「静物写真」
英語でいうとStill Life(スティルライフ)
と分類される写真があります。
簡単に言えば、
「物」を撮った写真で、
絵画の静物画と同じものと考えてよいと思います。
広告の商品写真もスティルライフと言う人がいますが、
この場合は商品写真は別のものと考えてよいと思います。
この静物写真は、
被写体の力に多くの部分を依存する、
人物やファッション写真と違い、
写真家のアイデアや、物を見る目に左右されるので、
「絵」を創るのは、なかなかやっかいです。
しかし、
自分のスタイルを発展させたり、
コンポジションや光を見る目を養うには
格好のトレーニングにもなります。
私も一時期8×10や4×5の大型カメラを担ぎ出しては、
いろんな素材やテーマで静物写真を撮っていた時期がありました。
もちろん今でも面白いアイデアがあると撮っていますが、
この静物写真、モノクロで撮った方が、
断然、面白いし、美しいと思います。
私の場合、フィルムもバットで手現像、
モノクロのプリントもゼラチンシルバープリントだけでなく
プラチナパラジウムプリントまで手を伸ばし、
焼付け機も自作してしまいました。
今思うと、ずいぶんとお金と時間を注ぎこみましたが、
はまると、これほど面白くて、奥の深い分野はないと思います。
作品も時々専門誌の表紙に使ってもらえるくらいで
お金にはなりませんが、
これからも「物を自分の映像として写真に定着する」
作業を続けていきたいと思っています。