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小説侵略!ケロロ軍曹 愛爆発!地球消滅5秒前!! あすか正太:著【新刊購入】

小説侵略!ケロロ軍曹 
愛爆発!地球消滅5秒前!!

吉崎観音:原作  あすか正太:著
角川書店 ISBN:4-04-853942-6
2006年1月発行 定価567円(税込)









人気漫画、人気アニメの「ケロロ軍曹」が小説で登場。書店で平積みされていたので、思わず新刊で買ってしまいました(^^ゞ

独立した4本の短編を収録。字も大きいし、セリフが多いので、大人なら1時間もしないで、パーっと読めちゃう感じでしょう。


愛爆発!地球消滅5秒前!

クルルが開発した惚れ薬“チューチュードレイン”…冬樹に使おうとした桃華は自分に液体がかかってマンガ研究部の部長山口先輩に一目惚れ!夏美に使おうと思ったギロロは、ケロロにかけてしまい、ケロロがギロロに惚れてしまう!

アニメは見ているけど、コミックは読んでないので…山口先輩が分からない。セリフの中で、コミックのどの部分に出ているか詳しく説明されていた。


走れメロス…じゃないケロロ!友情のために


ケロロ小隊と軍事同盟を結んでいる友軍ラライブ・ドアン軍のホリ・エイモンドに捕まってしまったケロロとギロロ。冬樹とガンプラと買いに行く約束があったので、3時間で帰ってくるからとギロロを人質に差し出し…とんずらしてしまうのだが…。

凄いタイムリー…ライブ●アネタ。ホリ●モンそっくりの宇宙人が、ケロロ小隊が侵略しようとするペコポンを横からかっさろおうとする話。ついでにガンダムSEEDのパロディまで…。


ブチキレ ドロロ!

いつものようにトラウマスイッチの入ってしまったドロロ…その隙をつかれ吸血宇宙人フォーティに身体を乗っ取られてしまいケロロ小隊に牙を剥く!

これまた懐かしい某アニメのパロディがメイン。あとムシキングならぬ、ムシムシキングダム(キングダムってガンダムWのサンク・キングダムから取ったのかな?って思った)が重要アイテムとして登場。


愛は地球を侵略する!


突然、ケロロを慕う美少女カスミが現れた!嫉妬にかられるタママをよそに、新たな地球侵略作戦が計画された!

某昔話のパロディ…で、案の定のオチ。ちょっぴり悲しい結末になっているのは、ケロロには珍しいんじゃない?別に泣けないけど…。


映像で見るのと違って、ギャグとかちょっとスベリすぎ…。ずば抜けた面白さを感じられない。字もでかいし中身はちょっと薄いですね。






個人的採点:55点







ヤングガン・カルナバル バウンド・トゥ・バイオレンス 著:深見真

ヤングガン・カルナバル
バウンド・トゥ・バイオレンス
 

深見真:著
徳間書店 ISBN:4-19-850681-7
2005年10月発行 定価860円(税込)









先日読み終ったばかりの「ヤングガン・カルナバル」の続きを、偶然100円コーナーで見つけたので(10月に出たばっかじゃん)…ソッコーでGETして、真っ先に読んでしまった。

高校生でありながら犯罪組織ハイブリッドの殺し屋である木暮塵八と鉄美弓華。彼らの生活拠点でもある、窪内市では水面下で、暴力団や外国人マフィアたちの勢力争いが続いていた。いつものように殺しの仕事をしている最中に、幼児人身売買の被害者と遭遇してしまった塵八。その少女を助けてしまったことからピンチに陥る。弓華の前には…弓華の母に恨みを持つ殺し屋が現れ、逆恨みで戦いを挑まれる。それぞれ別々の敵と戦っていたのだが…。

1作目のラストでは…完璧に続編を意識した終り方になっていたのだが、今回は前作から続投のレギュラー登場人物に加え、敵も味方も、その他大勢、グンとキャラクター数が増えた。このままレギュラーになりそうなのも、1回きりのやられ役もとにかく登場人物が多くなったので、頭がグチャグチャ。前作より、ややテンポの悪さを感じてしまった。殺し屋の師匠は出てくるし、別の組織のヤングガンも出てくるし、ぶっちゃけ…殺し屋版“スプリガン”みたいになってきたよ。

高校生活と殺し屋という相反する二重生活なギャップが面白かったのだが…続編になった途端、事件の方が話のメインになってきちゃったのね。主人公たちの壮絶な過去が…1巻以上に掘り下げられていたりして、もちろんシリーズものとしては興味深く読めるのだが、単発で考えると、1作目の方がインパクトが強かったね。

