今年のお年玉で買いたいものって何? ブログネタ:今年のお年玉で買いたいものって何? 参加中
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http://www.youtube.com/watch?v=kmpJzA2wqTs

 SONYのオーダーメイドファクトリーを以前から利用していて、リイシューCDに散在している昨今なんだけれど、自分のためのお年玉プレゼントというか、先日待ちに待った『山本達彦 1978-1981』が手元に届いた。今では入手困難な山本達彦のフィリップス時代の1st~3rd+シングル・カップリング、おまけにオレンジのシングルまで収録した初期音源網羅のボックス。これは買うしかないでしょう!と即予約していたのだけれど、随分と淡白なボックスの仕上がりでかなりがっかり。凝り性の田原春樹さん(山本達彦のプロデューサー)が全面的に手掛けていたらこんなことにならなかったのでは? 達彦さんのライナーっていうのもペラ1枚だものなぁ…。せっかくの機会なんだし、達彦さん自身が執筆することに限界があるならばインタビューをするとか、それこそ田原さん自身がテキストを書けばよかったのだ。もしくは『夜のピアノ』の書かれている1st~3rdの部分を抜粋するとかね。オーダーメイドファクトリーは完全予約制リイシューCDだから、そりゃ購入するひとはそれなりに山本達彦のファンなのだと思う。でも僕はレコードというのは記録であるとともに資料的側面も自ずと持っていると考えるから、過去のものを今一度リイシューというかたちで再リリースするならば、改めてその資料価値を現時点の視点で語ったテキストなどが付随するというのはごくごく当然だと思う。僕などはむしろそれを楽しみにしていたのだ。もっとも『突風』『メモリアルレイン』『ポーカーフェイス』をCDで聴けるというだけでも素直に喜ぶべきか…。

$北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

 僕が山本達彦を聴きだしたのは中学時代。周りに聴いているひとはいなかったけれど、FMではよく耳にしていたし典型的な“アルバムアーティスト”だった。背伸びしてFM雑誌などをチェックしてエアチェックしていると、シングルヒットはないけれど(チャート番組には登場しないけれど)アルバムは確実に売れるアーティストというのが確実にいることに気づく。安部恭弘、伊藤銀次、大貫妙子、尾崎亜美、角松敏生、濱田金吾、村田和人、ムーンライダーズ、山本達彦っていう人たちはラジオで存在を知り好きになった人たちである。その中でも山本達彦はメジャーな存在じゃなかったかな? 僕が聴きだした頃は特に東芝EMIの全盛期だったし、コーセー化粧品のCMソングをいくつも手掛けていたし、FM東京土曜13:00~のエアチェックアイテム「コーセー化粧品歌謡ベストテン」をエアチェックしていると必ず耳に入って来たし。モダンなサウンドとその声色にハマってしまった。そしてハードボイルドな大人の歌詞の世界。自分も20代になったら、沖合にクルーザー停めて背中の空いたドレスの女性とカクテルを飲みながらアバンチュールな一夜限りの愛を…みたいなものが待ち受けているのかと勘違いしていたのだが、それはあくまで歌の世界だけなのであった(笑)。バブルもはじけた僕に待ち受けていたのはそれまで夢にみていた世界が来ないってこと。と同時に、それまで聴いていた虚構の音楽がバカバカしく思え出した。そんな中、当時大江千里が書いた詩世界は僕にとって現実だったし、村上春樹や村上 龍なんかの小説と同様に大江千里の言葉に陶酔していくことになるわけだけれど、山本達彦の音楽は急激に僕の中でイミテーションになってしまい離れていくことになる。杉山清貴、カルロストシキ、オメガトライブ絡みのものもみんなそうだね。歌はメッセージソングであるべきであり、リアリティがないと駄目じゃないかと真面目に思い込んで生きて来た。でもそれじゃつまらないって思い出したのは30代に入ってから。何を持ってリアリティとするかがグラついたし、相変わらず邦楽の歌詞っていうのは洋楽の訳詞と比べると歌っている世界が狭くてパターン化しているのは感じるけれど、かといっても、洋楽の歌詞もくだらないものが多いしね。

 たとえ虚構でもたしかに夢や浪漫はあった。今の視点(いや、あの頃もあったけれど)でバカバカしい描写と思える部分があっても、それでも酔える音楽は良い。山本達彦は確実に酔わせてくれる。シンセを多用した東芝EMI時代の音源は特に僕にとっての“80年代のパースペクティブ”だ。それを実感するようになって30代後半から彼の音楽がまた恋しくなって来たのである。と同時に随分と手放してしまってベスト盤しか残っていないことにも気づき、また少しずつ集めだしたのだ。そしてそのとき気づいたのは当時あれほど中古レコード屋にあふれていた山本達彦のCDなりレコードがあまりなくて、しかも値段が高くなっているという事実(とはいえ、中古市場では高騰している部類に入るひとではないけれど)。フィリップス時代は『ポーカーフェイス』はともかく、最初の2枚を探すのは今は大変になっているかも。オレンジなんていまだに現物のシングルを僕は観たことがない。当時は写真集まで発売されるほどポップス界の貴公子と言われていたときのひとだったながらも、今みたいにインターネットなんてない時代、ディスコグラフィを把握するのがもの凄く大変だった。そんなときに役立ったのが小学館から刊行された自叙伝『夜のピアノ』。現在もアンコールの最後に「夜のピアノ」を演奏しているようだけれど、『ポーカーフェイス』のラストを飾る曲でもある。

