【名曲リレー1616】of#2

■Friend Of Jesus / Spirit Of John Morgan

印象的なロボットのイラストが印象的なスピリット・オブ・ジョン・モーガンの「Age Machine」(「不老長寿の機械」として日本コロムビアから日本盤LPが出ててびっくりでした)はダークな味わいもあったオルガンロックの傑作ですが、こうしたキャッチーなメロディーの歌ものもありました。オルガンロックと言ってもモーガンの場合モッド的なR&Bテイストなのでプログレ色は一切ないのですが。この”Friend Of Jesus”は、モーガンの弾く軽快なピアノが心地いいナンバーで、何とジョン・スチュワートのカヴァー。リリースはCarnabyなるマイナーレーベルですが日本盤当時出てたんです。

 

 

【名曲リレー1617】of#3

■Think Of Me With Kindness / Gentle Giant(’72)

ジェントル・ジャイアントは、VDGGと並んで苦手なタイプのプログレバンドではあるのですが、たまにグサッとくる名曲があります。ロジャー・ディーンのジャケットによる72年の「Octopus」(昔K先輩から借りたのは米盤の違うタコのジャケでしたが)に入った”Think Of Me With Kindness”は、kbのケリー・ミネアが書いて歌う美しいメロディのナンバー。途中メロフォン(フレンチ・ホルンみたいな金管)が入るあたりはゾクゾクします。

 

 

【名曲リレー1618】with#2

■Heaven On The Beach With You / Robert Lester Folsum('72?)

ロバート・レスター・フォルサムというsswは90'sのソフトロック再評価ブームの中日本で世界初CD化が実現し注目されたアトランタ出身の人。その「Music And Dream」('76)はインディーからのリリースでした。さらにキリンジ関係の馬の骨がカヴァーしたことでマニアックな人気を得たようです。そしてそれ以前のデモ音源がリリースされ、そこからのナンバーをお友達のM田さんが紹介してくださって~と今に至るのですが、名前こそ知ってはいたけど未聴だったのは何とも不覚と感じさせるアーティストでした。スケッチのようなインストの”Heaven On The Beach With You”はその72~75年の「Ode To Rainy Day Archive」('14)からで妙に心にひっかかります。こういうインディーのsswは深みにはまると抜け出せないんで距離を取ってきたのですが、もっと早く聞いてればよかったなあ(サウンドベイでしょっちゅう見かけてたのに)。

 

 

【名曲リレー1619】with#3

■Stuck In The Middle With You / Stealers Wheel('73)

グラスゴー出身のジェリー・ラファティとジョー・イーガンを中心としたグループがスティーラーズ・ホイールで、リーバー&ストーラーのprodでリリースしたファーストのあと、ラファティーが辞めたのですが、”Stuck In The Middle With You”がヒットした頃説得されてグループに戻ったのだとか。この曲はゆるいスライドが印象的な軽いブギロックで、この辺のさじ加減はロックンロールと共に歩んできたリーバー&ストーラー(この偉大なるソングライター・チームはプロコル・ハルムもprodしてました)ならでは。

 

 

【名曲リレー1620】stuck#2

■Stuck In A Hole / Caravan('75)

「ロッキン・コンチェルト」という邦題のおかげでロックとクラシックを融合させた~的なアルバムだと思ってましたが全然違うポップでメロディアスなキャラヴァンの世界です。元カーヴド・エアのマイク・ウエッジウッド(b)が加わりvoを聞かせるなど、ずいぶん明るく変わった印象を受けます。シングルになった”Stuck In A Hole”はキャッチーなメロディーに乗せたもので、ジェフリー・リチャードソンのviolaがいいタイミングで入ります。日本盤のベスト「カンタベリー物語」で聞きました。

 

 

【名曲リレー1611】let#3

■Let It Rain / Eric Clapton('70)

クラプトンの初ソロ「Eric Clapton」は大方のファンには拍子抜けの1枚だったようで、未だクリームの威光が強かった日本では特にそうだったでしょう。要は本人がやりたいものとファンが求めるものにずいぶん乖離があったわけで、スワンプ・ロック志向はデラニー&ボニーのライヴ1枚では当時なかなか理解されなかったのでしょう。だから「Layla」の成功は重要だったのではと感じます(「Layla」そのものもデュアンがらみで再評価されたのはこの30年ぐらいでしょうし)。「Eric Clapton」のラストに入った”Let It Rain”は少しリンゴの”It Don’t Come Easy“に似てますね。

