昨日のことになりますが、日本語の「猫」という字を台湾の学生に教えました。

 

 毎度のことですが、この字を教えると学生が、

 猫という字が「犭」なのはおかしい。「犭」は犬類を表すのだから「豸」であるべきだ、というのです。

 

 学生に「犭」は中国語でなんと読むのかきくと、犬と同じ発音で「quan3」だそうです。

 「豸」のほうは中国語でなんと言うのかきくと、ほとんどの学生は答えられませんでしたが、休憩時間になってからひとりの学生がやってきて「zhi4」だと教えてくれました。

 

 そこで、今日はこの「豸むじなへん」について書いてみようとおもいました。

 

 この「豸むじなへん」をウィキペディアの台湾版で調べてみると、3つの意味がありました。

 

 

 一つは長い背中のケモノ、すなわち「獬豸」、古い伝説に登場する、くねくねと動く羊に似た一角獣、

 二つめは、足のない虫

 三つめは「解決」

だそうです。

 

 下は、漢来大飯店にある「獬豸」の像です。韓国や日本、ベトナムにも伝わり、それぞれの土地で姿を変化させていったそうです。

 

 

 「獬豸」は、一説によると、日本の狛犬の起源だとされているそうです。

 

 日本語のウィキペディアを見ると、台湾における「獬豸」について、下のような説明がありました。↓

 

 

 台湾では、正義や公正を意味するんですね。

 憲兵の腕章にも採用されているようで、下がその腕章になります。↓

 

 

 なかなか可愛くデフォルメされていますね。

 

 教育部の『異体字辞典』によると、この獬豸の豸は、もともと「廌」という字を書いていたそうです。

 

 

 この字が「zhi4」と読むことと、「法治」の「治」が同じ発音であったことも、「獬豸」が「法治」を表すようになった由来に絡んでいるようです。

 

 調べて見ると、次から次にいろいろな情報が出てきますが、明日はまだ仕事があるので、また別の機会に書くことにします。

 

 伝説上の生き物って、いろいろな形で現代にも生きているんですね。おもしろい。