 自叙伝『夜のピアノ』を読むと、加藤和彦同様に生まれたときから差がついているひとだなぁ、と思う。プロデューサーである田原春樹とは学生時代からの長い付き合いであることもわかるし、かの渡辺香津美とも同学年の同級生であり、1st『突風』で渡辺香津美がアレンジ、香津美バンドがバッキングしている曲がある謎も解ける。でもこの本がなかったら僕もまったくもって山本達彦というひとのバックボーンを伺い知れることはなかっただろう。今もコアファンを除いてはあまりよく知らないひとが多いだろうとも思うのだ。『突風』『メモリアルレイン』はいかにもニューミュージックという感じで、まだまだ黎明期の作品という感じであるが『ポーカーフェイス』は今に繋がる音ができている。その後東芝EMIに移籍して黄金期が開けるのも当然の帰結だったわけだ。でもこうした考察も長きに渡って山本達彦の音楽を聴いて知ったことばかりであり、それこそインターネットのツールがあり達彦さんや田原さんが書いているブログなどもありつつも、それでもまだ『夜のピアノ』の内容を知り得ていないファンは僕よりも若ければ若いほど確実にあるはずだ。コアファンの囲い込みっていうのは当然のこととはいえ、どうしたって新たなファンが出逢う可能性を薄めてはいけない。その意味では今回のボックスは期待以下だったなぁ…。予算がなかったのかなぁとかいろいろ邪推してしまう職業病な自分がまた自己嫌悪してしまうんだけれど。
SNSやってる? ブログネタ:SNSやってる? 参加中



 使いこなせるかどうかは別として、この手のウェブ上のツールはすべて試すだけのことはしております。メジャーな検索サービスのフリーメールはすべて取得しているし、SNSもmixiはiorinに誘われて始めたんだけれど、それ以外はすべて自発的に登録したんだよね。Myspacefacebook、Windowslive etc...実はその手のはひと通り登録しています。他にもいろいろと登録してあって、片っ端から登録して忘れているものも多いのです。実はブログサービスもいくつか登録してあって…その中ではAmebloがいちばん続いている気がしますね。

 SNSで友達を見つけようとか、見つけられたいとか、案外そういう意識は薄いのです。逆に限定された特定のひととコミュニケーションをとるためにやっています。どれくらいのひとと接点持てるかっていうのは当初いろいろ試したんだけれど、数を求めるとやりたいことが逆にできなくなる。何処か誰かしらを意識した次点で発信するものが面白くなくなる気がしてね。本業が読者層をもの凄く意識して何かしらを記すようなことだったりするので、Webでやるときって時間的にも内容的にも文字数的にもあまり気にしたくないっていう気がある。だからSNSもそれぞれで自然と使い分けているところがあるなぁ。いちばん開いているのはこのアメブロとツイッターかもしれない。

 scool food punishmentの「Sea Through Communication」。メジャーデビュー後、どんどんオープンなスタンスで歌詞を書いている内村友美さんなんだけれど、その姿勢が鮮明に現れた曲だといえるよね。多くの人に出逢うため、そこに可能性を見出すためには、とにかく自分を開放しなければいけないということ。スクフーは本当にポップになったと思うけれど本来のアバンギャルドな資質も先駆性も失っていないのも凄い。アルバムリリース時には応援コメントも寄せたんだよ。http://www.sfp-sound.com/recommendation.pdf届けるよ、届けるよ。


 ま、YMO「以心伝信-You've Got To Help Yourself」でもよかったのかもしれないけれどね。


 松岡英明「以心伝心」も名曲。

 SNSでもどんなWebツールを使うんでも構わない。大事なのは伝える手段ではなくて何を伝えるかなんだよね、結局は。
生きるの大変?楽しい? ブログネタ:生きるの大変?楽しい? 参加中

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近藤等則IMA「大変」
 阿波踊りのビートを大胆に取り入れた近藤等則のIMAバンド1st。前作『空中浮遊』でも日本の土着リズムとの融合は試みていたんだけれど、『大変』では自身で歌うことを解禁したり、女性コーラス隊を起用したり、RECK(フリクション)にギターで参加させたり、ヒップホップ感を台頭させたりと、その後のIMAバンドの布石となった大転機作となりました。名作『東京薔薇』の後にCD化されて聴いた高校時代、まぁ、びっくりしました。こんな音楽のやりかたがあるのかと。世界相手に、いや地球相手にトランペット1本で向かい合う戦術は近藤さんにしか捕れないですが、いまだにもの凄く影響され続けているアートの神様みたいなひとであります。IMA作品みんな名作だけれど、やはりこのアルバムはその中でも3本の指に入るかと思いますね。