その分、エロさ、バイオレンスの鬼畜さなんかはグレードアップしたのかなって感じ?銃、映画、アニメに関するオタク知識は相変わらず豊富で楽しい。

既に3作目の発刊も決まっているそうで…次は100円を待たずに新刊で買っちゃいそうだなぁ(爆)






個人的採点:65点








ST 警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル 著:今野敏

ST 警視庁科学特捜班 
赤の調査ファイル

今野敏:著
講談社 ISBN:4-06-182324-8
2003年7月発行 定価798円(税込)








今年になって自分が読んだ4冊目のSTシリーズで、第5作目の赤の調査ファイル。

インフルエンザと大学病院の診察を受けた患者の様態が悪化し…死亡した。処方された薬物でのアレルギー反応が原因なのだが、医療的なミスはなかったと病院側は主張する。納得できない家族は告訴に踏み切るが、民事訴訟では完敗。次の手段として、刑事告訴で再度訴えたを起こしたことから、捜査の役目がSTメンバーにも廻ってきた。さらに訴えられた大学病院は、STのリーダー的存在の赤城がかつて研修医をしていた病院であり、なにやら確執めいたものがあるらしい…。

前作あたりでは、だいぶオカルトっぽい内容だったのだが…今回は大学病院の医療ミスという、社会派サスペンスに様変わり。同一シリーズでありながら、内容がワンパターンにならないのはさすがですね。

昨年末…ウチの祖母が病院に入院したりして、色々大変だったのだけど、なんかその時の医者の対応とかをダブらせてしまった。大きな病院へ行くとたらいまわしにされるし…それでいて医師同士の横のつながりが悪いので、段取りの悪さに苛立ちを覚える。確かに、それが生死に関わる大きな怪我や病気だったら、大変なことだよね…。

病院、医者の独特な世界というのは…アメリカのTVドラマ「ER 緊急救命室」とか、日本でも似たような漫画やドラマがヒットしたので…目新しくもないのだけど、現在の医療現場での問題点を描きながら、その中でおきた医療ミスを、どうやって、事件として立証していくかという内容は、なかなか面白かった。いつものように、摩訶不思議な殺人事件より…もの凄くリアルに、身近に感じる題材だった。

それでいて、レギュラーキャラクターの因縁話などもしっかり絡められており、ストーリーに手抜かりはない。今回も面白かった。






個人的採点:65点






ヤングガン・カルナバル 著:深見真

ヤングガン・カルナバル

深見真:著
徳間書店 ISBN:4-19-850671-X
2005年6月発行 定価860円(税込)









ライトノベルをやや大人向けにした感じの作品が多い、徳間ノベルEdgeから出ている「ヤングガン・カルナバル」を読んだ。前にこの作者の「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」を買ったことがあるんだけど、実はまだ読んでいない。

光善寺高校の漫画研究部に所属し、ごく平凡にみえる木暮塵八、同じ学校に通うくボーイッシュで同性愛者の鉄美弓華は…実は犯罪組織ハイブリッドの殺し屋だった。普段は普通に学校生活を送っているが、白猫と呼ばれる組織のボスから呼び出しを受けると、凄腕の殺し屋に大変身する!お互いの正体は秘密であり、今までは2人が接する機会はなかったのだが…それぞれ単独、別行動で動いていた仕事が思わぬところで交差する!?

銃オタクな作者であり、かなり銃の描写が詳しく描きこまれているのだが、それに加えてアクション映画も大好きときている。色々なものを形容するのに、メジャーからマイナーまで実在の映画のタイトルを引き合いに出したりするところが、自分としては結構ツボだった。下手な日本語を喋る外人に…“リトルトーキョー殺人課のドルフ・ラングレンみたい”と描写してみたりね、かなりマニアだは、この作者。

主人公たちが武器を調達する場所が“飛虎”という、表向き香港映画を中心としたアクション映画DVD専門店。“飛虎”とは、SDUという香港警察の特殊部隊のことで、ズバリ“飛虎”というアクション映画が、その昔あったもんね。

最後は映画化、Vシネ化もされた某劇画のようなオチまでついていて…けっこう笑わせてもらった。既に続編も出ているみたいで、そういうのを感じさせる終わり方にはなっていましたね。続きがぜひ読んでみたいです。

銃や映画の専門描写が詳しい作家さんもいっぱいいるけど、そこにライトノベル的な軽いノリも加わっていて…スピード感と、快活さでエンターティメントとして楽しめる。物凄い殺戮シーン、バイオレンスシーンもいっぱい出てくるのだが、萌え要素なんかが適度に入っていて、そのギャップが楽しく、陰惨な雰囲気を程よく緩和していた感じだ。薄すぎず、重すぎず…文章のバランスがよく、読みやすかった。






個人的採点:70点







藁の楯 著:木内一裕

藁の楯

木内一裕:著
講談社 ISBN:4-06-212640-0
2004年10月発行 定価1,575円(税込)









「ビー・バップ・ハイ・スクール」の原作者、きうちかずひろが、木内一裕という本名で描いた初の小説。ガンアクションが得意な映画監督としても有名なだけに…映画を見ているようなアクションターティメントとしてなかなか面白い!

