新宿に着いたのは18時だった。
けっこう僕にしては早い。
もちろん〆のラーメンである。
迷うことなくラーメン二郎新宿歌舞伎町店へ行った。
僕の前に並んでいた10代後半もしくは20代前半の男性2名の会話は聞き耳をたてずとも至近距離だし入ってくる。
どちらも二郎ははじめてということで食券販売機の前で迷っている。
大盛りにしようかと話していた。
自分はいけいけ、大盛りにしろとちょっとどういった結末になるか見てみたい気になっていた。
その昔、自分も二郎がわからずみんながラーメン小を注文していることがわからず自分だけが大盛りにしたことがあった。
二郎のラーメン小は普通のラーメン店の大盛りか特盛りにあたる。
二郎の大盛りなんてものはめったにたいらげることはできないしろものなのだ。
若い男性二名は店内の様子をみながら話していた。
「マシマシもできるんだ?」
「じゃあ大盛りにしないでもマシマシにすればいいんじゃない?」
自分は思った。
「やれやれ、マシマシにして苦しめ!!」
結局その二人は普通盛りの食券を買った。
その後、マシマシにしたかどうかはわからない。
店に中に入って10数名が並ぶわけだけれども厨房からは、
「食券を見せてください」
と言われる。
するとほとんどの人が厨房のほうへと進み食券を差し出した。
「そんなに来ないでいいです。その場で食券を見せてください」
どうもこの日は二郎が初めてという若い人たちばかりだったようだ。
そして厨房からはいつものようにかためや少な目はないですねと確認。
自分ひとりだけが少な目を申告。
「少な目で御願いします」
厨房からは食券をこのように折るように指示。
これが少な目。
前回だったか僕はここで少な目ではなく「普通」にして野菜は「マシマシ」にした。
厨房からは、
「ちゃんと全部食べてくださいよ」
と念をおされた。
今回はチャレンジをやめたのである。
普通にたいらげて普通に二郎を楽しもうということでネ。
もちろん二郎は無料でマシやマシマシができるしこれ全部をたいらげることができるだろうかと不安になるものの、食べきったときの達成感というか、満足感というか・・・・それも楽しみの中のひとつなのだけれどもネ。
新宿歌舞伎町店にもしも行こうという方がいらっしゃったらざざっとルールを僕が知る範囲でご説明しよう。
❶まず行列に加わる。
❷食券販売機のところまできたら食券を買う。
❸店内で並んでいると厨房から食券を見せてくださいと言われるので見せる。
❹冷水器がありそこにレンゲもあるのでコップにセルフで冷水を入れレンゲをコップの中にさして並ぶのもあり。
❺厨房からここに座ってくださいと言われるのでそこに座る。
❻厨房から「ニンニク入れますか」とか「ご希望をどうぞ」と言われる。いわゆるコールというやつだ。
❼歌舞伎町店の場合はマシマシにも対応しているので自分の希望を伝える。
ヤサイ、ニンニク、アブラ、カラメの4つの中からの希望だ。
なにもない場合は「そのままで」と言えばいい。
そして歌舞伎町店の場合は少しだけ増すということにも対応してくれている。
だから次のようなコールとなる。
「ヤサイちょいまし、ニンニク」
これはヤサイの「マシ」で増量するところを少しだけ増量というコール。
そして「ニンニク」とコールするとニンニクの量が増すのである。
ヤサイ、ニンニク、アブラの全部を増やしたいときはそのまま、
「ヤサイ、ニンニク、アブラ」でOK。
緬のゆで加減にも対応してくれているのだけれども、これにはあまりコールをする人はいない。
あるとき「バリカタ」とコールした人がいて厨房ではどうしようかということで相談となった。
珍しいことだけれどもどうも「バリカタ」というのもあるようだ。
厨房ではOKということで対応した。
二郎ではコールのことを「呪文」などとも言うのだけれどもわからないときは率直にきいてみるというのも手である。
そんなに怖いお兄さんたちではないのできけばちゃんとこたえてくれるはずだ。
コールにはきまりがあるようにもおもえるけれども、たとえばわからないのなら、こんなことも可能だと僕は思っている。
「はじめてなので、野菜を少しマシでニンニクはなしでアブラは少な目で御願いします」
これで充分だと思う。
この日の僕は野菜不足。
だからマシマシも考えたのだけれども静かに久しぶりの休みを終わらせたかったし次のようなコールとなった。