 

 

【名曲リレー1612】rain#2

■Outside The Rain / Stevie Nicks('82)

いつも書いてますが、この初ソロでスティーヴィー・ニックスの中のロック魂が触発された気がします(以後マックの活動の中でもスティーヴィーの曲ではそれまでにないロックの部分が感じられます)。引き出したのはトム・ペティでありprodのジミー・アイオヴァイン、この曲も鈍い炎が光るが見える派手さはないロック曲。

 

 

【名曲リレー1613】rain#3

■Shadows In The Rain / The Police(’80)

どんどんプログレッシヴな方向に進んでいったポリスの3枚目「Zenyatta Mondatta」からのナンバー。音楽的に実験的な試み、前衛的な手法も試してはいるんですが、印象は総じて聞きやすいポップな感じにまとめられているのはすごいです。”Shadows In The Rain”はホントに3人でやってるの?と思わせる部分もあります。トラフィックがこの時代リアルに存在していたら割と近い音だったのではないか?とも妄想。ちなみにA&Mの社長のジェリー・モス(Mの方ね)が所有していた競走馬にゼニヤッタというのがいまして、このアルバムから取られてます。09年にダービー優勝経験もある牝馬だそうです。

 

 

【名曲リレー1614】shadow#2

■Shadows / Joe Walsh('83)

「You Bought ItーYou Name It」('83)は爽やかな曲とヘヴィな曲が混在したアルバムでした。後者の代表がヘヴィなギターロックの”Shadows”。ハードロック・ギタリストとして注目されてた頃のジョー・ウォルシュを思い出させます。リズム隊はジョージ・ペリーとジョー・ヴァイターリです。

 

 

 

【名曲リレー1615】shadow#3

■Shadows Of / Gong('77)

古くはイギンボトムズ・レンチ時代からアラン・ホールズワースの持ちネタでしたこのメロディーは、ホーさんが黒歴史としていたCTIからのソロ「Velvet Darkness」でもタイトル曲として使われます。ついにvoを棄てインスト中心のジャズロックへと進んだゴングの「Gazeuse」の”Shadows Of”でも持ちネタのメロディーを使いながら、フリーフォームに弾きまくります。ディディエ・マラーブのflを間に挟みながら、これまでのゴングになかった軽やかさです。ミレイユ・バウアのmaimbaも心地いい。

ちなみに米盤LPは「Expresso」のタイトルでリリース、ジャケも違います。余談の余談、Gazeuseとは炭酸(入り)の意味です。

 

 

【名曲リレー1606】hide#2

■Hide And Seek / The Feminie Complex('69)

フェミニン・コンプレックスはナッシュヴィルのハイスクールの同級生によって結成されたガールズ・バンドでガレージ風味もポップさも兼ね備えた存在でしたが、一般的には無名。69年にAthenaというインディーから出てた「Livin’Love」という唯一作は90’sに豪TeenvilleからCDが出て話題になりました。ソフトロッキンな曲もありますがノイジーでありながら洗練された”Hide And Seek”は名曲であります。メンバーはみな解散と同時に青春の思い出として引退。voはミンディ・ダルトン(g)という人です。

 

 

【名曲リレー1607】hide#3

■Don’t Hide Away / Lou Hayles('77)

ルー・ヘイルズは、詳細不明で77年に1枚「Don't Hide Away」を出してる英国の女性シンガー。このMyrrh(マー)と言うレーベルはクリスチャン・ミュージックの会社なんで、そっち系の歌(神様をたたえる歌)を歌った人でしょう。ストリングスやオーケストラをバックに歌いあげるMORですけど、こういうの苦手なはずなのにスーッと入ってくるのはやはり声質なのかなあともおもいます。声は少しだけギリアン・マクファーソン似であります。「ブリティッシュロック集成」やらRDMの方でも紹介されてますから英国の深い森関係では知られた人なんでしょう。しかしCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)って歌詞が宗教的なだけの分類なんで、音楽のスタイルを表してるわけではないのですが(sswという表記と同じで)、不思議とフォークとかAOR風味のものとかぶることが多くて、パンク系、オルタナ系のクリスチャンものってないですよね。