 ところで「楽しい」から「大変」に変わったのは何歳くらいだったかな? 30代に入ってからです。不況で仕事もキツくなったというのもあるけれど、実はそれ以上にストレスフルで実際一度はドロップアウトしてしまったのがバンド活動です。赤字続きながらもイベントとかも精力的にやってきたのが30代に前半だったんですが大変だったけれど楽しかったからね。だから続いたんだろうし。でも大変すぎて自分の手に負えなくなってなんだかわからなくなって挫折。いろいろ理由はあるけれど僕にとって大きな挫折でした。この挫折から脱却しようと懸命になってきたのがここ数年です。ともあれ、僕は挫折した人間ですが、同志には厳しい状況ながらも独自のバンドスタンスを築いてサバイバルしている人たちがいます。ひまわるというバンドもその1つ。彼らとは90年代末に移転前の新宿ヘッドパワーで対バンしたときに知り合いましたが、打ち込みでしかもポップミュージックを追求して、しかもライブならではのステージング演出にこだわるスタンスのバンドなんていなかったものですぐ魅了されました。特に多くの曲を書いていてテクニカルなギターを弾いていた柴田茂樹という人はとんでもない天才だとそのとき思ったのです。その付き合いはいまだに続いていて、個人的に仕事もお願いしたりという関係性になっています。



 ひまわるもいろいろあった。しばらく連絡とっていない時期もあったし。そんな彼らは今地元栃木で独自のバンドスタンスを構築しつつあるスタイルで注目されています。彼らはもともと闇雲にライブをするスタンスで知られていました。僕は音楽雑誌業界の人間なものでいろんなインディバンドはチェックしてきていますが、まぁ、ひまわるのようなバンドは他にいないと言えます。フットワークがとにかく軽くてそれこそ銀座のバーから競馬場のイベント、伊豆大島のライブイベントにお呼ばれされたり、都内ライブハウスもポップ系の音楽ができるハコはかなり細かくまで回ったのではないでしょうか。こなしてきた数は相当なものです。いわゆる拠点のハコを持つライブ活動ではなかったので密なハコとなると少ないのです。それでも90年代末~00年代当初の新宿ヘッドパワー時代は看板バンドになっていたし、近年だと都内では新宿ルイードとかでやっているのかな? ただし今のメインの場所はライブハウスではないのです。何処でやっているかというと、とちのきファミリーランドだったりりんどう湖ファミリー牧場など様々なアミューズメント施設での演奏活動なんですね。もともとエンタテインメント性あふれるバンドなのでそれはそれは盛り上がります。音楽性も非常に広いしロック一辺倒ではないので“NHK教育的な感じ”も向いているわけです。特に子供の反応はダイレクトだからね…。「ひまわる」って曲でみんな楽しそうにぐるぐる回るのが名物なわけですよ。勿論ポップバンドとしてメインストリームに挑む姿勢は相変わらずなんですが、こうしたライブハウスでは出逢えないオーディエンスに積極的にアピールしていくスタイルはいわば原点的なスタイルなんだけれど、意外とみんなやっていない。というか、普通のバンドではノウハウもないしできないわけです。地域密着的なスタンスがないとできないし、Webツールスタンスのやりかたとはある種真逆にも思えますが、さらにその真逆なスタンスをも組み込んでしまえばさらなる躍進が期待できるでしょう。もともとPVや動画制作も強みのバンドなだけに今年はその辺でも期待できると思うんですよね。



 彼らが昨年4月に久々にリリースしたアルバムが『ハンバーグ』(HIMAWARU ENTERTAINMENT)。新生ひまわるのデビューアルバムと言っていい。このアルバムで柴田茂樹は今までになくバンド感を押し出しました。贔屓目(?)に柴田茂樹テイストを期待している僕からするとその意味では薄いアルバムです。その分、各メンバーの色が非常に強く押し出されているし、ゆうすけ(b)の作曲曲なり唯香(vo)の作詞曲も入っていたりと、ソングライティング的にも門戸を開けたアルバムです。決して口を割らないけれど柴田茂樹は耐えたんだと思うなぁ。やろうと思えばマルチにいろいろできちゃうわけだからね。そして大きかったのが絢香(pf)の加入だろうね。彼女に関してはちょっと上から目線な書き方かもしれないけれど「育てよう」という意思を感じるし、そのうち彼女も曲を書き出すでしょう。またそういう娘たちが入ることによる化学反応を欲していたところは柴田兄弟にあるでしょうし、Tスクエアが若手メンバーで再編させたみたいなサバイバル方法をひまわるも賭けたわけです。で、現時点で勝っている。これはね、今だからこう書けるけれど解散を乗り越えるくらい大変な賭けだった。特にキングのり(ag)は柴田兄弟とともにスタッフ的なものをするとともにとにかく場を盛りたてたり勇気づけたり、とにかく一貫して空気を作るひと。こういうひとがいたからこそ乗り越えられたとも思う。実際、のりくんも大変だったでしょう。その集大成が先述のアルバム『ハンバーグ』だったわけですね。楽曲的にはひまわるならではのインストパートまで徹底的にこだわったポップス、ロックが満載です。全員の声、音がちゃんと聴こえるところとか、そういうところにはもの凄くこだわっている。CMの曲を聴くだけでもポップスタンダードさがわかるでしょう? 

