2021年9月27日、初の長州遠征の3日目・最終日。この日のネタで記事にしているのは、山口県●●局のトンネルと夕方のメインターゲット、釣上隧道。
今宵ご紹介するのは、●●局のトンネルから約50分後、お昼前に訪ねた物件。意外な(ってわたくしが知らんかっただけだが)大物だった。
まずはこれ。現在地はこちら。
高欄の残念改修はいただけないが、
キモはこちら、
ボウストリングトラス。
そして、
重厚な石積み橋脚。一見して古い橋だ。
手前に写っている華奢な補助橋脚?も後年の後付けなのは明らか。高欄の残念改修も併せ、修繕して現役で使われていることが重要であり尊いのだ。
なぜならば。
なんとこの橋、その名を松室大橋といい、国登録有形文化財だった。へぇ~っ。
内容は各自ご覧いただきたいが、
「現在知られている国内の橋梁のうち、建設当初の位置にあり、かつ、現役の車道用の鋼製単純トラス橋としては国内最古のものです。」
ということで、単なる古い橋だと思って訪ねたわたくしとしてはビックリした次第。「建設当初の位置にあり」っていうのがポイントですな。トラスってよく移設転用されるから。
余談だが、橋の「国内最古」って細分化しようと思えばどんだけでもできる感じで、この松室大橋だけでも「架橋当時の位置にある」「現役」「車道用」「鋼製単純トラス橋」という四つもの要件があるわけだが、廃物件も含めるとか、鉄道用ではとか人道用ではとか、上路アーチ橋ではとか、この要件をいじればかなりの数の「国内最古」部門が作れる(笑)。こういうのを網羅した論文とかサイトさんとかあるのかなあ。調べてもないので知らんけど。
ちなみに拙ブログで採り上げている「国内最古」関連の橋梁だと、下の川橋梁、第一大戸川橋梁、日光橋くらいかなあ。ネタとしては他にも持ってるのだが。
さて、逆サイからは、
うーん、あんま見えないな。
では渡ろう。
橋上から見る橋脚も、また実にカッコよし。
ボウストリングって、
あれこれ撮ってみるんだけども、いまいち正解がわからない感じが(笑)。
橋上から望む、
こちら上流側。
ちなみに川の名は錦川。最下流部ではあの国宝・錦帯橋が架かっている川だが、こんなとこを流れているイメージがなかったので驚いた。けっこう複雑な流路なんだなあ。
で、こちら下流側。
やっぱり、ガードレール欄干、味気ない。
渡りきって正対。
たぶん誰も気にしないが、わたくしには気になる痕跡があるな~。
これ。
もしかしてこれ、かつての親柱の基礎部分じゃないかな~とか。位置的に。知らんけど。
案内板にも書かれていた銘板!
内容は、
大正九年十一月
日本橋梁株式會社 製作
大阪
意匠を施されたスタイリッシュな銘板。ただでさえ重厚で素晴らしいのに、「国内最古」となるとさらにありがたみあるな(笑)。
この撮り方も、ボウストリングトラスではよくやる撮り方だが、
正解なのかは…(笑)。
堪能した。
こういう撮り方も、わたくしよくやるな(笑)。
橋の東詰めにはお寺?があり、ちょっといい雰囲気で。
その石段下より望む、松室大橋。
哀惜のオーラを放つ廃橋が大好きだけれど、やはり現役で使われているというのはいい。2014年のストビューではもっとヤレた雰囲気で案内看板も見当たらなかったが、こうして100年以上にわたり保守されながら、地域の生活橋としての使命を担い続ける…実に尊い。
まだまだこの先も、「橋の本分」を全うしていきそうな松室大橋でありました。
以上。