 

 

【名曲リレー1608】don't#2

■Don’tTurn Turn Your Back / Blue Oyster Cult('81)

BOCもまた名前は知ってるが聞きこんでないバンドの代表格でもあります。「Fire Of Unknown Origin」(邦題は”呪われた炎"とまあフツー~'81)はジャケットもなかなか不気味で美しい。わかりやすい大人のハードロックがますます板についてきた時期の作品。”Don’t Turn Your Back”はよく歌うgもカッコいい。

 

 

【名曲リレー1609】don't#3

■Don’t Let It Bring You Down / Spencer Davis Group('73)

ほとんど話題になることもない時期のスペンサー・デイヴィス・グループの「Gluggo」('73,Vertigo)に入ったマッカートニー的なナンバー。この時のメンバーはデイヴィス(g,vo)、エディ・ハーディン(kb,vo)、レイ・フェンウィック(g)、ピート・ヨーク(ds)、チャーリー・マクラッケン(b~元テイスト)の5人。ウィンウッド兄弟が抜けてからSDGはもうまったく別のバンドなんですが、悪くないです。

 

 

【名曲リレー1610】let#2

■Let This Be Our Time To Get Along / John Sebastian('76)

ジョン・セバスチャンの「Welcome Back」のラストに入った映画的スケッチと言った感じの小品。ほとんどインストのような感じでハーモニカ吹きまくり。最後に一節歌あり。スティーリー・ダンみたいな都会的な風景が浮かびます。しかしストリングス系のシンセが沁みる。こういうのをホントのAORというんじゃないか?

 

 

【名曲リレー1601】dream#3

■I Had Too Much To Dream Last Night/ Electric Prunes(’66)

動くエレクトリック・プルーンズ初めて見ました(口パクですが)が、voがオートハープ抱えて歌うのが時代だあ。ファズg、リヴァーヴ、テープ逆回転など当時の技術を使ってのサイケ手法がガレージ・パンクの古典ともいえるこの曲を構成しています。かの有名なオムニバス「Nuggets!」にも収録されております。

 

 

【名曲リレー1602】too much#2

■Too Much To Young / The Specials('80)

市松模様が街にあふれた2Toneレーベルのスカブームがホントすごかったのですが、ひと夏の思い出のようにすーっと波は引いてしまいました。スペシャルズ、マッドネス、セレクターの御三家はどれも当時ラジオからよく流れてました。”Too Much To Young”はスペシャルズのデビュー作に入ってましたが、ライヴの4曲入りEPを友人が持ってて借りた記憶あります。底抜けに楽しい踊れる曲です。

 

 

【名曲リレー1603】too much#3

■Too Much Monkey Business / Bulldog(’72)

言うまでもなくチャック・ベリーの有名曲ですが、メンバー紹介(Eric Slowhand Claptonと紹介)の後始まるヤードバーズの「Five Live Yardbirds」がこの曲の初体験でした。ここではブルドッグのカヴァーで。ラスカルズを辞めたディノ・ダネリ(ds)とジーン・コーニッシュ(g)が組んだNYのハードロックです。

 

 

【名曲リレー1604】monkey#2

■Rubber Monkey / Santabarbara Machine Head('67)

SMHは、パープルのジョン・ロード(kb)が、アートウッズの次に参加したユニットで、Immediateから出た「Blues Anytime」というオムニバスに残した3曲しかありません。もともとどういうつもりで結成されたのかも不明、あくまでもセッションだけだったのかも。ただdsがトゥインク(トゥモロウ)、gがロン・ウッド(ロードはロンの兄アート・ウッドがvoのアートウッズ出身)、bがキム・ガードナー(アシュトン・ガードナー&ダイク)という後の有名人の若かりし頃。基本線はこうしたR&Bでもっと聞きたかったなあ。

 

 

【名曲リレー1605】monkey#3

■Everybody's Got Something To Dide Except Me & My Monkey / Fats Domino('68)