$北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

 そしてさらなるサプライズがゆうすけ(g,b,key,cho,prog)がまりこ(vo)と新たにポップユニット march rabbitを結成したこと。昨年初めてライブを観たときに、あ、ゆうすけくんはこんな曲が書けてギターを弾けるひとだったのか!と驚きましたが、先日リリースされた『Magical Tree』(HIMAWARU ENTERTAINMENT)を聴いたら実は歌詞まで自身で書いていたのでさらに驚きましたね。打ち込みドラムは意図的にチープな音色を使っていて、ギターもトレブリーなドライブトーンで編んでいる辺り、初期ひまわるを彷彿させる感じもあって面白かった。曲は相当作り込んでいて、随所からゆうすけくんの氣が伝わってきます。「流れ星」はひまわるの「We Never Say Good-Bye」のテイストをさりげなく織り込んでいるようだし。曲はどれも粒揃い。特に面白いのは「SUPER POWER」。曲もアレンジも歌詞も面白くて唯香ちゃんのゲストコーラスも良い。「Magical Tree」「ROUND AROUND」などごっついギターリフとポップなメロディが絡んでいくあたりのスタイルがmarch rabbitのトレードマークになっていくのかもしれない。ひまわるとまるで違うアプローチをやるんじゃなくて、ゆうすけくんなりのポップミュージックをそれまでの経験値を踏まえて編んでいったところが良い。いわばゆうすけくんのこだわりが詰まったもうひとつのひまわる的な音楽と言えるかもしれない。このアプローチがまたこのアルバムが成功した理由だと思う。この後ソロアルバムを作るらしいけれど、こっちのほうが意外性という部分はより出るんじゃないだろうか。何せウサギ年なんだものね、縁起がいいね。

 彼らはきっと人生を「楽しい」と形容するでしょう、どんな「大変」なことがあるんだとしてもね。僕がその域に達するにははてさてどれくらいかかるかなぁ。僕はあとどれくらい生きる時間が残されているかわからないがちょっと難しいかもしれない。しかしゆうすけくんのように前向きな歌詞が書ける自分になりたいものだ。無理かな。

初詣行く? ブログネタ:初詣行く? 参加中

 あけましておめでとうございます。

 僕のここ数年の年越しですが、Sweep加藤大典さんとディスクユニオンの大晦日セールに行き、新小山の居酒屋で飲食して年越しして、大滝詠一「NIAGAARA CALENDER」を聴きながら江ノ島に向かい、江ノ島神社~江ノ島大師をめぐって江ノ島一周してそのまま初日の出を迎えるというのが恒例化しています。その前から年越し~初詣は行っていたんですが、江ノ島がいちばん良いという結論にふたりとも達しました。これは恒例化に値する行為だと我ながら思っているわけですが、毎回いろいろとマイナーチェンジがあったりします。例えば今年だと、いつも行っている飲み屋さんが11月末で潰れていたというアクシデントに陥ったり…。かわいそうな加藤さん、大晦日は一食もせずに江ノ島一周させられてしまったという。そのまま江ノ島丼を創始したハルミ食堂にて江ノ島ラーメンと江ノ島丼で晩酌するという初試みもありましたね。初日の出まで時間がどうしても余るので、江ノ島大師の本堂にて不動明王ににらまれながら仮眠をとるというイベントもありました。この辺の時間をどのように有意義にさせるかが来年の課題だね。

 『NIAGARA CALENDER』のトップを飾る「Rock'n'Rollお年玉」。中学時代『A LONG VACATION』で大滝詠一さんのファンになった身からすると、どうもその前のコミックソングなのかなんなのかよくわからない曲名の旧譜を聴くにはならないまま10代を過ごしました。その後CD選書シリーズで再発されてからナイアガラカタログを聴くようになったんです。『NIAGARA MOON』は最初聴いたときからハマったんですが、『NIAGARA CALENDER』はねぇ…。「青空のように」とかあの辺は死ぬほど好きなんですが。このアルバム、音楽的才能に秀でているミュージシャンはとりわけ反応する傾向があって、鈴木祥子さんもそのひとりだそうです。「青空のように」カヴァーして、カップリングに「Rock'n'Rollお年玉」ライブverを収録しちゃうんだものなぁ。この「Rock'n'Rollお年玉」のライブ、僕も渋谷AXで実際に観ていた1人なんですが大変驚きました。そして“初めてライブで聴いた!”とも思いました。当の大滝さんがライブやらないからね…。

