青蓮寺湖畔道路を走り、弁天橋手前で左に折れ布生方面に向かう。

 

 見おろす湖が渓流に変わるとすぐに百々地区の入り口だ。布生方面に向かう県道は直進だが、百々地区に向かうため右折する。

 

 青蓮寺湖から布生方面に向かうこのルートは、ロードトレーニングコースで終業後に良く走っていたが、百々地区に入るのは名張に30余年住んでいるが、今回が初めてだ。

 

 百々地区は大きな集落ではないので、すぐ林道に入る。道沿いは渓流が途絶えることはなく、淵沿いで脚を止めると必ず魚影が見える。キャンプ場があったのか、バンガローの廃屋も見えた。

 

 むき出しの柱状節理、大きな岩塊、浸食された谷を渓流が流れるのが、室生火山群に含まれるこのあたりの峠道の特徴だ。

 

 布生に向けて緩やかに勾配を上げていく気持ちの良い道だ。大きな三差路に出合いGPSで先を確認してみたが、右折先は行き止まりだった。

 

 ここからほどなく布生の見慣れた風景に合流し、つつじが丘団地の裏手に回りこむ。天空の住宅団地を一気に下り切り、街に戻った

 

 

 

 

 道の駅奥熊野古道ほんぐう併設のスーパーでおにぎりを買い、伏拝王子方面に向けて走り出す。道中出合うハイカーはすべて外国からのお客さんのようで、日本人は僕とハイカーを送り出すマイクロバスの運転手さんだけだ。

 

 ここから熊野古道を外れ、龍神本宮林道に入る。

 

 三越峠休憩所で外国から家族連れのお客さんに出合う。朝からの好天で水を飲み干してしまったようで、休憩所の水は飲むことができるかと聞かれた。山の水をひいた水道で、自分なら飲むだろうと考え、May beと答えたが、彼らは飲まなかった。子供たちにMay beの水は飲ませられないようだ。浄化フィルターを積んでいれば飲ませてあげられたのに・・・自分のための保険にもなるし、準備しておこう。

 

 峠を越え、トンネルを2つくぐると勢いよく下っていく。

 

 新高尾トンネルを越えて小広トンネル手前で国道311に合流し、左に下りだす。

 北から下ってきたから本宮方面は左折と思い込んで走り出したが、逆方向の古道歩きの里ちかつゆに出た。ショック!小広トンネルへ北から下ってきたが、トンネル上を回り込んで国道の対岸に出ていたのだ。再度同じ国道を登り返し、道の駅奥熊野本宮に帰着。

車に乗り込み、湯泉地温泉『泉湯』で汗を流して帰る。湯泉地温泉の公衆浴場『滝の湯』は秘境感満点、『泉湯』は解放感満点どちらも満点だ。

【十津川村観光協会】 湯泉地温泉 (totsukawa.info)

 

 

 

 

道の駅奥熊野古道ほんぐうを起点に走り出す。

 

 道の駅を出発してすぐに熊野本宮がある。平日とあってか、周辺はインバウンドの外国語が良く聞かれる。

 

 川湯温泉横を通り、静川小学校跡を行き過ぎる。

 

 大塔川に沿って走り、安川林道との分岐をホイホイ坂林道方面に進む。

 

 路面はきれいな舗装路で、落石も少ない。林道の取り付きでは山が幾重にも重なり、見上げると深い山々に圧倒される感じだ。

 

 徐々に勾配を稼ぎ、風景が開けたところで目を上げると、山の端は見上げることもない高さまで低くなり、山の緑に圧倒されていた視界にずいぶん青空が占める割合が大きくなっている。山が重なっているあのあたりが峠かな、と考えながらペダルを踏む幸せ。

 

 左カーブを伴い下り勾配になったので、たぶんこれが峠だろう。あっけなく過ぎてゆく。

 

 峠の先は路面が荒れ模様だ。大きな落石もそのまま放置されている。一部ダートも含まれ、乗用車では通過できないような状態だ。

 

 ゆっくり下っていると、『シャー』とも『ミャー』とも言い難い吠え声とともに何者かが背後に飛びかかってきた。後方の視界を一瞬よぎっただけなので、何者が何か、まで判断できなかったが、反射的にスピードを上げ現場を離れた。30メートルほど離れ停車し振り返ったが ”何者”が見えることもなく、僕の息遣いだけが荒くなっただけだ。

