回顧録「いつか見た映画 1991」59『レナードの朝』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『レナードの朝』
☆☆☆☆★★[90]

1990年/アメリカ映画/120分
監督:ペニー・マーシャル
出演:ロバート・デ・ニーロ/ロビン・ウィリアムズ/ジュリー・カヴナー/ルース・ネルソン/ジョン・ハード/ペネロープ・アン・ミラー

■1991年 劇場公開作品 59本目

「淀川長治先生」は『わたしは映画からいっぱい愛をもらった』で、「非常にデリケート」「二人の演技をワンカットワンカット、じっくり見て楽しむのも、映画の粋な見方」と「賞賛」、「ビートたけし」「北野武監督」は『仁義なき映画論』で、「患者に新薬をやたら投与するなんて熱血医どころか危ねえヤブ医者だぜ」「薬害が騒がれている時代なのに、いい加減な知識で新薬を試す医者を主人公にするって感覚もわからないしさ」と「攻撃」。「鶏」くらいしか脳みそがなかった僕が、「どちらが正しいか判断できなかった」思い出を、「約30年間」の時を経て「再確認」した。

『レナードの朝』は「オリバー・サックス」という実在の医者の著書の映画化で「実話」。「オリバー・サックス」の薬物投与に関して、現在も賛否両論がある。

1988年『レインマン』でアカデミー主演男優賞を受賞した「ダスティン・ホフマン」が見せた、「サヴァン症候群」の芝居が全世界を「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」させた、リアルタイムの時代だった。全世界に「圧倒的存在感」で君臨してた「ロバート・デ・ニーロ」が、「ダスティン・ホフマン」に「勝ちたくて」、「やる気満々」だったようにしか当時の僕には見えなかった。

どこまで本当に「実話」かは知らないが、薬の量を上げてくシーンは「怖さ」を感じた。だが「二度と話すことができない」と思った「嗜眠性脳炎」の患者20名が、普通の人間に回帰するシーン、「ペネロープ・アン・ミラー」と「ロバート・デ・ニーロ」がダンスを踊るシーンでは涙が出た。

医療の「実験」、「新薬投与」が、どこからどこまで「安全」「危険」かの判断は素人にできない。だが見てて「別に死んでもいいだろう」という「悪意」の、残虐な意識での投与ではなかったので、『レナードの朝』が悪くは見えなかった。「何もしないまま」、ただ死んでくのを見つめてるだけでの状態で、「善意」からの「新薬投与」だった。だが「後遺症」が出るかを、冷静に観察しながらでなければならないだろうとは思った。

だがやはり、「やる気満々」だった「ロバート・デ・ニーロ」の芝居に「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」。「やってみろ」と言われて真似できるレベルではない。「ロビン・ウィリアムズ」と「二人の演技」は凄かった。また「ペネロープ・アン・ミラー」が “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” だと「見逃してた」ことを「反省」した。


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「いつか見た映画 1991」51『プロヴァンス物語 マルセル…』
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「いつか見た映画 1991」54『ムーンリットナイト』
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「いつか見た映画 1991」57『グリフターズ 詐欺師たち』
「いつか見た映画 1991」58『メンフィス・ベル』
「いつか見た映画 1991」59『レナードの朝』
「いつか見た映画 1991」60『幕末純情伝』
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画像 2020年 1月