幼女を暴行のうえ殺害した犯人、清丸国秀は逃亡中だった。過去にも同じような事件を起こし、刑務所から出てきたばかりだったのだ。そんな彼を殺した者に賞金を払うと 遺族の身内が十億円の懸賞金を懸けたことから事態は思わぬ方向へ。生命の危機を察知した清丸は保護を求め福岡県警に自首。警視庁SPの銘苅は、捜査一課や福岡県警刑事たちとの混成チームで、警視庁への護送を命じられ、犯罪者の護衛をするはめになってしまった。案の定、10億円という大金に目がくらんだ輩が次々と清丸の命を狙い始めた…!一般市民はおろか…警察関係者の中にも不審な動きをする者が!果たして、無事に警視庁までたどり着けるのか?

まるでハリウッド映画の「S.W.A.T」のような展開。映画は麻薬王が逃げるために、奪還に成功した人間に本人が成功報酬を払うという内容だったが…こちらは、被害者の遺族が復讐の為に実行するのだ。賞金を懸ける人間の立場が変わっているのだ。ハリウッド映画レベルの話を、日本に置き換えても…小説的なリアルさを損なっていない設定、人物描写がよく描けていたと思う。

小説は初めてだという著者だが、漫画や映像で成功しているだけあって、ストーリーの組み立て方や文章力などは上手なのだろう。単純で直球勝負…エンターティメントに徹していて、テンポの良さが一番の魅力。お得意の詳しい銃器描写なども、雰囲気がよく出ていて好きな点。

映画監督もこなす著者だけに、自分でこの作品を是非、映像化して貰いたい。






個人的採点:70点








アイズ 著:鈴木光司

アイズ

鈴木光司:著
新潮社 ISBN:4-10-378608-6
2005年5月発行 定価1,470円(税込)









「リング」でお馴染み、鈴木光司の短編集…。いくつも、何度も映像化された「リング」だけど…やっぱり怖いのは小説だけだ。あの怖さをもう一度味わいたくて…何度か鈴木光司の作品を手にするのだが、正直「リング」以来、恐怖を味わったことがない。今回も短編なので…案の定でした。ただ、中にはオチも程よく決まって面白い作品が何作かありましたね。

鍵穴
同級生の友人が、新しいマンションに引っ越したということで、久しぶりに会いに出かけ松浦は、その場所に見覚えがあった。同級生の大石は、自分たちが幼少の頃から憧れていたマドンナと結婚していたのだが、松浦と大石には彼女に秘密にしている事があった。それは…彼女のことを想っていたもう一人の男のことだった!

偶然なのか、必然なのか?物語の結末より…一人の女に執着しすぎた男の運命の虚しさ、儚さがよく描かれています。あんな格好で死にたくないなぁ…。

クライ・アイズ
ホテルの一室で、正面のマンションの住人に見えるように、女性を辱めている男がいる…一方、愛人を訪ねマンションを訪れた川瀬は、約束をすっぽかして居なくなってしまった相手を不審に思う。そんな時にマンションの正面に立つホテルの一室で自分の愛人らしき女の足が見えた…。

一番、この短編集で面白かったかな(おまけにエロイ)。どこかで感じていた違和感が、驚きに変わり…さらにって展開もある。短編としてよくまとまっていた。


夜光虫
恋人とその友人に誘われて、娘を連れてヨットでナイトクルーズに出かけた倉田貴子。目を離した隙に、娘が居なくなってしまった!そして、その時、海面に…。

イマイチ、ピンっとこないなぁ。

しるし
家族と共にマンションで暮らす小学生の由佳里は、玄関のドア前に度々現れる人影に脅えていた。その人物が現れると、玄関に決まってマーキングが残されているのだ。その意味は一体?影の正体は誰なのか?