「ニンニクマシマシ、ヤサイ、アブラで御願いします」
マシマシはニンニクだけにした。
あとはヤサイマシ、アブラマシである。
これを店内に貼られている「ヤサイ、ニンニク、アブラ、カラメ」という順番通りにコールすると伝わらないこともあり得る。
僕の場合はニンニクだけマシマシ。
それを順番に言うとこうなる。
「ヤサイ、ニンニクマシマシ、アブラ」
これではヤサイとニンニクをマシマシにしてアブラはマシと勘違いされてしまう。
だからマシマシにしたいものを先にもってくるのである。
ニンニクマシマシ、ヤサイ、アブラ
これで伝わる。
写真を見ればニンニクの量がはんぱないということはわかる。
でもどのくらいのボリュームなのかということはわからない。
やっぱかなりありますよ(笑)
それとこの日はキャベツが厨房にあったのになぜかしら「ヤサイ」はもやしだけだった。
丼を180度まわしてパチリ。
二郎ではチャーシューのことを「ブタ」と呼ぶ。
これはチャーシューのはじの部分もありますね。
ほんと忙しいお店なのだけれどもチャーシューはあらかじめ切っておかずになるだけ切ってすぐの状態で出すように
しているようだ。
ほんと美味しいチャーシュー。
写真では乳化の度合いがわからないのだけれども、自分的にはけっこう乳化されたスープと感じている。
そしてヤサイはシャキシャキでありつつ、少しだけ柔らかさがあって、緬やスープとのなじみがいいのだ。
二郎はどっさりたべきって大満足ということが基本と思っているナルナルだけれども、
ラーメン自体も美味しいと思うのだ。
少しだけ昔に「無化調」というラーメンがもてはやされたことがあった。
二郎は真逆を行く。
誰でも見える状態で白い粉をスプーンでどばっと投入している。
ちゃんと豚骨などでスープを仕立てていて出汁もよく出ているのに化学調味料を大量に使うのだ。
まあそれが僕たち日本人の伝統の味、昭和からのラーメンスープの味であり、多くの人に受け入れられる味なんだろうね。
ヤサイ、ニンニク、アブラがどっさりでマシマシができて、がっつりいけるジャンクなラーメンというのが二郎。
じゃないですね(笑)
二郎は奥深いものがあるとジロリアンかけだしの僕は思います。
船橋日記最後となるけど、僕の右隣には若い女性2名が座ってた。
とても二郎に入るような服装ではなくよそいき。
ラーメンのスープでも服に飛び散ったらたいへんというような服装だ。
二人は悩んでいた。
「どうする? まだがんばってみる?」
そんな会話がいやでも耳に入ってくる。
おひとりは半分くらいまで食べていてもうおひとりは半分まではたべていなかった。
二人ともすごく気まずそうにしていて、このまま残したまま店を出るのかもう少し頑張るのか話し合っていた。
残して帰ると怒られるのではないかと、そんなことも考えているように見えた。
ともかくお二人とも困っていて暗い表情だった。
結局、お二人は申し訳ないといった感じでほとんど残してだまって席を立ち店を出ていった。
厨房はそういったことは全部お見通しだった。
みんながたべおわって出ていってもそのお二人はラーメンを前に悩んでいたのだから厨房がわからないはずはない。
二人がでていく背中越しに厨房からは声がかかった。
「ありがとうございました!」
二郎って怖くない。
むしろ優しいんだって・・・まあ・・前から思っていたけどそういった店なのだ。
お二人が出ていくと今度もまた若い女性2名が僕の隣に座った。
リピーターのようでコールもすんなりやっていた。
僕は二郎なんて自分とは別世界の人たちが食べているものだと思っていた。
でも昨年から二郎に目覚めたというか(笑)
なんだろね。
二郎はラーメンではなく二郎という食べ物だと言われるけれども、たしかにそう思う。
なんかやみつきになるんだよね(笑)
二郎のラーメンは身体にいいものばかり。
でも「家二郎」をやっていて二郎っぽくないと感じるあたりで「豚の背脂」がけっこう二郎を二郎にしているという
ことがわかってきた。
もやし、キャベツ、ニンニクは身体にいいと言えるのだけれども豚の背脂は歓迎されたものではない。
う~~ん、背徳感がある・・・・
二郎ってたぶんそういったラーメンなんだろね。
2024年 ラーメン100杯はやらないけどとりあえずカウントとおすすめ度(★★★★★★)
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