というわけで1600番台に入ります。

タイトルの長さが有名なビートルズ曲をニュー・オーリンズの巨匠ファッツ・ドミノがカヴァー。僕はWarner Bros/Repriseのサンプラーのどれかで知りましたが軽快な感じがさすが。Reprise移籍第1弾となった「Fats Is Back」には未収録のシングル曲で、この時期”Lady Madonna”や”Lovely Rita”などビートルズ曲を多く取り上げています。

 

 

【名曲リレー1596】mama#2

■Yo’Mama / Frank Zappa(’79)

ザッパ先生は、なんと79年だけで5枚のアルバムが出たそうです。日本ではCBSソニーから出た(Zappaレーベル)「Sheik Yerbouti」から。超絶的なジャズロックでありながら昔ほど難解に感じなくなってます。テリー・ボジオ(ds)、エイドリアン・ブリュー(g)、ピーター・ウルフ(kb~もちろんJガイルズの人ではなく90'sにスターシップをブレイクさせるポップ職人でザッパのところにいたと初めて知りました)など知った名前もあります。

13分にわたる”Yo’Mama”はあまり長さを感じさせないんですが、ザッパ先生弾きまくりです。

 

 

【名曲リレー1597】mama#3

■Motorcycle Mama / Sailcat('72)

Elektraレーベルのトリビュート盤にセイルキャットのこの曲がビョークのシュガーキューブスによって取り上げられててびっくりした覚えあります。そりゃヒットはしたけど(#12)そんなに認知あったのかなって。アラバマ出身のジョン・ダイカーとコート・ピケットのデュオでまあカントリーロックの範疇に入るゆったりとした音。シングル・ヴァージョンの方が少しテイク違うのも今回初めて知りました。なじんでたのはこの7”ヴァージョン。スライドは後にルブラン&カーのピート・カー

 

 

【名曲リレー1598】motorcycle#2

■Motorcycle Irene / Moby Grape(''68)

モビー・グレイプの「Wow」('68)に入った、”Motorcycle Irene”は、クラッシュ音のSE入りです。ちなみに日本のティン・パン・アレーの「Caramel Mama」に入った"Jackson"(voは松任谷氏)のイントロにこのSE流用されてます。

 

 

【名曲リレー159】motorcycle#3

■Motorcycle Dream / Slack Alice(’74)

60'sにはサンドラ・バリーとして活動していた(のちにアクションとなるボーイズを率いてPyeから何枚かシングルを出してました)女性シンガーが70'sにはアリス・スプリングと改名しスラック・アリスというバンドでリリースした”Motorcycle Dream”は、ブロンディーの”Call Me”のネタ的に感じます。グラムロック末期に登場したニッチポップな1枚です。なんと日本盤のシングル(夜汽車は何とかというやつ、のB面だそう)。

ジョン・クック(kb)は、マギー・ベルのミドナイト・フライヤーに加わるなどのヴェテラン(ケストレルの人とは別人とのこと)。解散後アリスさんはダーリンというバンドでニュー・ウェイヴ方面へ転身。

 

 

【名曲リレー1600】dream#2

■In My Dreams / The Talbot Bros.(’74)

シカゴ出身のフォークロック、メイスン・プロフィットにいたテリーとジョン・マイケルのタルボット兄弟が74年に出したアルバム「Talbot Bros」(Warner Bros)から。ハーモニーを生かした内省的なフォークロックで、クリスチャン派の人たちと今では知られています。”Tears Of Trail”という名曲がありますがこの”In My Dream”もいい。但し地味ですが。

 

 

【名曲リレー1591】X3#3

■Yeah Yeah Yeah / Tempest('74)

3人組となったテンペストのセカンドから。マーク・クラークとオリー・ハルソールという歌える人が2人いても本職でない分片手間的なムードがあるけど、逆に超個性的だったファーストよりもビートリーな印象を受ける「Living In Fear」は小粒ながら妙なまとまりを感じます。久々に”Yeah Yeah Yeah”を聞いてそう思いました。

 

 

【名曲リレー1592】yeah#2

■Oh Yeah / Shadows Of The Knight('66)

65年にシカゴで結成されたガレージ・パンクがシャドウズ・オブ・ザ・ナイト。ゼムの”Gloria”をカヴァーしてヒット(最高位10位)させたことでも知られています。 ”Oh Yeah”はそれに続くシングルで39位まで上がったカッコいいやつ。ブルーズがベースにありますが、基本線はブリティッシュ・ビートの亜流ではあります。

 

 

【名曲リレー1593】yeah#3

■She Said Yeah / The Hollies(’64?)