 

 引き返す勇気もなく、また走り出す。また別のところで頭上から同じ吠え声が聞こえたので、振り仰ぐとニホンザルがこちらを見て威嚇しているようだ。さっきのはニホンザルだったかと正解がわかったが、猿が目測を誤ってくれなかったら大惨事になっていたところだ。

 

 県道229熊野川町畝端に出ると和田川沿いを下る。道沿いの送電線は電柱を介するのではなく、道沿いの木々に支えられ、野趣あふれる道だ。

 

 小口自然の家まで出ると、あとはもう車通りのある道だ。熊野本宮大社前を通過し、道の駅に戻った時、少しだけれど雨が降ってきた。

 

 このホイホイ坂って、名前の由来って何なんだろう?

 

 

 

 青蓮寺トレイルと勝手に名付けたが、自宅から青蓮寺林道を経由し赤目四十八滝まで歩いた。


 自宅を出発し、間もなく名張川にかる沈下橋を渡り、青蓮寺ダムまで登っていく。青蓮寺ダム堤頂を渡り、青蓮寺ぶどう園前の桜の古木の下を通り抜ける。桜の丸い葉が幾重にも重なり、木漏れ日が優しく揺れている。

 

 

 集落の裏手に進み田んぼの真ん中を歩いていくと、県道は知らないうちに林道になっている。杉木立の中を登り、B-29爆撃機墜落の慰霊碑を通り過ぎるまで登り続ける。

 

 勾配も落着き、てくてく歩き続ける。再び路面が舗装に変わると今井林道との合流点だ。


 よわよわしいセミの声を聴きながら出合茶屋から赤目四十八滝に入る。

 

 水族館側の遊歩道は渓流と分離されているが、出合茶屋側は渓流まで降りていくので、渓流に手を浸し放題だ。陽光が淵に差し込み、うっとり見とれてしまうほど美しい。

 

 

 遊歩道を抜けると、ちょうど赤目駅行バスの時間だったのでそのまま乗り、名張行電車に乗り継ぎ、本日の歩き旅は終了した。・・・と思ったら、名張駅から自宅までのバスが1時間以上なかったので、追加で40分歩くことになった。

 

 地図上で和歌山県の海岸沿いにアメリカ村の地名を見つけたときは、高度経済成長期のリゾート開発の名残だと思っていた。

 

 ある時、NHK蘇る新日本紀行を見て、アメリカ村はカナダ移民を多く輩出した三尾村の別称で、本来『カナダ村』になるのだが、通称としてアメリカ村となったと。カナダガバメントから年金は来たか?と海辺で焚火を囲むお年寄りの英単語交じりの井戸端会議の風景が放映されていた。

 

 石川達三『蒼茫』、高橋三千綱『葡萄畑』、石川好『ストロベリーロード』・・・移民小説が好きだ。貧困や不条理の中に、何より情熱があふれている。やりきれない描写も多いが、移民たちの見せる情熱に心を動かされる。移民の故郷、アメリカ村を訪れたいと思った。

 

 御坊市のスポーツ公園に車を停めて走り出す。気持ち良い陽光だけど、走り出すと風は冷たく感じる。身体も温まる前に、すぐにアメリカ村に到着だ。

 

 村から日の岬にあるカナダ資料館へ向けて走りだす。

 

 海岸沿いを日の岬へ向けて走っていくと数台の車と行き違う。岬の先は行き止まりなので、みな目的は同じなのか。

 

 街から岬までずっと登りで、勾配が緩いかきついかどちらかだ。

 

日の岬は空と海はともに青く、沖には船の航跡が途絶えることがない。

 

 岬にあるカナダ資料館はすでに閉鎖されており、隣接の国民宿舎も閉鎖されていた。

 

アメリカ村に戻り、カナダミュージアムに立ち寄った。

 

 彼らが移り住んだカナダ・スティーブストンはイチロー選手が活躍したシアトルの近郊で、イチロー選手が移籍した時、シアトルは日系人が多くすごしやすいのではと報道されていたが、三尾村の方々が作り上げたコミュニティーが生きているんだと、複数のピースが繋がった。