 そもそも江ノ島神社で初詣しようと思ったのはなんだっけな? たしか最初は川崎大師に行こうと思ったんだけれどたどりつけず、おまけに江ノ島まで来ちゃったんじゃなかったかな。あとエボシ岩が観たいとかいろいろ言っていた気がする。加藤さんも僕もサザンファンでもあるので。湘南音祭か何かで江ノ島に通っていた頃だったので、そういえば神社があったのを思い出した、と。たしかそんな感じだったかと思います。でも何故か引き寄せられるように江ノ島にたどりついたんだよね。それ以来毎年江ノ島にお参りに行って破魔矢を買って帰って来ています。今年で4回目なのでした。来年も行くでしょう。江ノ島神社は日本三大弁天の一つなんだよね。

$北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

 ここんところ年越しは天気に恵まれていて、今年も見事な初日の出を堪能できました。ちなみに今年のおみくじは「末吉」。僕は爆風スランプのファンでもあるので良い兆しだと思っております。

ラッツ&スター「憧れのスレンダーガール」

落ち込んだ時の復活方法 ブログネタ:落ち込んだ時の復活方法 参加中

 何かに裏切られて、躓いて、どうにもこうにも袋小路で、解決策がなくて、頼れる宛もなくて、とりあえず今は時間が過ぎるのをやり過ごすしかなくて…そんな逆境なりなんなりにたまに感じられる幸福感のために誰もが我慢して生きているんだと思います。面倒くさいのでそれはもう誰だってだいたいはそういうもんだと思うことにします。

 さてそんな落ち込んだときの自分を救済する方法ってみなさんなんでしょう? お酒? ショッピング? クラブに行って踊る? 車走らせる? バイク? スポーツ? 旅行? …ひとそれぞれだよね。僕の場合は音楽です。聴くのも弾くのも作るのも書くのも一通りやりますので。しかしそんな音楽に裏切られてしまったらどうすればいいんでしょう? そして救済方法にドラッグを選ぶという場合。薬物問題なんて今始まったことではありません。が、ここんところあまりにそういうニュースが多いとは思う。でもって、そういうのを社会のせいとかにするのは10代までにしておきたい。やはりどうしようもない時代の中でいかにサヴァイヴァルをしていくかが働き盛りの人間の正常なる思考だとしておきたいので。

 先週からの件でとにかくショックを受けたのは田代まさしさんの再々再々逮捕でした。僕、もともとファンでしたし応援していたんです。そして今回こそ断ち切ってくれると信じていた。着々とメディア復帰の動向に動いていたしみんな基本的に応援姿勢でしたよね。一部では甘いという声もあったし、結果的にそういう発言者の危惧する結果になってしまったわけなんですけれど、僕なんかそんなアマちゃんな発想により余計にショックを受けているのです。僕、お笑いの田代まさしなんてどうでもよかった。それよかあなたにはソウルミュージック/ドゥワップがあるじゃないかと。復帰後、企画盤ではあったけれど音楽もやるようになって、その辺は興味持てなかったんだけれど。ただ去年からの動向ではラッツファンなら知っているだろうけれど、田代まさし&山崎廣明監修によるDoo-WopコンピレーションCD『DOO-WOP MANIA ORIGINAL VOL.1』がリリースされたり、しかもこれは伏線で山崎廣明&ダイナミクスを率いてのニュー・アルバム『ジャップ! ジャンプ! ジャイヴ!』に繋がっていた。この中で田代まさしは2曲リードヴォーカルをとっているんです。インディーズだから出してくれるとは思うんだけれどどうだろう? でもってラッツ&スターBOX『The Complete History of RATS&STAR Complete Black』もリリースされた。マーチンのアニヴァーサリーライブでの共演は叶わなかったけれど、そのほかではちょくちょく共演するようにもなっていたんです。僕はこのままいけばラッツ&スター再編は夢じゃないと思っていました。現にマーチンも「いつか田代を俺の横に立たせたい」と公言していたわけですから。そんな中、まさかの報道…TBSラジオ「ゆうゆうワイド」で臨時ニュースみたいに入ったのを聞いたんですが、その瞬間別に関係者でもないので頭が真っ白になりました。

 しかし、正直再犯性に関しては否定的というわけではなかった。煙草でさえあんなにやめられずに困っているひとがいるというのに、一度薬物を知った身体がそう簡単に断ち切ることができるか? 実際、彼はすでに再犯者だったわけだし、同様に好きな音楽家のケースとしては岡村靖幸もいます。岡村ちゃんは裁判時、出所後はカウンセリングを受けることを公言していたので多分今そういうリハビリ期間なのかなという感じもしますが、それでも彼に次がないとはいえないと思う。これは彼らを信用する、しないというんではなくて、薬物の常習性というのは並の人間で太刀打ちできるものではないんだっていうデータがきっちりあるわけですから。やめようと思っても、たとえば睡眠時に夢でキメてる快感が蘇ったりするわけだよ? 本人のハイヤーパワーで簡単に完治できる容易いことじゃない。病気なんだもの。その上でイネイブラーの手招きなんて常にあるんだろうから。ダルクに通って特定の医師について、それこそ定期的に警察署に出向いて目の前で尿検査だとか、徹底的なケアをしてなんとかまともな生活が近づいてくるんだと思う。田代まさしの出所後の言葉で気になったものが2つある。「あんな(刑務所で)つらい想いをしたんだから二度と薬物には手を出すわけがない」「(薬物反応がないという)医者の診断書も持っている」…この手の発言は考えの浅はかなことの証明なんだよね。どんなつらい経験をしようが断てないのが薬物中毒なんだから。