一時期、実際に話題になったマーキング被害と、ホラーを結び付けています。一瞬、ホラー、オカルトっぽい結末じゃないじゃんと思わせておいて…。


親しい女性から映画に誘われた名波啓二…面白くもないその映画の中に現れたある風景に見覚えが合った。幼い頃の記憶が曖昧なのだが、確かにその風景の場所を自分は知っている!場所を調べた名波はその場所へ向かうのだが…。

最後でえっ?ってなります。自分がオチをしっかりと理解しているかも、自信ないなぁ~。たぶん、主人公の名波は●●●たのか?じゃあ、あの彼女は誰?

杭打ち
愛人とゴルフへ出かけた野末は、ゴルフ場の池で矢のような物が刺さった死体を発見した。一時は騒然としたゴルフ場だったが…結局は自殺として処理されてしまう。明らかに他殺だった筈なのに、何故、警察は自殺というのか?気になり始めた野末は事件の裏に、金づるになるような隠し事があるのではないかと考え調査をはじめたのだが…。

ホラー作品として無難な感じの作品だった。伏線とオチもしっかりと結びつくし。そのオーソドックさで、安心してホラー小説として楽しめたかな。

タクシー
不倫の末、ようやく結婚までたどり着いた詳子だったが…相手が事故死してしまい、呆然とする。あの時、自分が電話さえしなければ…。タクシーに乗り込んだ詳子は、彼との馴れ初めや、事故について回想し始めるのだが…やがてあることに気になり始めた。

やや感動系かな?ホラーというより、ファンタジーっぽかった。


町営アパートで続発する怪異な現象…その土地と、そこに住んでいるある家族の先祖が関係してきた因縁めいた物語。

戦国時代…織田信長がどうたらこうたらって話から始まって、終戦後の不幸な女性の話が語られる。それらが3章目の現代の話に結びついてくるんだけど、ストーリーがどうのこうのというよりは、死のあっ気なさというのを実感させられ、色々考えてしまいます。登場人物の一人、小学生の女の子は、そのあっ気なさから何かを悟ります。

見えない糸…あとがきにかえて
原作者が実際に遭遇した不思議な出来事…ある作品の元になった不思議体験を、小説風に記したもの。

元ネタも意外と不気味でしたよ…(笑)



話のほとんどが色恋、性絡みなのね(笑) 科学では証明できないような不思議な現象が描かれているのだけど、全体的に想像していた怖さは味わえなかった。「クライス・アイズ」「杭打ち」あたりは個人的に好きなタイプの作品。






個人的採点:65点







ST 警視庁科学特捜班 青の調査ファイル 著:今野敏

ST 警視庁科学特捜班 青の調査ファイル

今野敏:著
講談社 ISBN:4-06-182307-8
2003年2月発行 定価840円(税込)








STシリーズ、連続3冊目だが…こちらはシリーズ4作目。この間に「黒いモスクワ」って作品があるのだが持っていないんだぁ。チラっと、モスクワへ行ったみたいな記述が今回の本編で出てきたけど、特に内容には触れられていなかったので、順番も関係ナシに、独立して読めますね。

心霊番組のTV取材班のスタッフが、幽霊が出ると噂されるマンションの一室で変死した。取材に同行していた霊能者は、“霊障”…霊の祟りが原因だと言う。STをライバル視する川那部検死官は…簡単に事故死と判断するが、STは遺体や現場の状況から推理して反撥する!さらにプロファイル担当の青山はしきりに心霊現象や霊能者に興味があるようだが、本当に事件に関係があるのか?

2作目もゾンビなんてオカルトめいた話が出てきたが、こちらはさらにホラー小説でも読んでるかのような展開に!こういう状況を、いかに科学捜査で打破するかが最大の読みどころか?犯人の意外性などはイマイチだったが…霊の正体を暴くところなんて、なかなか面白かった。

とりあえず、STシリーズはあと2冊持っているけど…気分を変えて次は他の作品を読もうっと。






個人的採点:65点







ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人 著:今野敏

ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人

今野敏:著
講談社 ISBN:4-06-182095-8
1999年9月発行 定価819円(税込)









前回に続き、今野敏のSTシリーズを読んでしまった。これは2作目にあたる。

代々木公園で発見された変死体…本庁の検死官は事件性はないと判断したが…STメンバーは異を唱えた!解剖の結果、死体から毒が検出され…殺人の可能性が出てきた。その直後、似たような変死体が今度は世田谷公園で発見された。被害者同士の接点がなかなか見つからないのだが…連続殺人事件なのか?