 

 

 

 10月に入り、和佐又ヒュッテのレコメンドが入るようになった。閉鎖されていた和佐又ヒュッテ・キャンプ場が再開されたとのこと。子供が小さなころは、お客さんが少ないからと選んでキャンプに行っていた和佐又キャンプ場だ。お盆のハイシーズンでも2~3組しかいなかったのが今は昔の物語だ。

 

 

 上北山村の道の駅に駐車し、大台ケ原ヒルクライムのコースをたどる。ヒルクライムの激坂区間も自分のペースで上ればただの道だ。どんより曇って初冬のようだけれど、陽が差すと秋の風景だ。

 

 

 ゴォーゴォーと頭上を巻く風の音の後はコツンコツンとどんぐりの落ちる音。落石ならぬ『落実~っ』と小さくつぶやいてみる。

 

 

 ザザッと路上の落ち葉がこちらに向かってくれば、鹿の鳴き声も聞こえる。山道の表情は紅葉だけでなく、耳からもうかがえる。

 

 

 大台ケ原ドライブウエイに合流し、山頂を目指すなら右折だが、今日は左に曲がる。ドライブウエイは車が多く、魅力のあるコースには思えなかった。

 

 

 ドライブウエイ起点のトンネルを左に入り、村道を下る。40年前、まだダートだったこの道を下っている途中、サイドバックをキャリヤ枠ごと落としてしまった道だ。

 

 

 村道に入ると雰囲気が変わる。もののけ姫が出てきても違和感がない雰囲気だ。車が入らないというだけで様変わりだ。

 

 

 R169に入り、道の駅に戻る。薬師の湯で汗を流し和佐又キャンプ場に向かう。

風が強かったが、月がきれいに出てくれた。

 

 

 さて、40年前はサイドバックをアイゼンバンドでキャリヤ本体に固定し、小処温泉まで走り渓流沿いの岩風呂に入れていただいた。その小処温泉が11月26日で閉業される。1時期閉館されていたが、きれいな建物で再開されていたことを思うと、寂しい限りだ。建物はまだきれいので、何らかの形で再開してもらえると信じている。

 

 

 

 奥熊野古道ほんぐうから熊野川沿いを走り、川湯温泉方面に入る。

 

 県道229号線は道なりに走ると、成り行きで大塔林道に変わる。ほいほい坂から安川林道方面に向かう。

 

 

 穏やかな勾配、しまったダートの林道で、気持ちよく走れる。花曇りだが、新緑は目に鮮やかだ。何も考えない。ただ、目の前の路面の変化を見ているだけ。

 

 

 豊富な水量の渓谷は、透明な水にブルーのインクを一滴たらしたような薄水色で、高度差のある林道から下を覗くと足がすくんでしまう。

 

 もし今、大地震が発生したら、岩肌が崩れ岩の下敷きになるか、路肩が崩れ奈落に落ちるか、しかも誰にも気づかれず行方不明の数字の中に埋もれてしまうだろう。

足早に通りすぎるに限る。

 

 林道上には素掘りのトンネルというか、単に岩を掘りぬいたモノが並ぶ。

 

 

 林道の4つ辻も珍しい。

 

 峠の大杉トンネルを越えると、路面は舗装に変わる。峠を越え、少し下っておにぎりを食べまた下る。

 

 安川渓谷を見て下り、乙女の湯の冨里に出る。逆方向に安川林道を登った時はなかなか良い印象だったけれど、下ってしまえばあっという間だった。

 

 乙女の湯に入ったときに乙女の名前の由来は写真で見ていたが、実物をはじめてみた。

 

 県道217号に入り、中辺路沿いを走る国道311号を飛ばして道の駅に戻る。

 

 道の駅からサイクルジャージのまま車を運転し、十津川温泉の公衆浴場『滝の湯』に向かう。源泉かけ流しの熱い湯につかり、今度は温泉だけでも来ようと思う。

 

 

 

 四万十川キャンプ場に車を置き、町中に走り出す。

 自転車が走る右岸道路から、大きく広がった河口が海に向けて緩やかに離れていく。河岸の草原にはアザミがきれいに咲いていた。

 

 海岸寄りを走れるように、半島を時計回りに走ることにする。国道321号からそれると、山中の道は一気に細くなる。“遍路みち”の手書きの道標があちこちに立っている。

 

