2012年3月25日、信楽近辺を徘徊した際のこと。この日のネタは初めてのようで…。今宵ご紹介するのは、知る人ぞ知る有名物件(どっちやねん)。
タメなく、ドン。
コイツであります。現在地コチラ。
信楽高原鐡道のコンクリート橋梁だが、パッと見どうってことないと思うだろう。しかし橋梁愛好者的には気になる…かもしれないこの物件。
実は…
登録有形文化財!なのであります。
なんでこれが!?って思った方もおられよう。
この物件の名前は、
第一大戸川(だいどがわ)橋梁。
銘板最下部には「しゅん功 昭和29年8月26日」とある。たぶん、思ったよりも古い、と思われたのではないだろうか。
実はこの第一大戸川橋梁は、
我が国で初めてのプレストレスト(PC)コンクリート造橋梁なのだった。
文化庁の「国指定文化財データベース」における解説文を引用すると、
「貴生川と信楽を結ぶ旧国鉄信楽線に建設された、橋長31m、単線仕様の単桁橋。桁高を抑え、フレシネ式ポストテンション工法により鋼線を挿入した4基のI形桁を、ロッカー支承で支える。わが国で最初に築かれた本格的プレストレストコンクリート造橋梁。」
とのこと。
プレストレストコンクリートとは、圧縮力には強いが引張力には弱いというコンクリートの弱点を克服すべく、あらかじめ(プレ)圧縮力を加えた(ストレス)コンクリートのこと。スパンを長く取れるという利点を活かし、このように橋脚なしのワンスパン橋梁としての施工が可能となった。
…まあ、知識として知ってはいても、なんでそうなるのか、わたくしごとき素人にはいまいちピンときてないのだが(笑)。
とりあえず、現在全国的に無数に存在するPC橋梁たちの原点、オリジネーターがこの橋梁なのだ、ということで。
おりしも通りかかった列車(単行だけど)。
ちょっと懐かしいな、このカラーリング。
で、時は流れて2017年9月3日、ハルニチさんとのシバキ倒しツアーの途中でこの橋梁に立ち寄った。今度は対岸のココから。
こっちには、こういう謎のコンクリート構造物遺構があった。鉄道に関係するものだろうか?
改めて見ると、
スッキリ具合が際立ちますな~。
わざわざ見に行って面白い物件かどうかはさておき、「この建造物は貴重な国民的財産です」ってことだ。文化庁のおっしゃるとおり。
以上。