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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 

 中長距離種目ではありませんが~~

 男子400mHで世界新記録が誕生しました!

 

  ノルウェーのワーホルム選手。

  つい最近、29年ぶりに46秒70の世界新記録をマークしたばかりですが、今回は一気に45秒94まで短縮!!

 

 いや、この種目でこんなに大幅に記録を更新できるものではありません。しかも2着以降もかなりの好タイムです。

 距離が短いか、計時が止まってたんじゃないか?と疑うようなレベルですね。

 

  スコアリングテーブルで調べてみたら、400mHの45秒94は1327点。これはフルマラソンの2時間01分00秒くらいに相当するようです。う~ん、2時間切るくらいになるのかと思った。。。ちなみに100mだと9秒65くらいですね。

 

 それでも、20~30年分くらいの進歩を一気に遂げた感じです。。。

 

 

 

 

 

 

  800m・1500mの中距離走~ 昔から「陸の格闘技」と言われています。

 

  オープンコースでハイスピードの展開となるため、ぶつかり合い、接触・転倒等が絶えず、遠慮してたらとうてい闘えない。エルボー上等!密集する中で前の走者のスパイクが脛に当たり血だらけになる~みたいなことも当たり前。

 

 さらには、逆に牽制してスローペースになることも少なくないので、その密集度が増し、リスクも高まります。今回も男子800mや女子1500mで転倒がありましたね。

 

 ほかの選手の転倒に巻き込まれてしまうことも普通にありますが、不可抗力としてそのまま流されてしまう場合と、妨害を受けたと認定されて救済(次のラウンドに進出)される場合とがあります。その境界はけっこう微妙です…。

 

 醍醐味はラスト勝負。

 そしてそのラストスパートに入る前の集団内でのポジショリング(位置取り)が見どころです。抜けている選手はやや後方から大外をまくっていきますが、先頭集団の中で、最短距離を取ろうと内側に入ったところで外側を塞がれて「ポケット」されたり、前を抜こうとしたところで幅寄せ(ブロック)されたりと、格闘技!としての見どころ満載です。

  昔はレース後に本当にケンカしている選手もいましたが、今はさすがにそこまではしなくなりました。

 

 日本は、短距離と長距離はまずまずなのに、この中距離種目では歴史的に世界的な実績がほとんどありません。今回も女子1500m以外に代表を送ることができませんでした。その女子1500mも代表選出は史上初なのですが。。。

 

 ただ、男女ともに今年は日本記録を更新していますし、今年の高校総体(インターハイ)では驚くほどの好記録が続出するなど、先々に対する期待は持てます。ほんの少し前の国内ランキング1位くらいのタイムでは、今はランキング10位以内に入るのがやっとみたいな状況になっているのは良いことですね。

 

 

 

 

 男子3000m障害決勝

 

 三浦龍司選手~7位入賞!です!!!

 

 直前までけっこうな雨が降っており、おそらく湿度の高い厳しいコンディションだったのではないでしょうか。

 かなりのスローペースで始まり、序盤、三浦選手自身が先頭を引く局面がありましたが、これはOK!

 

 当然、中盤からグイグイとペースが上がってくるわけですが、ここは良く、しっかりと堪えました。

 そして終盤、スパート合戦になるわけですが、ここでも思った以上に負けていません。前半、前の方にいた選手達がズルズルと後退していく中、最後の水濠あたりからまくり始め、たぶんラストは9位→7位と順位を上げてのフィニッシュでした。

 

 あまりにスローペース過ぎて、タイム自体は出ませんでしたが、若干19歳にしてこの種目で入賞するとは…!

 

 

 女子5000m決勝

 

 やはりスローペースとなり、廣中璃梨佳選手が先頭を引く局面もありましたが、終盤のペースアップから、本当に堪えました。予選が組で9着ですから、決勝の9着は、入賞を逃したとはいえ、上々も上々!しかも16年ぶりに福士加代子選手の持つ日本記録の更新です!置いて行かれたとはいえ、ラスト、かなりキレていますね。

 

 金メダルのハッサン選手は、1500・5000・10000mの3冠狙いというとんでもない目論見を持っていますが、ラストに自信を持っていますので、ケニア・エチオピア勢は本来、スローペースに持ち込んではいけない局面だったのですが、、、おそらく分かっていても押せないくらいの悪コンディションだったのでしょう。

 逆に、その中での日本新ですから、廣中選手は立派です。高校時代からのトレードマークである帽子を途中で脱ぎ捨てましたが、高湿で蒸れて仕方なかったかな?

 

 2人とも、スローペースからのスパート合戦という、世界の戦い方を経験できたことは大きいですね。しかも、そのスパート合戦も、決して負けてはいませんでした。

 

 

 

 男子3000mSC・女子5000m決勝~このあとすぐ!

 

 男子3000mSC決勝

 三浦龍司選手~予選より少し速いペースで進み、集団から零れることなく、日本新記録の更なる更新で5~6位当たりを狙っていく!というのが青写真でしょうか。

 それほどスローペースになることはないと思うのですが、こればかりはやってみなければ分かりません。1~2周目が思いのほか遅ければ、三浦選手自身が前に出ちゃっても良いかも知れませんね。

 

 速いペースになっても、2000m過ぎくらいまでは間違いなく先頭集団付近にいるはずです。そこからですね。  

 

 

 女子5000m決勝

 1500mの予選を見ちゃうと、ああ、田中選手が残っていればな…的な気分になってしまうのですが、、、

 さて、廣中選手~ 正直、ラスト勝負に持ち込んで8位入賞を狙う…というのは少し厳しいかも。

 しかし、展開が良ければPBどころか福士加代子選手の持つ日本記録の更新も十分に可能です。てか、まさにそこ!ですね。

 

 その展開~多少スローペースになっても、むしろ廣中さんには適正ペースになるくらいでしょう。

 それよりも、もっと速いペースになった時に、どこまで着いていき、どこからどれだけ凌げるか!?です。

 3000mを8分50秒くらいで通過して、そこから粘る感じかな。。。

 

 上手くいくと、日本新記録を2本続けて見ることができるか!!

 

 

 女子1500m予選

 

 すげ~!! 

 田中希実選手!日本新記録で準決勝進出~卜部蘭選手もPB更新です。

 

 3組6着+6ということで、1組目から、主力は流してラストをちょこっと上げるというオーソドックスな展開になりました。

 2組目も同様ですが、卜部選手にとってはそれがちょうど理想的なペースにハマり、最後も頑張って9着フィニッシュでPBを3秒近く更新!惜しくもプラスでの準決勝進出は逃しましたが、十分な闘いぶりでした。

 

 3組目の田中選手はスタートから先頭に立ちましたが~1組・2組の展開を見て、まず自らハイペース誘導に入ったという感じですね。それがハマり、ラスト1周のスパート合戦にも十分に対応し、結果的に理想的なペースで、4分02秒33という、ほんの少し前まではちょっと考えられなかったような水準の素晴らしい日本新記録となりました。

 

 3組目だけハイペースになれば、日本記録水準のタイムでプラスで予選通過もあるか!?~とか思っていましたが、堂々、着で入りました!

  

 準決勝はもう少し速い展開になるでしょうが、集団の中盤くらいに食らいつき、もっと激しくなるスパート合戦に対応して更に日本記録を更新してもらいたいところです。

 

 <陸の格闘技>と言われる1500mですが、やはり接触や転倒がけっこうありましたね。"女王"ハッサン選手の転倒はビックリでしたが、すぐに立ち上がり、あっという間に追って結局先頭でフィニッシュというのは、いかに予選とはいえ、もっとビックリです。