台風シーズンになるや、その合間に地震も増える傾向にある。つい最近も宮城県沖を新家にM6.1の地震が発生して緊急地震速報が発令された。今年は何と(緊急地震速報が)多いことか。茨城県周辺など、その他の地域でも増えるばかりだ。
地震だけではない。火山活動も活発化している。鹿児島県の口永良部島では10日頃から火山性地震が頻発。同日だけでも206回に達した。昨日(16日)からは霧島連山の新燃岳でも急増。15日の16回から、16日は127回、17日も午前11時までに91回となっている。警報の発令は九州の山々だけでも下記の如くである。
◆口永良部島 令和元年 火口周辺警報 噴火警戒レベル3
◆霧島山(新燃岳)令和2年 火口周辺警報 噴火警戒レベル2
◆薩摩硫黄島 令和元年 火口周辺警報 噴火警戒レベル2
◆諏訪之瀬島 平成19年 火口周辺警報 火口周辺危険 噴火警戒レベル2
◆阿蘇山 令和2年 火山情報 噴火警戒レベル1
桜島の噴火も拡大の一途にある。今年(2020年6月4日に)南岳山頂火口で起きた噴火活動に伴う噴煙は高さ7850~9570メートルに達した。これは1955年10月の観測開始以降、最大の噴火であった。
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九州地方の山々が騒がしい。霧島連山の新燃岳や硫黄岳の鳴動に続いて今度は桜島である。元より桜島は日本列島を代表する現在進行形の活火山とはいえ、この数年来、活動規模を拡大している。最近でも、姶良カルデラ地下深部へのマグマ供給が継続しているとして、爆発的噴火への警戒を呼び掛けているという。
直近では昨年の5月1日にもあった。噴煙は高度4100mに達し、これは観測史上7位に相当。今年(6月)の噴火で抜かれはしたが、それまで最大の噴火(噴煙は高度5000m)も2013年8月18日に発生しており、この数年に集中する傾向にある。現地では恒常的であり、取り立てて騒ぐ規模ではないものの、この桜島の爆発的噴火は各年代の大地震とも深く関わっているのだ。
(2013年の桜島噴火)
20世紀を代表する噴火に1946年の昭和噴火がある。この年は1月から爆発的な噴火を始め、北部集落を埋め尽くすなど、島全体に甚大な被害を及ぼしてゆく。この前後には大地震も頻発していた。戦時下で情報の多くは隠蔽されたものの下記の通り巨大地震の真っ只中にあった。
◇1944年12月07日、東南海地震、M8.2
伊豆から紀伊に大津波、死者行方不明1223名
◇1945年01月13日、三河地震、M6.8
終戦前で実態は不明ながら、家屋倒壊多数で、死者行方不明は2306名に達したとされる。
◇1946年12月21日、南海地震、M8.4
房総から九州に大津波、死者行方不明1443名。
(昭和東南海地震↓)
火山噴火ではないが東日本を襲った大地震も西日本の鳴動期と深く関わっている。
◇関東大震災(1923年09月01日、M7.9)は、直前に島原地震(1992年12月08日)、九州南東沖地震があり、その後、間もなく発生した。
◇十勝沖地震(1968年05月16日、M8.3)は、えびの地震(同年02月21日、)、日向灘地震(同年04月01日)と、ふたつの九州地区での大地震に続いて発生している。
東日本大震災(2011年03月11日、M9.0)は、沖縄本島近海地震(2010年02月27日)、小笠原諸島西方沖地震(同年11月30日)、父島近海地震(同12月22日)に続く発生であった。
このように、20から21世紀にかけて東日本を襲った大地震は、何れも九州(西日本)方面の火山噴火や大地震と直結しているように見える。
因みに、桜島最大の噴火は1914年01月12日の大正大噴火といわれ、この噴火で噴煙は1万メートルに達して大隅半島を陸続きにした。しかも同日にはM7.1の桜島地震まで発生している。
この噴火に前後しても、仙北、石垣島西方、十勝沖、宮城県沖とM7超で発生。しかも大地震は日本列島だけにとどまらない。1910年にはバヌアツでM8.5、M8.0と連発し、1913年にはインドネシアでM8.5、1915年にはマリアナでM8.0と巨大地震が相次いだ時代でもある。インドネシア、中・南米、オホーツク、南太平洋、それに日本と、僅か数年の間に巨大地震が発生する状況は今現在と瓜二つではなかろうか。
巨大地震は社会の混乱期に限って多い。関東大震災は、スペイン風邪、大恐慌と災厄続きの真っ只中であった。東日本大震災もリーマンショックで景気後退の渦中である。やはり、地象や気象、それに我々の社会活動も、時間といった器の中では全て繋がっているのだろうか。この先、何事もなければ良いが。
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《《《追記》》》
(西北西から東南東に連なる波状雲)
昨日、こうした雲が出ていた。秋到来を告げる雲ではあるが、それだけではない。磁場が活発になっている証でもある。この先、関東地方でも、やや?揺れるかも知れない。