 報道を聞いたとき、一緒に逮捕された女性に「また薬物の道に引きづりやがって!」と一瞬逆上したんだけれど、多分彼女は田代まさしのカモフラージュとして薬物を入手していたんだろうし、彼女がどれだけ薬物に対する経験値があったのかはしらないが、得てして親密な人間関係ほどイネイブラーになりやすいっていう落とし穴もあるってこと。もちろん最大に悪いのは田代まさし本人に違いないわけだけれど、周りのスタッフなり保護観察者も甘かったと言わざるをえない。「じゃぁ、どうすればいいんだ!?」って言われても困るけれど、極端な話、薬物中毒者に人権なんてないんだっていうくらいに監視していないと。本当それくらいどうにもならないんじゃないかって気がする。手を出すときは「一回だけ」と思うんだし、そんなもん禁酒禁煙ダイエットのひとも一緒でしょう? その「一回だけ」の自分との葛藤で勝てるひとがどれだけいるか? 奇麗ごとじゃないんだよ。なかなか難しいのでは? 僕が田代まさし本人だったらやはり自信ないね。どれだけ迷惑がかかるひとの顔やら、悲しむファンの顔が脳裏によぎろうとね。快楽ってそういうもの。

 別の発想もあった。快楽には快楽で打ち勝つ。クスリの快楽に打ち勝つのはひょっとしたら音楽では? 田代まさしでも岡村靖幸でも最後の望みはそこなのでは? ずーっとそう思っていた。今も思う。だからバンドやろうとしていた動向は良いと思っていたんだけれどね…そんな甘くはなかった。つまりは田代まさしは僕のそういう期待を二重の意味で裏切った。それでも僕はあまちゃんだからさっさと刑期まっとうして次こそ更生しろって思うけれどね、もしくは死ぬか。僕なら死ぬかな。それくらい今回の裏切りっていうのはとてつもなく重たい。絶望的。でも先述のように放っておいて治るものじゃないんだ、薬物中毒は。結局は誰かが手を差し伸べなければいけないんだろうし。じゃなかったら、アムステルダムにでも高飛びしたら? 最もこの犯罪歴で“コーヒーショップ”は無理だろうけれどね。

 重ね重ね「お笑い」のことはわからないのだけれど、ミュージシャン/パフォーマーとしての田代まさしはどんなジャンキーにしろ魅力的だ、残念ながら。彼に見切りつけてラッツ&スターを再編しても物足りないものになるだろうしね。ラッツ再編の夢はもしかしたら、いや、もしかしなくてもこれで終わりかも。でも人間生きていれば奇蹟は起きるから。でもって真逆のことを書くけれど、僕のように『Mr.BLACK』でも『SING! SING! SING!』でも『SOUL VACATION』でも、“残りの人生であと何回聴くことができるんだろうな”とそういう覚悟で聴く人間にとっては、今回のような事件は本当に絶望的なことなんだ。音楽でもなんでも生きていればであって、実際問題僕も田代まさしも先はそう長くないかもしれない。だから一瞬の快楽に身を落ちるよりも、レコードなりライブパフォーマンスなり“田代マサシ”しての歌詞や描画…後世に残るものに生命をかけてほしい。あんたもう人一倍、しかも一般人が獲ない快楽を散々味わって来たんだ。この先は慈善事業で身を滅ぼすくらいのつもりでやってもお釣りがくるんだろうしね。

 悔しいけれど僕だけはあなたを待っているよ。ひょっとしたらお互いあと何ヶ月生きられるかわからないような身体なのかもしれないけれどさ。好きになっちゃったんだから仕方がない、あなたにとってのマリファナみたいなものなんだろうね、僕にとっての音楽ってさ。
女子、何歳まで? ブログネタ:女子、何歳まで? 参加中


森高千里「私がオバさんになっても」…この曲の破壊力は凄かった。この当時だと20代後半ですでにオバさんみたいな風潮もあったのだ。

駄菓子菓子(ロビンちゃんの真似)、

今は明らかに変わったよね。自分が年齢をとったのも大きいが、30代の女性は女子って感覚だなぁ。


飯島真理「Echo」


原田知世「くちなしの丘」


あみん「銀色の少女」

40代も女子になりつつある時代ですね。
世の中を早送り、巻き戻し、一時停止、どれかできるとしたらどれがいい?
考えてみると、意外とそう振り返ったり思い出に浸るタイプじゃない。そうするときは誰かと語っているときだったり、飲み会の場などがほとんどだと思います。なかなか自分のことを考えている時間もないというのが本当のところで、十代のときに架空のバンドをあれこれシミュレーションするような妄想もいつのまにかしなくてなっていたものなぁ。

