女子5000m予選―
日本勢は、この暑さの中、3人とも自己ベストを更新するものの、廣中選手のみが予選通過―。期待の田中選手は僅か0.4秒ほど及ばす落選となってしまいました。
「たられば」を言ったらキリがないのが<2組5着+5>の予選通過のシステムです。<2組6着+3>であれば、2人とも予選通過でした。
結局、+5は1組から全部出て、2組はゼロ。やっぱりおかしいだろ<2組5着+5>は~。
廣中選手が自分で引っ張ったことでペースが上がり、その結果、自分自身が通過できることになりました。これは◎ですね。
一方、田中選手は、スローペースに付き合い、その中で善戦したのですが、ラストのペースアップが想定以上で着順で入ることが出来なかったという誤算が生じた結果になります。
もう少しだけ速いペースで進んでいれば―。早い段階で廣中選手のように自分で引っ張ったら―。そういう「たられば」が通用しないのがこの世界です。
決してラストがキレていなかったわけではありません。いやむしろ、キレてましたね。ラスト1000mは2分50秒を切ってるんじゃないかな?それでも置いて行かれたわけで、世界は広くて強いです。。。
決勝は廣中選手1人になりますが、もっと良いコンディションの中、入賞はなかなか難しくても、ハイペースで押し通すことで日本記録を大幅に更新することに期待しましょう。
男子10000m決勝―
高温下、一昔前のようなレース展開になりました。
ウガンダの選手が1人、イチかバチかで飛び出す。後ろは追うようで追わない。追わないようで追う。昔はこういう展開がよくあったものですですが、昨今の高速レース時代にはすっかり見なくなりましたね。
中盤で追いつくのは想定内。そして、こういう時、だたい先頭を行くアフリカ勢はレースをリタイアします…。
6000~8000mでもっと荒れるかと思いましたが、そこも温存するくらいコンディションが厳しかったのでしょう。結局は終盤勝負となりましたが、中盤のおかしな展開の中でいかに余力を蓄えておくか~が勝敗を分けたようです。あの「おかしな展開」に付き合ってはいけないわけですね。
日本の2選手は、そういった展開の中で、勝負に入る前段階で千切れてしまいました。グチャグチャにさえされなかった…というのが本当のところです。酷い時は、前半の段階でもっと酷い目に遭いますので。
自己ベストで走ったら金メダルを取れた!というのは論外です。こういう展開のレースでのタイムは、野球のスコアほどの意味しか持ちません。
女子5000mも男子10000mも、日本代表は期せずして若手のみの編成となりましたが、コロナ禍の中で恒例の欧州遠征が2年出来なかったことがけっこう大きく影響したかと思います。欧州では、アフリカ勢を交え、今年に入ってからはこういうレースはやってましたからね。
その点ではみんな、これからでしょう。コロナが解消されたら、世界を転戦してこういう経験を積み増して結果を出していってくれるはずです。