日記「今日見た映画 2017」61『沈黙 -サイレンス-』 | やりすぎ限界映画入門

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■『沈黙 -サイレンス-』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2016年/アメリカ=イタリア=メキシコ映画/162分
監督:マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド/アダム・ドライヴァー/浅野忠信/キアラン・ハインズ/窪塚洋介/笈田ヨシ/塚本晋也/イッセー尾形/小松菜奈/加瀬亮/リーアム・ニーソン/遠藤かおる/井川哲也/PANTA/松永拓野/播田美保/片桐はいり/美知枝/伊佐山ひろ子/三島ゆたか/佐藤玲/洞口依子/藤原季節/菅田俊/寺井文孝/大島葉子/青木崇高/SABU/渡辺哲/AKIRA/田島俊弥/北岡龍貴/中村嘉葎雄/高山善廣/斎藤歩/黒沢あすか

■2017年 劇場公開作品 61本目

まず、「遠藤周作」の『沈黙』を読んでないこと、世界中で「13ヶ国語」に翻訳され、戦後日本文学の代表作として高く評価されたなど「知らなかった」ことに、「反省」「懺悔」「償い」。「マーティン・スコセッシ監督」の「念願の企画」と思い知って大きい方を漏らすしかなかった。

僕自身「宗教」の知識には殆ど疎く、仏教徒「ではあるが」、子供の頃「ご先祖様」の「墓参り」でお寺に連れて行かれた程度の「不真面目」さ。「宗教家」でもない僕が、「宗教」について書くことにはとても「抵抗」がある。なので「解からない」なりの感想しか書けない。

さらに僕には「キリスト教」の知識が「皆無」。「キリスト教」の「信仰」について意見を言うことは全くできない。なので「信仰」というものを、自分にも理解できるものに置き換えてしか考えられない。

「キリスト教」に限らず「信仰」とは、「宗教」に限定せず、「広い意味」で、何かを信じる「信念」「価値観」「倫理観」にも考えられると思う。「他人のことを考える人間」「他人のことを考えない人間」について僕自身がどう考えるか、というようなことに置き換えてなら考えられると思った。自分が生涯を懸けて信じてたものを「捨てろ」と言われ、捨てることができるか? という視点で『沈黙 -サイレンス-』を見た。

「もし」「仮に」僕が、「他人のことを考えない人間」の「不正」を「正しいこと」だと人に教えると誓わなければ、目の前で「穴吊り」にされた「5人」を殺すと言われたら、「5人」を殺してまで僕は「信念」を貫けるだろうか? 「他人のことを考えない人間」の「不正」が「正しいこと」だと「本心」に思わなくとも、僕は誓うだろう。だが「言葉」が「本心ではない」ことが「伝わってほしい」と、心の中で「生涯」祈り続けると思う。

「もし」「仮に」、何かのアルバイトなどをして、上司の「不正」を後輩に「正しいこと」だと教えろと強要されたとしたら? 「もし」「仮に」、逆らえばシフトを削って「自主退職」に追い込むことを仄めかされたとしたら? 泣く泣く苦しい言い訳を考え、上司の「不正」を正当化するしかないかもしれない。「棄教」ほど壮絶ではないが、「信念」を「捨てる」似た心境だと感じた。

■「キリストが ここにいたら…
  キリストは-
  彼らを救うため
  棄教したはずだ」
 「キリストは ここにいる
  声が聞こえぬだけ…」
 「お前の愛を見せろ
  主が愛する人々を救え
  教会の裁きより
  もっと大切なことがある
  今まで誰もしなかった
  最も辛い愛の好意をするのだ」

「キリスト教」を知らない人間に「棄教」の「重さ」は解からない。だが「今まで誰もしなかった 最も辛い愛の好意をするのだ」は、理解できたと思う。

■「それでよい
  よいのだ
  踏みなさい
  お前の痛みは知っている
  私は人々の痛みを分かつため
  この世に生まれ
  十字架を背負ったのだ
  お前の命は私と共にある
  踏みなさい」

「キリスト」がどんな人か殆ど知らないが、この状況で「踏みなさい」と言えないなら、目の前の人間の「救える命」さえ救えない者を「偉人」とは思えないと思った。




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画像 2020年 5月