時間を巻き戻せるか、早送りできるかって問いがあったとして、結局未来はどうとでもなると思っている楽観主義者なので、やはり僕はプレイバックするタイプの人間なんだと思うんだよね。昔に戻りたいのとはちょっと違う。いつのまにか失ってしまったもののフィーリングがどんなものだったのか、その感覚がちょこっとでも感じ取れればいい。懐かしく狂おしくせつない想いをどうにも欲するときがある。ないものねだりと言われても人間ってそういうものなんだろう。追憶なんて言葉もある。

思い出しても思い出せなくなっている、そういう想いもある。残酷な瞬間だよね。年齢を重ねるごとにそういうものって多くなる。特に加害者の一端を担ったような都合のいいことはどんどん消えていってしまう。忘れるのが僕の特技なのかもしれないな。

親友の母親が亡くなってしまった。驚いたがまったくもって実感が持てない。最後にお会いしたのはパット・メセニーのコンサートでした。あの帰り、餃子と麻婆ラーメンをごちそうしていただいたんだった。快活なかたでよくコーヒーを入れていただいた。西口に越してきてからはあまり遊びにいっていなかったので、想い出としてはどうしても妖怪ポストがあった東口のアパートを思い出す。めちゃくちゃな一人暮らしをしていたあいつが人並みな暮らしをするようになったような、改めて母親の力って偉大だななんて思ったりしたこともあったな。

鮮烈なようでいて、過ぎ去ってしまったことも多さが重く頭にのしかかってくる。なんだろうなぁ、この感覚は。かといって実感がないもので、そういう感覚にかられる自分ってものがまた憎らしくも思える。今は時間が経つのを待つしかない…のだけれど。彼ら夫婦にとっては近年はあまりに激動の時間で大変なことだと思う。ひとつことが落ち着いて…の矢先というか。傍観者でいるしかできない僕は本当に陰ながら見守るしかできない。申し訳ないと思う。

$北村和孝 rhythmagic 楽興のとき
最初は正直印象が薄かったのだけれど、何度と聴いているうちに大好きになったパット・メセニー『オーケストリオン』。このアルバムを聴くたびにあいつのお母さんを思い出すというか、思い出せるんだろうな。僕はあなたの立派な息子さんの単なる悪友にすぎませんが、なんかいっぱい親切にしていただきました。せっかく近所になったんだもの、もうちょい一緒の時間を過ごせたらよかった。何を今更ですが、巻き戻せるんだとしたらもう一度KEY COFFEEで談笑したかったなぁ。

本当に今までありがとうございました。あいつらにはこれからもいっぱい迷惑かけて世話になっちゃうと思うんですが、いつか僕も恩返しできたらと思っています。
坊主と金髪、選ばなくてはいけないとしたらどっち? ブログネタ:坊主と金髪、選ばなくてはいけないとしたらどっち? 参加中

これは坊主ですね。もともと長髪にはしないので丸坊主になるのはまったく抵抗がない。僕らの時代は学生時代は野球部じゃなくても丸坊主だったからね。今だったら教師に噛み付くだろうけれど、当時は仕方ないとか思っていたんだな。でもって髪を染めるとか脱色っていうのはいまだに抵抗があって、実は今まで一度もそういうことをしたことがない。同様の理由でピアスとかも駄目ですね。

ただいずれ白髪が増えたら黒くは染めたいと思う。先述と逆なんだけれど、白髪っていうのは抵抗あるんだな。今もいっぱいありますけれどね。でもまだ黒髪のイメージだろうし。ある程度のダメージが出てきたら黒く染めたり、もしくは丸刈りかスポーツ刈りみたいにしちゃうかも。ただ金髪はない。年老いてカラフルに染めるかたもいらっしゃいますが、僕はあれはやりたくないんだよね。好みの問題ですが。


河内淳一「Carry On」
この手の話題って何処か追憶が絡んでくる。そういう年齢なのだろうか。あの頃の自分はどう思うのかな?とかね。ガキだったからそんな30代の自分なんてまったく想像していなかったけれど。河内淳一の存在を知ったのは多くのかたと同じでKUWATA BANDです。KUWATA BANDってスタジオミュージシャンの集合体的なイメージを勝手に抱いていたので、ギタリストなのに随分綺麗な声しているんだなぁって驚きがありました。もともとコーラスやヴォーカルの仕事をいっぱいやっていたひとなんですけれど。

『One Heart』『Sweet』『Private Heaven』『Juice』…途中で河内淳貴に改名しだした辺りから僕は離れてしまったんだけれど、BMG時代のソロアルバムはどれも良いです。LA系の音が好きなひと、80年代AORが好きなひとはストライクゾーンだと思います。ビル・チャンプリンやTOTOのメンバーがレコーディングをバックアップしていたりもします。ただ、僕としてはギターは全部彼自身で弾いてほしかったんだよなぁ。徐々にそうなってはいくんですが、愛聴盤『One Heart』はヴォーカリストに徹している印象。もっともヴォーカリストとしてはそういう作り方をしたかったんだろうけれど。僕らはどうしてもギタリストって視点で観ていたからね…。

最近はなかなか彼のアルバムが売っているのを中古盤屋でも観ませんが、見つけたらゲットすることをオススメします。デビュー曲「Carry On」は彼の中でも指折り数える名曲だと思います。自分でもカヴァーしたい曲リストに入っています。
夏、ふりだしに戻れたら、何する? ブログネタ:夏、ふりだしに戻れたら、何する? 参加中

私は燃えるような恋愛!派!

