2011年7月30日、奈良北部~摂津方面徘徊の際に訪ねた物件をご紹介。
この日最初のネタとして記事にしている八七瀬橋の約50分後…しかし時刻はまだ早朝5時18分(笑)。
タメずにお見せいたします。
コレでございます。場所はコチラ。
名称は下の川橋梁というが、下を流れている川は白砂川。なんじゃそりゃ。
その特徴は一目瞭然、
このトレッスル橋脚であります。
トレッスル橋脚とは、鋼材をトラス状に組んだ型式の橋脚。道路橋梁に用いられることは極めて少なく、ほぼ鉄道橋梁においてのみ見られる型式だが、数はさほど多くない。
トレッスル橋脚を持つ橋梁で圧倒的に有名だったのは山陰本線の餘部橋梁だったが、残念ながら数年前に架け替えられてしまった。
ここのはサイズこそ小ぶりだが、石積みの基壇部も含め、実に素晴らしい。
で、実は。
この下の川橋梁のトレッスル、
現存する、国内最古のトレッスル橋脚らしいのである!
関西鉄道の手によりこの区間が開通したのは、1897年。その時から立ち続けること、実に119年。いや~凄い。実は訪ねた時点では、そんなん知らなかったのは内緒だ(笑)。
ちなみに土木学会選近代土木遺産には指定されているが、Cランク。わたくしごとき素人には、基準がよくわからない…(笑)。
で、地味に興味深いところは、
伝わるかどうか微妙だが、鋼桁の方向に対して、少しオフセットした角度で橋脚が立っていること。
それとセットで観察されるべきなのが、
これまた見事な、笠置方の橋台。
石積み基壇部に煉瓦を積み上げ、隅石でガッチリと固めた堅牢そのものの素晴らしい橋脚だが、これもまた桁と微妙にオフセットしているのがわかるだろうか?
要は、橋梁自体が白砂川に対してわずかにスキューして架かっているために、橋台および橋脚もそれに対応してオフセットしている、という状態。
ただでさえレアなトレッスル橋脚にこんな隠し味を付けられちゃあ、もうたまりません(変態)。
堪能した。
が、次行く時はトレッスルの直下へと到達したいなあ。まぁ、あいにくこの辺通るのって大抵真夜中なんやけど…(謎)。
以上、完結。