ストーンズで有名なラリー・ウィリアムスの”She Said Yeah”は、ホリーズもやってるようで、この動画のサムネは「In The Hollies Style」('64)なのですが、それには入ってない。初出はどこなのか調べてたのですけど見つかりませんでした。しかしカッコいい!

 

 

【名曲リレー1594】said#2

■Jackie Wilson Said / Van Morrison('72)

「Saint Dominic's Preview」('72)の1曲目で80'sにデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ(さすがにデクシー・ミドナイト・ラナーズとは八日間ちゃうよう書かん)がカヴァーした軽快な曲です。ちょうどシスコあたりを活動拠点(この人は割と転々とします)にしてたころでモントローズやビル・チャーチもLPに参加。とにかく歯切れのいい曲で楽しいです。

 

 

【名曲リレー1595】said#3

■Mama Said / American Spring('72)

いつも書いてますが70'sビーチボーイズの最良の部分を受け継いだスプリングの唯一作がちゃんとした形でCD化されないのは残念。80'sにRhinoからCD化されたっきりだものなあ。このシレルズのカヴァーは60'sガールズの楽しさをそのまま70'sに再現しています。

 

 

【名曲リレー1586】runaway#2

■Runaway / The Reptile Brothers

ジェファーソン・スターシップの傑作「Earth」のラストに入った”Runaway”はN・Q・デューイーの作者のクレジットがあって長年謎でしたが、マーティ・ベイリンがprodしたグルートゥナやボデイシャスDFのメンバーだったグレッグ・デューイー(ds)の兄弟のニコラス・デューイーらしく、70's後半に兄弟がやってたザ・レプタイル・ブラザーズの音源が08年に復刻されています。そちらに”Runaway”の作者ヴァージョンが入ってますが正直JSの素晴らしいヴァージョンには負けますが、まあ珍しいので貼っておこう。

 


【名曲リレー1587】runaway#3
■Run Runaway / Slade('84)

グラムロックの勇者が突如"My Oh My"で復活を遂げたように僕のようなシロウトには映ったのですが突然の復活だったのかは正直よくわかりません(クワエット・ライオットによるカヴァー曲のヒットでオリジネーターとしてクローズアップされた?)。往年のサウンドとはずいぶん変わり80's型のものではありますが余波でこの”Run Runaway”もヒット。あれスコットランドのバンドだったっけ(実は違います)?と思わせるビッグ・カントリー調のバグパイプ的なメロディーが下世話ですが何となく笑えて許せます。

 

 

【名曲リレー1588】run#2

■Run To Me / The Bee Gees('72)

その後のブレイクを考えると、ソフトロック(昔の言い方ね)路線の70's初めのビージーズは過度期になるのかもしれませんが、ハッとさせるような美しいメロディの曲も多くあります。”Run To Me”(最高位#16)もそうで、決めのフレーズに入るまでが一番好き(一部ELOの”Telephone Line”で引用されます)。

 

 

【名曲リレー1589】run#3

■Run Run Run / Jo Jo Gunne('72)

NY(ブルー・オイスター・カルト)、デトロイト(カクタス)、ボストン(エアロスミス)など東部のハードロックに比べると西海岸のハードロックは、乾いた音とハーモニーが印象的です。ジョ・ジョ・ガン(バンド名はチャック・ベリー曲から)は、スピリットのメンバーが組んだAsylumレーベルには珍しかったLA出身のハードロック。彼らが最初のLA産ハードロックかどうかはわかりませんが、ヴァン・ヘイレンの遠い先祖みたいに考えると面白い。この”Run Run Run”は隙間にスライドが入り込む軽快なヒット曲です。

 

 

【名曲リレー1590】X3#2

■How How How / Roger Chapman('84)

