人間、誰しもミスをします。
必ずです。
楽器演奏にも当てはまります。ですから、ミスには寛容でありましょう。
しかしながら、音楽の意図を限りなく正確に表現するために、最小限のミスで留めたいのも事実。
この時、どう考えて練習すればらいいでしょうか?
人間の脳は否定形が苦手
ここで問題です。
ピンクの象さんを思い浮かばないでください。
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どうですか?頭の中にピンクの象さんが一旦出てきたのではないでしょうか?
このように、人間の脳は否定したいことを一旦出現させるのです。
つまり、「ミスをしないようにしよう」というやり方は、一旦ミスを脳内に出現させるのです。
これでは、ミスをするために「ミスしないようにしよう」と考えていることになってしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか?
肯定文で考えると正確性が上がりミスが減る
肯定文で考え続けると正確性があがります。
「ミスをしない」ではなくて、
「ここは、こうして、こうやって、こうするんだ」と肯定文でプランを立ててやり切ります。
しかし、こうして演奏したとしても練習の過程ではミスがでます。
しかしながら、それは「良い情報」です。
プランの通りにやったら、思ってたのと結果が違ったわけですから、そのプランには変更や修正が必要になります。
そして、変更や修正をしたプランを「ここは、こうして、こうやって、こうするんだ」と肯定文で実行。
そして結果を再び検証する。
これを繰り返すことで、その部分の演奏の仕方=体と心の使い方を知り、身につけていくことが可能です。
吹き直しをやめると正確性が上がる
同じように、吹き直しをやめることで正確性も上がります。
「あ!間違えた!」とすぐさま吹き直し成功しても、「一旦間違えてから成功する」というパターンが脳に刻まれるからです。
怖っ
では、どどうすれば良いのでしょうか?
- たとえ途中で間違えたとしても、吹くと決めたところまで、吹き切りましょう。
- また、どうしても止まってしまった場合は、15秒ほど間をとって、考えを整理して、少し遅いテンポでおさらいをしましょう。
こうすることで、正確性が上がっていきます。
ミスをしない決意より、音楽を届けようとする内的モチベーションが大切
そうはいっても人間はミスをする生き物です。特に演奏会などステージの上では、思わぬことが起こるのが常です。
しかしながら、本当にミスのない演奏なんて、世の中にあるのでしょうか?
そして、ミスをなくすために、音楽演奏の大切なことを犠牲にしてはいないでしょうか?
そして、ミスが本当になくなってしまったら、その先の成長はあるのでしょうか?そんな音楽はより広く私たちの心を動かすでしょうか?
それよりも、「この音楽が言いたいことはなんだろう?」「そのためにはどんな技術が必要なのだろう?」と考え、それらを実現しよう!という意欲こそが練習に必要なのです。
そのための、内的モチベーションと好奇心が湧き出る練習方法が、音楽という目に見えない芸術に取り組む上で大切だと考えます。
まとめ
いかがでしたか?
ミスは怖いです。恥ずかしいです。
でも、どんなスーパースターもミスをします。
私はアムステルダムのコンセルトヘボウの大ホールで、コンセルトヘボウ管弦楽団の主席奏者がミスするのを直に聴きました。
しかし、音楽の流れや意図は変わることなく、聴き終わった後にそのミスが彼の素晴らしい演奏を否定するものにはなりませんでした。
ぜひ、肯定文で脳を味方につけて、建設的な練習をし、いきいきと音楽を奏でましょう!
ミスをチクチクいう人は放っておきましょう。
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