自己啓発、女子アナブーム…おまけにゾンビなんていうオカルトめいた話まで飛び出し、これらを…例の如く人癖あるメンバーが解決してゆく。 キャラクターに頼ったシリーズものだと、似たり寄ったりな展開になりがちだが、1作目とはまったく雰囲気の異なる展開。

STや捜査陣のほかに、事件に巻き込まれる女子アナの視点も描かれているので、スリルとエロティックさが味わえた。実際の女子アナさんの顔を思い浮かべながら…きっと、こんな風に、野心があって、それでいてエロイんだろうなぁって想像してみたり(そういえば、TBSのゆうこりん…青木裕子アナが不倫だってね~、結構、最近の若手女子アナのなかで気に入っていたのに、ちょい幻滅)

メンバーの登場シーンなどは、毎度のお約束のパターンもあり、安心して読めますね。実は3作目がなくて…4,5,6作目を持っているんだけど、毎回話は独立しているようなので、続けて4作目を読もうかと思っているところだ。


文庫版はコチラ⇒ST警視庁科学特捜班―毒物殺人







個人的採点:70点







ST 警視庁科学特捜班 著:今野敏

ST 警視庁科学特捜班

今野敏:著
講談社 ISBN:4-06-182010-9
1998年3月発行 定価798円(税込)










もう7年も前の作品なんですね…読もう、読もうと思って、なかなか読んでいなかった今野敏のSTシリーズを今ごろ読み始める。コツコツと古本で買い集めて、あと4冊ほどこのシリーズのノベルズ版を入手してある。初期のものは既に文庫版も出回っているけど…ノベルズ版で拘って集めている。

都内のマンションで女性の死体が発見された!室内は荒され、女性は暴行を受けている模様だ。この事件に、百合根警部率いる警視庁科学特捜班、通称STが参加。現場の刑事たちと対立しながら独自の方法で証拠を見つけ事件に迫る!さらに類似の事件が発生し…捜査本部では別の事件として扱う方向に意見がまとまりかけていたが、STのプロファイル担当、青山は同一犯の可能性を示唆する!

アメリカのTVシリーズ「CSI:科学捜査班」が始まる以前に、このテーマに目をつけた今野敏はさすがですよね。こちらのシリーズの方が、CSIよりも、キャラクターに一癖も二癖もあります。今野敏お得意のリアルな格闘描写もしっかり描かれており…なおかつ事件解決の糸口にもしっかり組み込まれているあたり上手です。

猟奇殺人、新宿歌舞伎町を舞台にしたアジアンマフィアたちの抗争とスリリングに描き、キャラクターも特異なんだけど警察小説、推理小説として大きく逸脱していないところがいい…。エンターティメント小説として単純に面白い。


文庫版はコチラ⇒ST警視庁科学特捜班







個人的採点:75点







上海哀儚 BLOOD THE LAST VAMPIRE 著:藤咲淳一【新刊購入】

上海哀儚
BLOOD THE LAST VAMPIRE

藤咲淳一:著
角川書店 ISBN:4-04-380901-8
2005年12月発行 定価540円(税込)








人気アニメ「BLOOD+」の元ネタでもある「BLOOD THE LAST VAMPIRE」の小説版。長らく絶版だったが、角川ホラー文庫でようやく復刊!ずっと読みたくて、古本でハードカバー版を探していたのだが、なかなか入手できず、今回の復刊で思い切って新刊で買ってしまった!「BLOOD+」の監督でもある藤咲淳一が手がけている。

1931年の上海…抗日運動が高まるなか、一人の少女を愛した鬼と、日本刀で鬼狩りを続ける音無小夜は出会っていた!1989年…新宿で起きたある事件の裏に、鬼の存在を感じ取った音無小夜は、事件を追って横浜中華街へ向かうのだが、その影に過去のある因縁が関わっていた。

実は藤咲さんが書いた、もう一冊のBLLOD~の小説を読んだことがあるのだが、そちらはいかにもアニメ作品のノベライズで、ちょっとライトノベルっぽいものに近かったのだが…この上海哀儚は、角川ホラー文庫で出すだけあって、しっかりとホラーテイストが満載で、BLOODを知らなくても、独立して楽しめるような読み物に、しっかりとなっていた。ところどころ淫靡な描写もあり、雰囲気が出ていた。

途中、抗日運動とか…勉強不足で馴染みの薄い題材だったので、構えて読んでしまったのだが、最後まで読むと、本質は別のところにあったので、あまり難しく考えることないんだなって感じだった。

著者もあとがきで語っていたのだが…影蘭という登場人物が、アニメ「BLOOD+」のモデルになっているということで、妙にクールなイメージが似ているのね。この影蘭が、はじめから鬼だなって分かってしまうのが、ちょっともったいなく、上海編でのオチが読めてしまうあたり、ちょっと物足りなさを感じた。






個人的採点:70点