古式ゆかしい英ロックを聞き始めた80'sにはファミリーだのストリートウォーカーズは入手困難でドイツ盤でよく見かけたのがvoのロジャー・チャップマンのソロでした。どれか忘れたけど1枚買ったけどあまりピンとこなかったなあ。活動の拠点をドイツに移してそこそこの支持もあったようですが、80'sのアルバムはやはり中途半端にダンサブルだったりします。「The Shadow Knows」('84)からのシングルで低予算ながらPVも作られた”How How How”もそうした踊れるファンク路線。トニー・スティーヴンス(b~元フォガット)やブライアン・ジョンストン(kb~元ストリートウォーカーズ)、ジョン・リングウッド(ds~元MMEB)らが参加。しかしこんな曲を教えてくれたTakahashiさんに感謝(^^)

 

 

【名曲リレー1581】shoot#3

■Shoot Out At The Fantasy Factory / Traffic('72)

ジャマイカで録音された「Shoot Out At The Fantasy Factory」はマッスル・ショールズの有名なスタジオ・ミュージシャンのデイヴィッド・フッド(b)とロジャー・ホーキンス(ds)更にバリー・ベケット(kb)をメンバーに加えたもので、この辺のスタジオ職人がヨーロッパツアーまで同行した(その模様は次のライヴ盤に)のは意外でした。そのタイトル曲は辛口のメロディーでざらついた質感があります。全編リーバップのpercとファズっぽいg(ウィンウッドが弾いてます)が耳に残ります。

 

 

【名曲リレー1582】fantasy#2

■Fantasy / Captain Beyond('77)

2枚をCapricornから出して解散したキャプテン・ビヨンドがvoをロッド・エヴァンスからウィリー・ダファーン(トランクというハードロックバンドにいた)に代え再結成リリースしたサードが「Dawn Explosion」('77)です。当時「ヤング・ジョッキー」で渋谷さんがかけた時、例によって情報らしきことはほとんど話さなかったと思います(エヴァンスがいないことさえも)。変則ビートのハードロックは相変わらずといったところ。

 

 

【名曲リレー1583】fantasy#3

■Rock And Roll Fantasy / Bad Company('79)

英米Swansongになったバッド・カンパニーの「Desolation Angel」からのリードシングルです。この頃はポール・ロジャースはg弾いて歌うのですね。サイモン・カークのシンセdsの音が80's近いなあと感じます。

 

 

【名曲リレー1584】rock&roll#2

■Mon Fils Ria Du Rock'N'Roll / Michel Berger('74)

ミッシェル・ベルジュの80'sのAtlantic作品はAORのくくりで日本でもCD化されたことがありますが、70'sの作品は全然無視されています。とはいっても僕もよくは知らないんですが。奥さんのフランス・ギャルがvoで参加したこの曲は「Chansons Pour Une Fan」('74)から。いい曲です。

 

 

【名曲リレー1585】rock&roll#3

■Rock And Roll Runaway / Ace(’74)

ウォーム・ダスト、ビーズ・メイク・ハニーらのメンバーが集まったエースは英Anchorからデビューしたパブ・ロック。グーゼンに”How Long”のヒットが出ましたがブリンズレーズの流れを汲んだカントリー風味のパブロック。ここからポール・キャラックが一躍有名になりました。

 

 

【名曲リレー1576】here#2

■Here Tonight / Gene Clark(’73)

ジーン・クラークの「White Light」に続くアルバム「Roadmaster」は確かオランダ原盤で発掘音源を集めた一種の編集ものでした。そこに入った”Here Tonight”は、リック・ロバーツをフィーチャーしたグラム後のフライング・ブリトウズをバックにした緩いカントリーロック。スニーキー・ピートの陽だまり的なsteelが心地いいです。

 

 

【名曲リレー1577】here#3

■Here Comes The Moon / George Harrison('79)

「慈愛の輝き」というよくわからん邦題で知られたDark Horse第2弾は「33&1/3」から久々のアルバム。前作リリース時は大騒ぎでしたが、時代も変わりジョージの音楽がメインストリームからややずれたところにあったためひっそりとリリースという印象あります。それもあって意外といいという印象があります。この曲は”Here Comes The Sun”のアンサーソングと言われてます。いいメロディです。

 

 

【名曲リレー1578】moon#2

■Spanish Moon / Robert Palmer('76)

日本デビューとなった「噂のロバート・パーマー」に入ったフィートのカヴァー。ヴィネガー・ジョー解散後現代的なファンクを構築してきたパーマーは、好んでフィートの作品をとりあげてきました。ここではローウェルの参加はありませんがポール・バレル、ビル・ペイン、リッチー・ヘイワードが参加。このトランプで負けた女性の服を脱がそうとするというジャケットは今なら問題になるかも(^^;

