【9】より続く。今回はおまけみたいなもんでございます。
去り際に、坑口から振り返り。
こうして見ると、川の流れとしては左曲がりになる不動滝方向に対し、まっすぐの方向に隧道が穿たれていることがよくわかる。いかにもこちらのほうが木材を流しやすそうだ。
この洞内を見ながら、
改めてその光景を想像し…実際にもし見ることができたなら、さぞかし凄いスペクタクルだろうなあ。
そして、ここから…
ドドドッと吐き出されて落ちる、と。
素朴な疑問だが、こういう高いところから流れ落としても、木材が傷む(商品価値を損なう)ことはなかったんだろうか。まあ今の状況と違って水のある滝壷に落ちるんだから大丈夫なのか。
さて、せっかくここまで来たのだから、この隧道戻りを動画で記録した。
魅惑の洞内を、貧弱な照明で(笑)。
でも強がりでなく、明るすぎる照明よりこのくらいが好きなんすよね~。まあ記録にはいささか不向きなのは認めるが。
そして当然、
こいつを通らにゃあ帰れないのだった。
よせばいいのに、これも動画を撮った。
これはちょっと反省してるかな。こんなん撮って喜んでる場合じゃなく、もっと慎重に行動すべきだった。
撤収を始めて20分後には、
こうして改めて下から眺めていた。1時間10分前とは違った心持ちで。
さっきも書いたが、あそこから水と材木が噴き出してくる様、スペクタクルだったでしょうな~。そういえば、滝壷を写しこんだ写真ってこれが初めてだっけ。
そして三度目の川畔休憩で、今度こそ
お食事(笑)。
大いなる達成感と共に、
桃源郷のような池郷川の流れを愛でた。至福~。
10時32分、帰投作戦へ。
やはり腐れ桟橋には気色悪さを覚えつつも、
川の美しさにうっとりとしつつ、
さすがに復路は速く、10時52分、
現世へと帰還した。
探索時間は4時間52分、間違い探しコミで考えれば、まあ想定の範囲内だったが、危険度についてはちょっと…想定を超えてたかな。
記事を書きながら思い出したことがある。実は以前、ここを攻略した先人の一人であるペッカーさんより、ここの難易度について「クイックさん的には中レベルくらいではないか」という旨の見立てをいただいていたのだが、いやいやいや、買いかぶりも甚だしい(笑)。あんなん上レベルですや~ん。めっちゃ怖かったっすよ。
ここ最近、こういう木材流し含めた「知られざる林業関連隧道」に、改めて興味をひかれている。知らずに書いてたものを含め、これまでに記事にしているのは一雨の水路隧道(正体判明篇もどうぞ)と、大鯛木馬道…スケールは違いすぎるが摺子も当てはまるか。いずれも紀伊半島ですな。
大御所が採り上げたやつを始め、半島各地に点在するようで、まだまだ未知のものもあるんだろうと思う。情報お持ちであれば、ぜひご教示願いたい。
これが探索の顛末。長年憧れていた隧道を、ついに、そして無事に攻略することができた。5時間弱の間に喜怒哀楽全ての感情を味わった気がする、とても印象的な探索となった。
以上、完結。