回顧録「いつか見た映画 1991」52『プロヴァンス物語 マルセルのお城』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『プロヴァンス物語 マルセルのお城』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

1990年/フランス映画/99分
監督:イヴ・ロベール
出演:フィリップ・コーベール/ナタリー・ルーセル/ジュリアン・シアマカ/ジョリ・モリナス/ジュリー・ティメールマン/ジャン・カルメ

■1991年 劇場公開作品 52本目

「1作目」『プロヴァンス物語 マルセルの夏』が「ものすごく面白かった」記憶は残ってるが、「2作目」『プロヴァンス物語 マルセルのお城』がどんな話だったかの記憶が殆どない。覚えてないのは、「これ以上幸せになれない家族」の「ものすごく幸せな話」が、「不幸」な終わり方をしたからだったような記憶が「うっすら」ある。

「28年間」の時を経て「2回目」を見直して調べ、「初めて」「今」、『プロヴァンス物語 マルセルの夏』『プロヴァンス物語 マルセルのお城』「2部作」が、「実話」だったことを知った。フランスの「小説家」で「映画監督」の、「マルセル・パニョル」の自伝を基にした映画だった。

映画少年になったばかりの頃、僕にとって映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『グーニーズ』しかなく、『愛と宿命の泉 PARTⅠ フロレット家のジャン』『愛と宿命の泉 PARTⅡ 泉のマノン』は「映画ではなかった」。「カンヌ系」の難解そうな映画からはとにかく「逃げた」。『愛と宿命の泉』「2部作」のタイトルが記憶にあるのは、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「エマニュエル・ベアール」の姿を覚えてるからで、「マルセル・パニョル」が『愛と宿命の泉』「2部作」の原作者だったと知りおしっこを漏らした。原作『丘の泉』を書いた「マルセル・パニョル」の、「忘れられない夏休みの思い出」を映画化したのが、『プロヴァンス物語 マルセルの夏』『プロヴァンス物語 マルセルのお城』だった。

「2作目」に「記憶がない」理由の一つは、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「ジュリー・ティメールマン」の前で、マルセルが「犬」になったからだと思う。だがこの理由には「今」価値観が変わり、「28年間」の時を超え「ガン見」になった。「今」の視点で『プロヴァンス物語 マルセルのお城』が、僕には忘れられない映画に変わった。

「女は子供の頃から女」という言葉をどこかで聞いた。僕は思春期になって女にモテなくなるが、「性」に「完全覚醒」する前の幼少期、女の子と遊ぶのが大好きだった。理由は運動できないので、男と遊ぶのに「苦しみ」を感じてたから。子供の頃は積極的に女の子の家に遊びに行ってたことを思い出した。

僕は「バッタ」を食わされたことはないが、「犬」になったことは数回ある。「弟」「父」「母」「親戚」「友達」に、マルセルが「犬」になったことを糾弾されるシーンを見て、「28年前」「21歳」の僕は、自分の過去の「人生の不祥事」を、忘れたい「恥」と思ったのかもしれない。「犬」になったマルセルを見て僕の記憶が甦った。

「女は子供の頃から女」。すでに幼い子供の頃から、女は男を「下僕」にしたい本能があるのか? 僕自身も幼少期体験した「真実」に、「今」の視点で「ガン見」になった。大笑いしながら涙が出てた。

僕は「10代」の女性に魅力を感じない。あまりに若過ぎるのは好みじゃないが、「ナタリー・ポートマン」や「ダコタ・ファニング」のように、「将来」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” に成長するであろう「極限の美」は見極められる。マルセルを「犬」に変えた「ジュリー・ティメールマン」も、まさにその一人だと思った。

「2作目」に「どんな話だったかの記憶が殆どない」のは、「21歳」の僕に「マルセル・パニョル」の「実話」など興味なかったからだろう。「1作目」『プロヴァンス物語 マルセルの夏』の、「本当は俺もこうなりたかった」「ものすごく幸せな話」しか、視界に入らなかったのだと思う。

「マルセル・パニョル」の「忘れられない夏休みの思い出」の「実話」は、「恋人」にしたいほど「極限の美」だった「母親」、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「ナタリー・ルーセル」への想いだった。「忘れられない夏休みの思い出」とは「母親の思い出」。「28年間」の時を超え、『プロヴァンス物語 マルセルの夏』『プロヴァンス物語 マルセルのお城』「2部作」がどんな映画かを初めて理解した。「最期」の衝撃に「かなり」涙が出た。




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「いつか見た映画 1991」51『プロヴァンス物語 マルセル…』
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「いつか見た映画 1991」53『客途秋恨』
「いつか見た映画 1991」54『ムーンリットナイト』
「いつか見た映画 1991」55『ダリ天才日記』
「いつか見た映画 1991」56『英国式庭園殺人事件』
「いつか見た映画 1991」57『グリフターズ 詐欺師たち』
「いつか見た映画 1991」58『メンフィス・ベル』
「いつか見た映画 1991」59『レナードの朝』
「いつか見た映画 1991」60『幕末純情伝』
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画像 2019年 7月