トルストイとドフトエフスキー。

どちらもロシアの作家で、世界に誇る文豪です。


私はキリスト教の正教会に興味があるので、2人の本を読むのが好きです。

トルストイは、「アンナ•カレーニナ」や「戦争と平和」

貴族の生活を中心とした華やかで壮大な物語。


一方、ドフトエフスキーは「罪と罰」や「悪霊」、「カマラーゾフの兄弟」

アウトローな人物を中心としたサスペンス物語。


2人は育ってきた環境から、まったく違う小説を書いてきました。


物にあふれた社会で生きていたトルストイ。

欲望に流さられず、心の平安を求めてより善く生きることを追求しました。


ドフトエフスキーは、法律やルールを超えた、「超人」的な生き方を探しました。


トルストイは、自然とともに生きることをなげかけました。


ドフトエフスキーは古い法律や宗教を超えた生き方を問いました。


こうしてみると、トルストイは自分を律すること。

ドフトエフスキーは、自分を解放することを大切にしてきたようです。


2人ともロシア正教会の影響を受けた作家です。

正教会では、本来の自分にあった生き方を大切にして、それ以外の生活を「罪」とします。

大切なことは、自分らしく生きることであって、反対に的外れな生き方を罪の生活と呼んだのでした。


さて、現代の日本。

モノに囲まれている点では、トルストイが参考になります。

でも世間体や古いルールに縛られているところでは、ドフトエフスキーが役に立ちそうです。