キヤノンのEOS5D×2台。
この5Dは、購入した時点(去年秋)では、
画質において、EOS1DMark2と比べ、
同等以上と言われていました。
また、価格も36万前後。CMOSも35mmフルサイズと、
価格的にも性能的にも、願ったりかなったりのカメラでした。
デジカメは、多少のグレードの違いよりは、
常に最新型が最良だという認識をもっているので、
5Dの新型が出たら、即買い替えです。
ハイエンドの1Ds Mark2を
最長3年(このくらいが現役でいられる最長期間か?)使うよりは、
画質的にもほとんど差がない5Dか、
同グレードのニューモデルを買い換えていく方が、
ベストだと考えています。
さて画質ですが、キヤノンの35mmフルサイズCMOS機は、
レベルの高い製版、印刷工程があるという条件の場合、
ブローニーフィルム以上の画質が期待できるというのが、
私や、仕事仲間の意見です。
実際、私は、コルトンボックスの撮影で、
データを4m×2mのサイズまで拡大しましたが、
画質に関しては、
過去に、ペンタックス67で撮ったものと同じくらいのクオリティに仕上がりました。
こうなると、印刷用の場合、
ブローニーフィルムの必要性さえなくなってきた。とも言えます。
35mmデジカメの機動力を考えた場合、
これは革命的なことだと思います。