鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ -6ページ目

鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 

 三浦龍司選手~8分09秒92の日本新記録で1組2着で予選通過です!!

 いやいやいや、かなり期待はしていましたが、「8分13秒前後くらいでタイムで拾われて通過したら凄いな…」くらいの予想でした。が、とんでもなかったです。最後、流してるし。。。

 この種目の選手としては小柄ですが、まったく見劣りしない走りでした。決勝で、メダル!!…というわけにはいかないと思いますが、また期待を良い方向に裏切られるかも。

 日本記録を更に更新しての入賞は十分に狙えますね。

 

 

 2組の青木凉真選手は落選―。

 1000mの通過が少し遅く(青木選手にとっては理想的なペース)、そこからペースが上がるという1組とは逆の展開になりましたが、そういう、世界レベルのペースチェンジに対応仕切れなかった感じですね。

 

 ハードル飛越の技術に少し課題がありますが、今後、この種目を続けるかどうかは分からないとのこと。もっと長い距離で世界を狙っていくのかも知れません。

 

 3組の山口浩勢選手も落選―。

 本来、1組・2組の結果を見て、プラスでの通過タイムを予想できる最終組は有利なのですが、かなりのスローペースで始まったため、当然起こり得るであろう、途中の急激なペースアップやラストのスパート合戦がやはり凄かったですね。

 

 結局、タイムで拾われたのは1組・2組からそれぞれ3名ずつ。3組目はスローペースが祟り、ゼロ。ケニアのベットやアメリカのボルが落選するという結果に。完全に展開を誤りましたね。

 

 決勝は8月2日。予選の結果と内容を見ると、三浦選手は6位入賞くらいはあるかも!?

 

 

  

 

 

 

 

 

 いよいよ陸上競技開幕!

 

 当初、この初日のチケットの抽選に申し込んだのですが、あえなく玉砕…。男子3000m障害の予選と女子5000m予選、男子10000m決勝のあるこの日が「最高」の観戦日でした!あと3泊4日で札幌のホテルとエアも予約していたのですが、、、

 

 

 さて3000m障害― 超新星・三浦龍司選手の登場です。

 

 スーパー高校生として大活躍した後、順大に進学。今年はこの種目で日本新記録を連発したほか、関東インカレでは1500mでも優勝しました。日本選手権では途中で転倒したのに、優勝&日本新です。。。

 

 早速予選1組に登場ですが、なにしろ国内無敵なので、いつも先頭で自分でレースをつくるレースしかしたことがありません。コロナ禍で海外のレース経験もほとんどないため、今回初めて1つ上のランクのレースにチャレンジすることになります。

 

 まあ、予選はどんなレース展開になるのか(ハイペースの競り合いになるのか・ペースの上げ下げの激しい振り落としになるのか)分かりませんが、三浦選手の真価というか、まだ隠された実力が試されるところです。レース展開次第では予選から大幅な日本記録更新、決勝進出もあるかも!?

 

 とにかく日本の宝です。かつて新宅雅也さんが、3000m障害・10000m・マラソンと、種目をかえて3大会連続で五輪に出場しましたが、そういう選手になるかも知れません。

 

 

 女子5000mと男子10000mは夜の部になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸上競技は30日から―

その最初の種目は男子3000m障害予選です。

 

 3000m障害って?

 

 そもそも市民ランナーには馴染みの薄いトラック種目の中でも、とりわけ知られていない・よく分からない種目であるとも言えるでしょう。

 

 3000m走る間に、でっかいハードルを28回、水濠を7回飛び越えるというとんでもない競技です。ハードルはともかく、水濠ですよ、水濠!普通にビチョビチョになります。。。

 

 ヨーロッパで伝統的なスポーツとされるクロスカントリーをトラックに再現したのが起源とされています。ハードルは倒木、水濠は小川みたいなもので、森の中でそういうのを飛び越えながら走るって感じですね。

 

 国内では、高校から実施されていますが、古くから「穴種目」とされてきました。1500mや5000mでは厳しいけど、3000m障害なら県大会へ行けるかも?インターハイでも通用するかも?みたいな感覚です。選手層も薄いですし、走力が劣っている部分を障害超えでカバーすることも可能です。

 

 とはいえ、トップへ行くにはやはりきちんとした走力が必要です。この種目で一流になろうと思ったら、1500mのスピードから10000mのスタミナ、そして障害飛越の高い技術を必要とします。

  

 私事で恐縮ですが~30年に及ぶ私の指導歴において、全国大会規模の優勝者は3名出ていますが、そのうちの1名がこの種目です!一応、日本学生チャンピオンを出していて、実はけっこうこの種目の指導は得意です。ハードルの飛び方も教えられますよ。自分ではもう飛べませんが。。。

 

 ハードルを飛ぶ技術には、「飛び越える」のと「乗り越える」のとがあります。普通にハードル飛びするのが「飛び越える」。一方、ハードルに片足をかけて飛ぶのが「乗り越える」で、消耗が少なく、技術的にも簡単ですが、「飛び越える」選手よりどうしても遅れが生じます。

 

 穴狙いの高校生はほぼ100%乗り越えていますが、世界のトップになると飛び越える選手が増えます。ずっと乗り越えて、ラストスパートに入ると飛び越えに変える選手もいますね。

 

 水濠はどうしても乗り越えなければなりません。(昔、飛び越えた、とんでもないケニア選手もいましたが…)できるだけ遠くに・浅いところまで飛びたいところですが、その分消耗しますので、その加減が難しいところです。

 

 ハイスピードでボンボン飛んでいかなければならないので、接触や転倒も少なくありません。激しい競り合いになると、終盤はもう脚が上がらなくなってくることもあります。おそらくこの種目を専門にしていて、転倒経験のない選手はいないのではないでしょうか。五輪や世界陸上の決勝でも珍しいことではありません。