 海が見える道に出ると対向2車線の道が続き、あまり面白い道ではない。

 

 足摺岬直前に道が細くなるが、すぐに開け足摺岬入り口だ。

 

 車の人、単車の人、お遍路さん、日本語、外国語、入り乱れた観光地だ。

 

 ベンチでおにぎりを食べ、早々に出発することにする。

 

 車通りのある道をサイクリングするのは久しぶりで、あまり面白味のない自転車行になったが、海は広いな大きいなと、ず~っと視線を遠くに向けた1日だった。

 

 四万十市に戻り、2日分の汗を銭湯で流した。

 ちなみにやけど、中村温泉のお湯は熱く、また、アパートの部屋には空きがあるらしい。

 

 

 

 道の駅ビオスおおがたから入野の浜に入ると、青い海と空にTシャツが映えている。

 

 10分ほど走ると、浮津海水浴場には鯉のぼりが泳いでいる。

 風は少し強いが、見渡す限り海と空が広がる空間からの贈り物だと思うことにする。

 

 

 蜷川沿いの県道55号に入り、海岸から離れる。

 

 山道を辿ると、石積みの擁壁、岩肌の切通しが連続する。

 

 

 峠の猿ヶ森トンネルを越え、山道を下ると渓流もないのに道が濡れている。長命水という水場もあり、湧水が豊富な土地なんだと感じていると、R367との辻場に小さいながらも美しい棚田に出合う。湧水と棚田が頭の中で結びついた瞬間だ。

 

 県道55号沿いの海洋堂ホビー館に立ち寄る。ここも全国増え続ける廃校跡だ。

 

 道の駅四万十大正でウナギをいただき、林道に入る。林道とは言え、全舗装で普通車が難なく対向できるような道幅だ。トンネルを2つ越え、439国道まで降りつく。

 

 県道337で最後の峠を越え黒潮町に戻り、今日のサイクリングは終了だ。

 

 

 

 

 昨年の春、室生にある西光寺の枝垂れ桜を観に行ったら、すでに盛りを過ぎてしまっており残念な思いをした。来年は時期を意識して訪れようと思っていたが、ちょうどこのタイミングだと思い出掛けた。

 

 

 交通量の多いR165を避け、室生ダムを起点にダム湖畔を回り榛原へ抜ける。

 路肩に駐車された車が多く、意外なほど交通量が多い。バス釣りだろうか、竿を持った人が歩いているのを見かけたが、湖畔で竿を振る人を見ることがなかった。

 

 

 室生赤目火山帯に含まれるこの辺りは、巨大な柱状節理が路肩に露れている。

 

 

 榛原から大宇陀方面に向かい、又兵衛桜の下へ。観光バスが動員されるほどの名所とあって、さすがに人が多い。桜は満開で見事とはいえ、何か物足りない。あるとわかっているところに、あったにすぎないからか。

 

 

 

 例えば林道の下りで、ブラインドコーナーを回りこんだ時、路面一面の花びらを合図に顔を上げ、眼前に山桜が広がっていたら、それはもう、感動的な出会いとなるだろう。意外な出会い、想定外の出来事のほうが、心が動かされるから。

 とはいえ、今回は又兵衛桜から仏隆寺の千年桜、西光寺の枝垂れ桜を見るコースだ

 

 

 仏隆寺へ向かうため菟田野町へ向かうと、川沿いの桜並木が美しい。写真を撮っていると『カッコ良い自転車ですね』と声をかけていただいた。その方のSNSに僕の自転車が載っているはずだ。

 

 

 仏隆寺の千年桜のほうの人出はさほどでもなかったが、桜は見劣りすることなく見事だ。

 

 

 

 仏隆寺から室生古道をたどり、室生の里に入る。夕暮れが近づき西日がさす時分に、まさに西光寺だ。

 

 

 桜色にぼやける室生の里を眼下に下り、少し肌寒くなった室生川沿いの道を室生ダムへ向け走った。

 

 

 今回、桜は盛りだったけれど、散り始めたころのほうが、味があるかな。そう、人生も50代後半から味わいが深くなるように。

 

 

 『季節を告げない花なんてないのさ』と竹原ピストルさん