『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2017年/タイ映画/130分
監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン/チャーノン・サンティナトーンクン/ティーラドン・スパパンピンヨー/イッサヤー・ホースワン/タネート・ワラークンヌクロ/ウライワン/カンジャナ/サハジャック・ブーンタナキット/サリンラット・トーマット

2018年 第34回 やりすぎ限界映画祭
2018年 ベスト10 第4位:『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
やりすぎ限界グランプリ/やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン


やりすぎ限界女優賞:イッサヤー・ホースワン


[「実話」を基にした「創作」]




「実話」を基にした「創作」として「実際に起こったカンニング事件をモチーフに製作」されたと調べたが、どの「部分」が「実話」「実際に起こったカンニング事件」なのかが気になった。




『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』を初めて見た時、「きっと」高校内で、「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「親友」グレース(イッサヤー・ホースワン)が、「極限の美」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)と組んだ、カンニング「ピアノのレッスン料」「4つの曲」辺りの「部分」が「実話」なんじゃないかと思った。




「ところが」、「真実」を思い知ってあまりの「ショック」「衝撃」に「はうあ!!!」 『ある国の学生たちが時差を使って別の国に行きカンニングをした』「最期」こそが「実話」。「フィクション」とするため「STIC」という表記に変更されてるが、実際は「2014年」「米国留学への条件となる大学進学適性試験(SAT)で、中国と韓国の学生多数によるカンニングが発覚」した事件が基だった。




■「学校へのワイロと
  同じようなもんだ」
 「ワイロって?」
 「まさか知らないの?
  頭の悪い奴ほど払ってるぜ」
 「うちは40万
  パットのパパは
  パソコン20台」
 「私には奨学金が」
 「それは学費
  他にも金がかかる」





「一体どんな人間が時差を使って別の国に行きカンニングをしたのか?」という「創作」が『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』。「怖さ」にビビって「泣きながら」「震撼」「驚愕」「圧倒」「絶句」で大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

[「タイ」のことを「全く知らなかった」]






全ての人間が「この世の全てのことを知り尽くす」など「絶対不可能」。人間に共通で与えられた時間はこの世の誰もが「1日24時間」。睡眠時間を差し引いた与えられた時間内に、「何を知り」自分の生きる目的に生かす知識にするか、全ての人間が「知ること」を「選択」して生きてる。




目的が明確であるほど「必要な知識」「不要な知識」も明確になる。目的遂行のために知らねばならない知識を「最優先」で「選択」して知っていくと、人それぞれの「信念」「価値観」「倫理観」によっては「何でこんなことも知らないんだ!」と言われるようなことが起きる。「当然」だろう。自分に「必要な知識」しか「知ること」を「選択」してないから。




■「学校で稼いでるのは
  私だけじゃないわ」
 「何ですって?」
 「父が支払った
  ワイロのことです」
 「ワイロではありません
  学校の維持費です」
 「それは授業料で
  賄えないんですか?」





という訳で「タイ」のことを「全く知らなかった」「言い訳」。完全 “本物” の「アル中」+「酔っ払ってた」「寝ぼけてた」「体調が悪かった」程度でしか生きてこなかったから、「タイ」の国名は聞いたことあったが実際どんな国か「全然」「知らない」。「最近」まで「タイ」と「台湾」の違いも「ごちゃ混ぜ」になってたほど「無関心」「完全無意識スルー」。あまりに「超てきとう」「超不真面目」「超いい加減」だった「為体」は、いくら「反省」「懺悔」「償い」してももはや追いつけない。




「タイ」「台湾」「シンガポール」「インドネシア」………… の辺り、どの国がどんな文化か実は「違い」を「全然」「知らない」。現代「タイ」の国内風景を「初めて」見て「反省」「懺悔」「償い」。『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が「タイ」について調べる機会を僕に「また」与えた。

[「格差社会問題」]




何で「タイ映画史上歴代No.1の大ヒットを記録!」だったのか? 調べて思い知ったのはタイの「格差社会問題」。格差社会は日本だけ「じゃなかった」。だが格差社会と言っても種類があり、格差の内容は一括りに「全世界共通」じゃない。タイの学歴社会の格差は日本の学歴社会など足元におよばない級「壮絶極まりない」かもしれない。




「WFP アジア太平洋地域事務所」で実際タイ在住の「兼光由美子」さんの「論説」「タイ社会と教育格差著書」を読み「震撼」「驚愕」「圧倒」「絶句」で「大きい方垂れ流し」。「壮絶極まりない」「格差社会問題」を生み出す「記憶力重視の教育」の実態を思い知らされた。




さらに調べるとカンニング不正事件は「2014年」だけじゃない。しかも「タイ」だけじゃなく「中国」「韓国」まで拡がり、「今」なお組織的に行われてて「絶対根絶できない」まで根深い実態を思い知る。中国の格差社会は日本と「文化」「価値観」「考え方」が異なり、「中国人は教育を、勝つか負けるかのゲームのように考えている。カンニングは公平なゲームの戦い方だと思われている。恥ずかしいという意識は全くないし、何年も行われてきた」こと思い知って「さらに」「震撼」「驚愕」「圧倒」「絶句」で「大きい方垂れ流し」。






「何となく」「タイ映画史上歴代No.1の大ヒットを記録!」理由、「格差社会問題」の背景で「大人の不正」が「絶対許せない」リンが「反抗」した動機を解かった「気がした」。

[『ミッション:インポッシブル』シリーズ]




「タイ」の「格差社会問題」を基に「フィクション」を構築。「この題材を使って、スパイやアクションの要素をもった映画作品を撮りたいと思った」「ナタウット・プーンピリヤ監督」のアイデアが「かなり」「大成功」。「絶対ありえない」「絶対あってはならない」「カンニング映画」を「超絶面白い」もう殆ど「アクション映画」に豹変させた。






「鉛筆印刷」なんか「こんなうまく行かねぇだろ」と「突っ込みどころ」も多少あるが、「最初」の「靴」のカンニングから「最期」の「STIC」まで、『ミッションインポッシブル』シリーズもぶっ飛ぶ「スパイ映画」級「半端じゃない」「緊迫感」「スリル」「サスペンス」「超心臓に悪い」「怖さ」に「泣きながら」ビビッて震え上がり、大きい方を漏らしたあげく「出るもの全部出て何も出るものがなくなった」。

[「自分が他人にしたことは、いずれ全部自分に返ってくる」]






だが人間「一度悪いことしたら」「悪いことから抜けられなくなる」。この世の「戦争」が「今」なお消えないように、「復讐の連鎖」が永遠に終わらないように、「悪いことしたら」「自分が他人にしたことは、いずれ全部自分に返ってくる」。




一度「不正」をしたら、どうして「不正」を繰り返すようになり「止められなくなる」か、『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』は「反面教師」の恐るべき極限のくそリアリズムを見せた。






「最期」の「STIC」でリンは「泥沼」から抜けられなくなるが、「もっと前に止めとけよ」「もっと前に気づけよ」と、見てて「突っ込みどころ」も多少あるが、『ミッションインポッシブル』シリーズもぶっ飛ぶ「スパイ映画」級「半端じゃない」「緊迫感」「スリル」「サスペンス」「超心臓に悪い」「怖さ」が「超絶面白い」「アクション映画」で「ガン見」。

「最期」リンが「間違い」に気づいて「完全共感」「超安心」。




画像 2022年 10月