昨年の春、室生にある西光寺の枝垂れ桜を観に行ったら、すでに盛りを過ぎてしまっており残念な思いをした。来年は時期を意識して訪れようと思っていたが、ちょうどこのタイミングだと思い出掛けた。

 

 

 交通量の多いR165を避け、室生ダムを起点にダム湖畔を回り榛原へ抜ける。

 路肩に駐車された車が多く、意外なほど交通量が多い。バス釣りだろうか、竿を持った人が歩いているのを見かけたが、湖畔で竿を振る人を見ることがなかった。

 

 

 室生赤目火山帯に含まれるこの辺りは、巨大な柱状節理が路肩に露れている。

 

 

 榛原から大宇陀方面に向かい、又兵衛桜の下へ。観光バスが動員されるほどの名所とあって、さすがに人が多い。桜は満開で見事とはいえ、何か物足りない。あるとわかっているところに、あったにすぎないからか。

 

 

 

 例えば林道の下りで、ブラインドコーナーを回りこんだ時、路面一面の花びらを合図に顔を上げ、眼前に山桜が広がっていたら、それはもう、感動的な出会いとなるだろう。意外な出会い、想定外の出来事のほうが、心が動かされるから。

 とはいえ、今回は又兵衛桜から仏隆寺の千年桜、西光寺の枝垂れ桜を見るコースだ

 

 

 仏隆寺へ向かうため菟田野町へ向かうと、川沿いの桜並木が美しい。写真を撮っていると『カッコ良い自転車ですね』と声をかけていただいた。その方のSNSに僕の自転車が載っているはずだ。

 

 

 仏隆寺の千年桜のほうの人出はさほどでもなかったが、桜は見劣りすることなく見事だ。

 

 

 

 仏隆寺から室生古道をたどり、室生の里に入る。夕暮れが近づき西日がさす時分に、まさに西光寺だ。

 

 

 桜色にぼやける室生の里を眼下に下り、少し肌寒くなった室生川沿いの道を室生ダムへ向け走った。

 

 

 今回、桜は盛りだったけれど、散り始めたころのほうが、味があるかな。そう、人生も50代後半から味わいが深くなるように。

 

 

 『季節を告げない花なんてないのさ』と竹原ピストルさん