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夏、ふりだしに戻れたら、何する?
  • 燃えるような恋愛!
  • 使いすぎちゃったから貯金。
  • 真剣ダイエット。
  • しっかりスキンケア!

気になる投票結果は!?



 今さら過ぎ去った夏には戻れない。けれど、ある特定の夏の情景や心情には一時的に完全に戻れる術が僕にはあります。それを語るためにこのバンドを語らなければなりません。

VELVET P∧W 「Say Youve Got The Sign」

 女性プログレッシブロックバンド、ベルベットパウも再結成希望。当時FM NACK5の「ルーク箼のMIDNIGHT SPECIAL」水曜日のアシスタントで出ていたのが、ベルベットパウの須賀直美(vo)さんと桐生千弘(ds,vo)さんでした。聖飢魔IIと同じ事務所で売り出し中だったんだよね。ところがプリプリ、SHOW-YAのガールズバンドブームでいろいろ出てきたなかで、彼女達はあまりに本格的すぎた(^^;)。ポップなんだけれど変拍子を多用したプログレポップ。エイジアよりも全然プログレ(笑)。この「Say Youve Got The Sign」はレコーディング前なのかな? 2nd『Sign』とちょびっと違う箇所がある。ベルベットパウは4枚アルバムを出して解散しましたがどれも好き。最後のエッグマンを観逃したことを今でも悔やんでいます。マダムギター永見順さんって初期ベルパウのギタリストだったはず。

 ベルパウはなんといっても、ドラマーでありリーダーの桐生千弘さんの存在ですよね。ソングライティングセンスが抜群なんだ。小さな身体から想像できないアクロバティックなドラミングもびっくりだったし、ちょいロリータキャラで可愛い声にもクラクラきていました。解散後は作曲/コーラスで裏方さんになってしまった印象ですが、ソロアルバムを作ってほしいんだよなぁ。今も僕は待っています。

 メジャーデビュー後、プログレの血とポピュラリティとの鬩ぎ合いの中で四苦八苦していたようですが、デビュー後の音源しか知らない1ファンとしてはどれも良かったんですよね。当時はポップになったとか言われていた『目覚めるまで』もやっぱり今聴くと変ですしね(笑)。

 微睡みのなかで聴いていた音楽というせつなさに胸が締め付けられる感覚…今でもそれが確実に残っている音楽がいくつかあって、そのうちのひとつがベルパウの「夏のおわり」です。まさに桐生千弘さんのリードヴォーカル曲で、イントロのシンセからして凄くキューンとする。

 児島未散さんの「遥かなる楽園」なんかもまったく同じ感覚が今でもあって、聴けばすぐあの頃の自分にタイムスリップできるような。不安な将来に辟易する自分と、成就しない恋に悩み、大人はわかってくれないと腐っていた自分。せつない気分にさせられるけれど、安らぎも与えてくれる音楽。アパート暮らしだった当時の実家の窓際の学習机とパナソニックのラジカセ、そして夜明けに差し込んでくる陽射しの情景が今も甦ります…。

 これってマルセル・プルーストにとってのマドレーヌなんでしょうね。

グラスバレー「STYLE」
中学時代、いわゆる洋楽を聴き齧りだした当時、なかなかリアルタイムの洋楽に入れ込めなかったのは国内バンドがカッコ良かったからでした。もっともその頃はまだチャートものとかしか耳に入ってこなかったので、U.K.インディものとかもの凄いことが起きていたのを知るのは遥か後なのです。

TMネットワークとか松岡英明とかからニューウェーブものにひた走っていくことになるのですが、中でも衝撃的だったのがグラスバレーでした。今聴いても音凄いね。演奏技術も凄い。ビジュアル面も当然こだわっているし、再結成したら絶対にライブ観たいです。当時この音をライブで再現するのは大変だったはずですが、今はもうちょい楽にできるんじゃないかな。上領 亘さんのドラミングが凄過ぎますね。今ならエレドラパッドもより進んでいるし、今の機材でグラスバレーやったらどうなるんだろう?

アルバムはどれも良いんですが、まずオススメはやはり『STYLE』だろうなぁ。グラスバレーのバンドサウンドが完全に確立した1枚。その後『ロゴス~行~』からさらなる発展を目指すことになります。『瓦礫の詩人』は当時取っ付きづらかったけれど、今の耳になるとわかる。けれど、それで上領 亘さんは脱退…いろいろあったんだけれど、やりつくしたんだろうなぁというのは感じていました。ピークは「アイデンディティクライシス」辺りだったんじゃないかな。

でも今ならば、また面白いことできるんじゃないかな?