 

 伝統的にケニア勢の強さが際立ちますが、あの長い脚でスイスイとハードルを飛び越え、水濠を乗り越えていく…。その上で激熱なラストスパートを見せたりします。最後のハードルでけっ躓いて勝負が決まることもあるので、終わるまでハラハラドキドキですよ。

 

 

 一般に「3000mSC」と表記されますが、この「SC」は、「Steeple Chase」の略です。歴史的な意味がありますが、すごく長くなるので省略。(wikiに詳しく出ています。)

 日本では、「サンショー」で通っていますね。ちなみにご年配の陸上経験者の方は、この「SC」を「スクラッチ」の略だと思っている方が少なくありません。古くは「サンスク」とも言われていました。なにがスクラッチなのか、なぜそうなっていたのか、その経緯は未だに不明です。

 

 今回は、日本から3名の選手が出場します。

 なかでも、超新星!弱冠19歳にして日本記録保持者の三浦龍司選手への期待が高まります。

 

 

 3000m障害(2)に続く!

 

 

 【水濠】

 本番は窪みのところに水が入ります。手前の方から走ってきて、ポンと乗って、向こう側へ飛びます。遠くへ飛べば浅いところに着地できることになります。(いちばん深いところに落ちる高校生もいます…)

 この写真はレーンの外側に設置されている外濠ですが、新国立競技場は、レーンの内側に設置される内濠になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 TOKYO2020 いよいよ!ですね。

 

 ブルーインパルスは、我が家からは思ったよりは小さくしか見えませんでしたが、5色のカラースモークははっきりと見て取れました。東京タワーの真上の飛行は絵になりますね! 🗼 

 「キタキタキタ~!」「あっちあっちあっち!こっちこっちこっち!」 ~~大騒ぎしました。

 

 お帰りの際に、編隊飛行のまま我が家の真上を飛んでくれたので大満足です。パラの開会式でもやるそうなので、仕事休んででもまた見ます。

 ありがとう!空自!!

 

 

 

 ランニングクリール9月号

 

 オリンピックモードということで、「オリンピック中長距離種目を10倍楽しむ~勝負のあやは「駆け引き」にあり」を掲載させていただきました。

 

 五輪や世界陸上では、記録(タイム)よりも勝負!!と言われますが、その具体的な勝負の内容を解説しました。

 

 タイムが悪いから凡レース…というわけではないオリンピックならではの勝負のポイントにいくつか触れています。

 

 

 

 

  見開きの2ページだけ(P76~)ですので、ちょっと観念的な内容になっているのが自分でも惜しいのですが、陸上競技の開幕前くらいから、このブログでそのあたりを補足しながら具体的にいろいろ追加解説していこうと考えて行きます。

 その際に、「専門用語」を使いますので、ぜひ事前に学習しておいてください。

 

 

 

 

 超人たちの人体

 

 日本科学未来館 7月17日~9月5日

 

 NHK主催の特別企画です。

 19日のNスペでも放映されました。

 

 「人間の…」ではなく、「超人たちの―!」ですから、通常の生理学、スポーツ科学的な内容よりも、数段、ぶっ飛んでいます!!

 

 3人のアスリートをターゲットに様な解析が行われていますが、あまりにぶっ飛び過ぎていて、今、直接参考になることは少ない感じではあります。が、逆に、数年、数十年先のスポーツ医科学に向かたヒントは満載です~。

 

 (1)ウサイン・ボルト

 

 ご存じ、100mのボルトです。

 脊柱側わん症をハンディとすることなく、むしろその克服を、むしろ武器して世界のトップに立ったという~。

 

 「トカゲ走法」などと言われ、妙に体をくねらせて走るという謎の走り方をするのが特徴なのですが、それがこの脊柱側わん症の克服から来ていたんですね。

 

 素質で決まると言われるスプリンターですが、様々な工夫と努力は、そんな言葉で片付けられるレベルではありません。

 メンタルの弱さ(大事なレースで失敗する)が指摘されていた時代もありましたが、それをも努力で克服しています。

 3人に共通のことですが、超人は、失意とその克服の経験が凄いですね。どんなにスポーツ科学が進歩し、肉体的な超人に変身しても、精神がそれに伴わなければ結果は出せないようです。

 

 

(2)タチアナ・マクファーデン

 

 パラ陸上の女王、マクファーレン。膝から下が麻痺状態ですが、上体の使い方において、人類の限界を超えているというか、未知の生理作用が行われているようです。。。

 

 上半身の鍛え方がハンパないのですが、これはまだ普通?のスーパーアスリート並み。凄いのは、使うことのできない脚をカバーする働きが脳に起こっているということです。脳にですよ、脳に!?

 

 人間の身体的に不可能と思われることを実現するために、体がその不可能に適応しようとする=超適応という概念が、未来の医学やスポーツ科学では大きな力になるのかも知れません。

 

 

 

 (3)ケレブ・ドレセル

 

 バタフライ100mの世界記録保持者。

 スピードだけでなく、美しく泳ぐことを求めるアスリートですが、呼吸機能に異常ともいえるほどの発達があることが分かっています。

 

 ドレセルの胸鎖乳突筋は常人の1.5倍も大きく、またその機能も、他のアスリートとは違った働きを持っているようです。

 

 ボルトらのジャマイカのスプリンターや、ケニアのランナー達も、腸腰筋が常人の3倍ほど太い!という報告もありますが、特定の筋肉が過度に発達し(発達させ)、特殊な能力を得るというマンガのようなことが実際にあり得るわけですね。