 

 

【名曲リレー1579】moon#3

■Shoot For The Moon / Gary Kuper('71)

ウッドストック(地名)系のsswとして紹介されたこともありますがほとんど無名のゲイリー・クーパーの71年の唯一作「Shoot For The Moon」(Polydor)のタイトル曲。ヴァン・モリソンがウッドストックで活動してた頃のジョン・プラタニア(g)やジェフ・レイブス(kb)が参加しています。弾き語りのこの曲は深く沁みるナンバー。CD化もされてるんで見つけたらぜひどうぞ。

 

 

【名曲リレー1580】shoot#2

■If You Weren't So Romantic I'll Shoot You / Derringer('78)

デリンジャー末期のこのアルバム妙に好きなのです。ハードロックだけでなく甘くポップな曲があるというのも見逃せません。”If You Weren't So Romantic I'll Shoot You”はタイトル曲で、アルバム邦題は「ロマンティック・シューター」だった記憶。これでデリンジャーとしての活動は終わりですが、マイロン・グロムバッカー(ds)はパット・ベネターのバンドへ、ケニー・アーロンソン(b)は、HSAS(ヘイガー・ショーン・アーロンソン・シュリーヴ)へ。リック・デリンジャーはソロになります。

 

 

【名曲リレー1571】my#3

■My Time Ain't Long / Canned Heat('70)

キャンド・ヒートの「Future Blues」('70)からの”My Time Ain't Long”はアル・ウィルソン(この後急逝)の少年のような素朴なvoのブルーズ。後半のインストパートではハーヴェイ・マンデル熱演。ドクタ-・ジョンがゲストで加わったこのアルバムはかなり自由解釈のブルーズらしい。

 

 

【名曲リレー1572】long#2

■Long Distant Winner / Buckingham Nicks('73)

フリートウッド・マックに加わる前に組んでたバッキンガム・ニックスは、このカップルがマックに持ち込んだものの原石がたっぷり楽しめる1枚で、これほどのものが当時アメリカでくすぶってたのはやはり層の厚さだろうなあと思わざるを得ないんです。いかにもリンジーらしいいやらしい感じのアコギのイントロで始まる”Long Distant Winner”も力強いフォークロックです。

 

 

 

【名曲リレー1573】long#3

■It's Taking So Long / Kathy Smith('72)

キャシー・スミスは、カリフォルニア出身のsswで、フリー・フォークがもてはやされた00'sにちょっと話題になりました。デビュー前のジャクソン・ブラウンやパメラ・ポランド、ジミー・スフィーリスなんかと交流があったりしたそうです。デビューはMGM傘下のStormy Forest(リッチー・ヘイヴンスもここに所属)からで2枚出してます。どういう経緯かワイト島フェスにも参加しています(日本では情報も入ってこなかったものですが)。一部で話題となった72年の「2」はNY録音で、ヤン・ハマー(kb)、ドン・アライアス(ds)他ジャズ系の人たちが参加して、意外な展開。曲は自作とジャクソン、スフィーリス、パメラのカヴァーです。動画の曲はジャクソン・ブラウンの未発表曲。

 

 

【名曲リレー1574】so#2

■He's So Shy / Pointer Sisters(’80)

ポインター・シスターズよく挙げますけど、さして興味があったわけではないものの、当時にチャートにはよく顔を出しててしっかり覚えてるんです。マイケル・マクドナルド的なコード進行のシンセが入ったAOR的な作風でした。#3 まで上がる大きなヒットになっています。邦題は”内気なボーイ”だったかな。

 

 

【名曲リレー1575】so#3

■So Here We Are / Starcastle(’79)

デビュー当時はイエスのクローンぶりばかり語られたのですが、79年の「Real To Reel」あたりになるとオリジナリティも出てきます。初期のシンセ・オリエンテッドから抜け力強いgとコーラスを生かした音作りで、産業ロックと皮一枚で隔ててる(この辺のさじ加減はビミョーで下世話になるかならないか、ヒットするかそうでないか、もホント些細な事で変わりそう)感じ。voが最初期のREOスピードワゴンのテリー・ラトルです。